# 目次

1. はじめに

2. SQLインジェクションとは

   - 2-1. SQLインジェクションの仕組み

   - 2-2. 被害事例

3. Cloud Loggingの概要

4. Cloud Loggingを使ってSQLインジェクションを検出する方法

   - 4-1. ログの設定

   - 4-2. 警告ルールの作成

5. SQLインジェクション検出のためのベストプラクティス

   - 5-1. パターンマッチング

   - 5-2. 異常検出アルゴリズム

6. 実際の設定手順

   - 6-1. Google Cloud Platformのセットアップ

   - 6-2. ログフィルターの設定

   - 6-3. アラートの設定

7. 結合テストと監視

   - 7-1. テストシナリオ

   - 7-2. 検出精度を高めるための調整

8. まとめ

## 1. はじめに

SQLインジェクションは、サイバー攻撃の中で特に古典的かつ危険性の高い手法で、多くの企業や組織のデータベースに狙いを付けられています。この攻撃では、不正なSQL文が注入されることで、データの漏洩や変更、不正アクセスが引き起こされます。本記事では、Google Cloudが提供するCloud Loggingを利用して、これらの攻撃の痕跡を検出する方法を解説します。

## 2. SQLインジェクションとは

### 2-1. SQLインジェクションの仕組み

SQLインジェクションは、アプリケーションがユーザー入力を適切に処理しない場合に発生します。これにより、攻撃者が意図しないSQLクエリを実行できるようになります。通常のケースでは、例えばログインフォームに `' OR '1'='1` のような文字列を入力することで、不正に認証を回避することができます。

### 2-2. 被害事例

SQLインジェクションは、多くの著名な情報漏洩事件の背後に存在します。過去には、顧客データの流出、知的財産の漏洩がこれにより引き起こされ、企業は多大な損害を被りました。

## 3. Cloud Loggingの概要

Google CloudのCloud Loggingは、リアルタイムでデータを収集し、分析し、異常検知を行うことができる強力なツールです。ログをクラウド環境に安全に送信し、様々な条件でフィルターや解析を行い、リアルタイムに異常を検知することが可能です。

## 4. Cloud Loggingを使ってSQLインジェクションを検出する方法

### 4-1. ログの設定

最初に、アプリケーションのクエリログをCloud Loggingに送信するように設定します。これには、既存のロギングフレームワーク（例：Logback, Winston）を用いてログを適切なフォーマットで送信します。

### 4-2. 警告ルールの作成

次に、ログ内にSQLインジェクションのパターンが検出されたときに発報するアラートを設定します。例えば、`SELECT * FROM`の直後に無効な構文が現れるケースをターゲットにします。

## 5. SQLインジェクション検出のためのベストプラクティス

### 5-1. パターンマッチング

単純で効果的な手法は、既知の悪意のあるSQLパターンをマッチングすることです。正規表現を用いて、ログメッセージから潜在的に危険なクエリを特定します。

### 5-2. 異常検出アルゴリズム

機械学習を用いた異常検出も有効です。正常なログのパターンを学習し、そこから逸脱する攻撃を特定します。この方法は初期設定は難しいですが、時間とデータの量に応じて精度を向上させられます。

## 6. 実際の設定手順

### 6-1. Google Cloud Platformのセットアップ

GCPコンソールでCloud Logging APIを有効にし、プロジェクトに必要なIAM権限を付与します。

### 6-2. ログフィルターの設定

検索クエリに応じて、アプリケーションログからSQLインジェクションの痕跡を抽出します。フィルター例としては、`severity:ERROR AND textPayload="unauthorized SQL"`といった条件を使用します。

### 6-3. アラートの設定

ログフィルターで抽出したSQLインジェクションの痕跡に対するアラートを設定します。特定の条件に合致した場合に、管理者に通知を送るように設定します。

## 7. 結合テストと監視

### 7-1. テストシナリオ

いくつかのテストケースを用意して、意図的にSQLインジェクションを実行してみます。これにより、設定したフィルターやアラートが正しく機能するかどうかを確認します。

### 7-2. 検出精度を高めるための調整

スパースなデータに対する検出精度を上げるため、ログの細分化やアラート条件の微調整を行います。具体的には、誤判定を減らすためのホワイトリストの作成などがあります。

## 8. まとめ

Cloud Loggingを活用することで、SQLインジェクションのような危険な攻撃を検出し、迅速に対応することが可能です。適切なログの収集とフィルタリング、アラート設定により、組織の情報セキュリティを向上させることができます。継続的なモニタリングと設定のチューニングを行うことで、攻撃の検出率を高め、リスクを最小限に抑えることができるでしょう。

目次

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）