# 目次

1. イントロダクション

    - 1.1 Azure Batchとは

    - 1.2 Blob StorageとSASトークンの関係

2. Azure BatchでのSASトークン利用の準備

    - 2.1 必要なAzureサービスの設定

    - 2.2 SASトークンの発行手順

3. Azure BatchへのSASトークンの統合

    - 3.1 Azure Batchプールの作成

    - 3.2 タスクにSASトークンを付与する方法

4. スクリプト例

    - 4.1 スクリプトでのSASトークンの利用例

    - 4.2 Pythonを使った実装

5. 利用時の注意点とベストプラクティス

    - 5.1 セキュリティに関する考慮事項

    - 5.2 トークンのライフサイクル管理

6. まとめ

---

## 1. イントロダクション

### 1.1 Azure Batchとは

Azure Batchは、Microsoft Azureのサービスの一つで、大量の計算を自動的にスケジュールし、管理することができるプラットフォームです。大規模な分散コンピューティング環境をわずかな設定で利用できるため、科学計算やビッグデータ処理、レンダリングなど多様な分野で利用されています。

### 1.2 Blob StorageとSASトークンの関係

Azure Blob Storageは、クラウド上にデータオブジェクト（Blob）を保存するためのスケーラブルなストレージソリューションです。SASトークン（Shared Access Signature）は、このBlob Storageへの限定的なアクセスを安全に管理するための一時的なアクセス権を付与する方法です。具体的には、特定の時間範囲内で、特定のリソースに対するアクセスを許可するトークンです。

## 2. Azure BatchでのSASトークン利用の準備

### 2.1 必要なAzureサービスの設定

Azure BatchでSASトークンを利用する前に、以下のAzureリソースを構成しておく必要があります。

- Azure Storageアカウント：Blobを保存するためのストレージ。

- Azure Batchアカウント：タスクを実行するための計算能力を管理。

これらのサービスをAzureポータルから設定し、必要なリソースグループに配置しておきましょう。

### 2.2 SASトークンの発行手順

SASトークンは、Azure PortalまたはCLIを用いて発行できます。以下にAzure CLIを使用した手順を示します。

```bash

az storage container generate-sas \

    --account-name <ストレージアカウント名> \

    --name <コンテナ名> \

    --permissions r \

    --expiry <有効期限> \

    --output tsv

```

このコマンドを実行することで、SASトークンが生成され、指定コンテナへの読み取り権限が付与されます。

## 3. Azure BatchへのSASトークンの統合

### 3.1 Azure Batchプールの作成

Azure Batchを利用するには、まず計算を行うプールを作成します。Azure PortalまたはAzure CLIを使用して設定できます。

### 3.2 タスクにSASトークンを付与する方法

タスクがBlob Storageを利用する際に、SASトークンを利用してアクセスする方法を設定します。具体的な構成例に関しては、以下のスクリプト例を参照してください。

## 4. スクリプト例

### 4.1 スクリプトでのSASトークンの利用例

以下に、Azure BatchタスクがBlob Storageにアクセスする際のスクリプト例を示します。Pythonスクリプトの例として、Botoライブラリを使用してBlobからデータを取得します。

### 4.2 Pythonを使った実装

```python

from azure.storage.blob import BlobServiceClient

sas_token = "<発行したSASトークン>"

account_url = "https://<ストレージアカウント名>.blob.core.windows.net"

blob_service_client = BlobServiceClient(account_url=account_url, credential=sas_token)

container_name = "<コンテナ名>"

blob_name = "<Blobの名前>"

blob_client = blob_service_client.get_blob_client(container=container_name, blob=blob_name)

with open("downloaded_blob.txt", "wb") as my_blob:

    blob_data = blob_client.download_blob()

    blob_data.readinto(my_blob)

```

## 5. 利用時の注意点とベストプラクティス

### 5.1 セキュリティに関する考慮事項

SASトークンは非常に強力なアクセスツールですので、漏洩を防ぐための管理が重要です。トークンの有効期間を必要最小限に設定し、用途に応じたアクセス権限を慎重に設定してください。

### 5.2 トークンのライフサイクル管理

トークンが失効する前に、新しいトークンを発行し、システムに適用するプロセスを自動化することを検討しましょう。長期間運用する環境においては特に重要です。

## 6. まとめ

Azure BatchとBlob Storageを組み合わせることで、大規模なデータ処理を効率的に行うことが可能です。SASトークンの利用により、安全で管理されたアクセスを実現できます。本記事では、Azure BatchでのSASトークンの利用方法を具体的に解説しました。ぜひ、プロジェクトに役立ててください。

目次

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）