

## 目次

1. はじめに

2. JUnit 5とは

    - 2-1. JUnitの概要

    - 2-2. JUnit 5の特徴

3. @Disabledアノテーションの概要

    - 3-1. @Disabledとは

    - 3-2. 使用するシナリオ

4. @Disabledの基本的な使い方

    - 4-1. 単一テストを無効化

    - 4-2. クラス全体を無効化

5. @Disabledの応用

    - 5-1. 条件付き無効化

    - 5-2. 環境変数に基づく無効化

6. @Disabledを使う上での注意点

7. まとめ

## 1. はじめに

JUnitはJavaで単体テストを行うための主要なフレームワークです。特にJUnit 5は新機能が豊富で、柔軟なテスト設計を支える多くのアノテーションを提供しています。本記事では、JUnit 5の`@Disabled`アノテーションを使ってテストを無効化する方法を具体的なコード例とともに説明します。テストを無効化することで、実行したくない特定のテストを一時的に除外できるメリットがあります。

## 2. JUnit 5とは

### 2-1. JUnitの概要

JUnitはJavaでテストを作成し、実行するための人気のあるフレームワークです。簡単に書けるアノテーションベースのテストをサポートし、開発者がコードの品質を維持する大きな助けとなります。

### 2-2. JUnit 5の特徴

JUnit 5は、JUnit 4から大きく進化し、モジュラーアーキテクチャを採用しています。これにより、プラットフォーム、エンジン、JUnit Vintageなど、異なるテストランナーやテストエンジンが共存可能となり、拡張性と柔軟性が向上しました。

## 3. @Disabledアノテーションの概要

### 3-1. @Disabledとは

`@Disabled`アノテーションを使用すると、特定のテストメソッドまたはテストクラス全体を無効化できます。これは、現在のテスト実行から特定のテストを除外したい場合に便利です。

### 3-2. 使用するシナリオ

- 開発中の機能で、まだテストが完了していない場合

- テストが外部システムに依存しているが、そのシステムが一時的に利用できない場合

- バグが見つかり、修正中のテストケースを一時的にスキップしたい場合

## 4. @Disabledの基本的な使い方

### 4-1. 単一テストを無効化

特定のテストメソッドだけを無効化したい場合、`@Disabled`アノテーションをメソッドに適用します。

```java

import org.junit.jupiter.api.Disabled;

import org.junit.jupiter.api.Test;

public class ExampleTest {

    @Test

    void shouldExecuteThisTest() {

        // このテストは実行されます

        System.out.println("This test is executed.");

    }

    @Test

    @Disabled("改善が必要なため無効")

    void shouldNotExecuteThisTest() {

        // このテストは無効です

        System.out.println("This test is not executed.");

    }

}

```

### 4-2. クラス全体を無効化

特定のテストクラス全体を無効化する場合は、クラス宣言に`@Disabled`アノテーションを適用します。

```java

import org.junit.jupiter.api.Disabled;

import org.junit.jupiter.api.Test;

@Disabled("このクラスの全テストは無効化されています")

public class DisabledClassTest {

    @Test

    void testOne() {

        // このテストは実行されません

        System.out.println("This is not executed.");

    }

    @Test

    void testTwo() {

        // このテストも実行されません

        System.out.println("This is not executed either.");

    }

}

```

## 5. @Disabledの応用

### 5-1. 条件付き無効化

JUnit 5では、`@Disabled`と条件を組み合わせてテストを無効化することもできます。たとえば、環境に応じてテストを無効化する場合、`@DisabledIf`アノテーションを使用できます。

(注: `@DisabledIf`は追加のライブラリが必要です)

```java

import org.junit.jupiter.api.Test;

import org.junit.jupiter.api.condition.DisabledIfSystemProperty;

public class ConditionalTest {

    @Test

    @DisabledIfSystemProperty(named = "env", matches = "dev")

    void testInNonDevEnvironment() {

        // 開発環境では実行されません

        System.out.println("Not executed in dev environment.");

    }

}

```

### 5-2. 環境変数に基づく無効化

システムプロパティ以外にも、環境変数に基づいてテストを無効化することができます。

```java

import org.junit.jupiter.api.Test;

import org.junit.jupiter.api.condition.DisabledIfEnvironmentVariable;

public class EnvironmentVariableTest {

    @Test

    @DisabledIfEnvironmentVariable(named = "API_TEST", matches = "false")

    void onlyIfApiTestsEnabled() {

        // "API_TEST" が true でない限り、このテストは実行されません

        System.out.println("Executed only if API tests are enabled.");

    }

}

```

## 6. @Disabledを使う上での注意点

- 無効化したテストを再度有効にするのを忘れると、重要なテストがカバレッジから抜け落ちる危険があります。

- 長期間@Disabledを使用するのはお勧めしません。テストを無効化している理由をドキュメント化し、定期的にレビューすることが重要です。

- すべての無効化の原因を明確に記述し、トラッキングできるようにします。

## 7. まとめ

JUnit 5の`@Disabled`アノテーションは、特定の条件下でテストを無効化するのに非常に便利です。この機能を適切に活用することで、テストスイートのメンテナンスを支援し、開発の柔軟性を高めることが可能です。テストを無効にする理由を明確にし、必要があればすぐに対応できるようにアノテーションを管理しましょう。@Disabledを使用する際は、テストの品質とカバレッジを維持するための注意点を忘れずに遵守することが大切です。

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