# Azure Application GatewayとApp Serviceの統合構成例

## 目次

1. Azure Application Gatewayとは

2. Azure App Serviceとは 

3. 統合の目的と利点

4. Azure Application GatewayとApp Serviceの統合方法

   - 4-1. 前提条件

   - 4-2. Application Gatewayの作成手順

   - 4-3. App Serviceの設定手順

   - 4-4. Application GatewayとApp Serviceの統合手順

5. 統合構成のベストプラクティス

6. トラブルシューティング   

7. まとめ

## 1. Azure Application Gatewayとは

Azure Application Gatewayは、レイヤー7のロードバランサーであり、ウェブトラフィックの分散、SSL終了（SSLオフロード）、URLベースのルーティング、複数ポートのサポートといった機能を提供します。アプリケーションの可用性とセキュリティを向上させるためのツールです。

## 2. Azure App Serviceとは

Azure App Serviceは、高度なスケーリング、カスタムドメイン、SSLのサポート、統合型のDevOps機能を含む、フルマネージドなプラットフォームを提供するMicrosoft AzureのPaaSサービスです。アプリケーション開発に必要な、速やかにアプリをデプロイできる環境を提供します。

## 3. 統合の目的と利点

Azure Application GatewayとApp Serviceの統合により、次のような利点が得られます。

- **セキュリティの強化**: WAF（Web Application Firewall）を利用して、悪意のあるトラフィックや攻撃からアプリケーションを守ります。

- **効率的なトラフィック管理**: URLパスに基づくルーティングにより、特定のトラフィックを適切なバックエンドへ転送可能です。

- **高速化**: キャッシングとオフロードされたSSLプロセスにより、バックエンドの負荷を軽減し、レスポンスを高速化します。

## 4. Azure Application GatewayとApp Serviceの統合方法

このセクションでは、Azure Application GatewayとApp Serviceの連携手順を順を追って説明します。

### 4-1. 前提条件

- Azureサブスクリプション

- トラフィックを受け取るためのドメイン

- App Serviceのデプロイが完了していること

### 4-2. Application Gatewayの作成手順

1. **Azureポータルにサインイン**: Azureポータルにアクセスし、ホームダッシュボードからApplication Gatewayを検索します。

2. **リソースの作成**: 「リソースの作成」から「Application Gateway」を選び、新規作成します。

3. **構成設定**: 

   - **基本設定**: リソースグループの選択、新規作成、名前の指定。

   - **インスタンス詳細の設定**: Tier選択（Standard_v2推奨）、インスタンス数の設定。

   - **フロントエンドの設定**: パブリックIPの選択または新規作成。

4. **バックエンドの設定**: 

   - **バックエンドプール**: App Serviceをバックエンドとして設定。

### 4-3. App Serviceの設定手順

1. **AzureポータルでApp Serviceを開く**。

2. **独自ドメインの追加**: Application Gatewayで設定するドメインに合わせ、App Serviceに独自ドメインを追加します。

3. **HTTPS/TLS設定**: 必要に応じて、証明書のバインドやSSL設定を行います。

### 4-4. Application GatewayとApp Serviceの統合手順

1. **リスナーの追加**: Application GatewayにフロントエンドIPとポートを使用してリスナーを加えます。ここでHTTP/HTTPSリスナーを設定します。

2. **ルールの作成**: リスナーに対してルーティングルールを設定し、適切なバックエンドプール（App Service）を指定します。

3. **構成の検証**: 統合後、トラフィックが正しくルーティングされ、App Serviceで期待通りに動作するかを確認します。

## 5. 統合構成のベストプラクティス

- **スケーラビリティの確保**: 自動スケーリングオプションを有効化して、トラフィックの増減に対応できるようにします。

- **セキュリティの強化**: WAFポリシーを適用し、攻撃を未然に防ぎます。

- **監視の導入**: Azure MonitorやApplication Insightsなどを使って、パフォーマンスとトラフィックを定期的に監視します。

## 6. トラブルシューティング

統合の過程で問題が発生した場合、以下のトラブルシューティングを実施します。

- **DNSの確認**: DNSが正しく設定されているか確認し、App Serviceの独自ドメイン設定を再度確認します。

- **セキュリティ証明書**: SSL証明書の有効期限やバインド設定を確認します。

- **ログの分析**: Application GatewayやApp Serviceのログを確認し、エラーの原因を特定します。

## 7. まとめ

Azure Application GatewayとApp Serviceの統合は、アプリケーションのパフォーマンスとセキュリティの改善に繋がります。適切な設定とベストプラクティスに従うことで、効率的かつ安全にトラフィックを管理できます。継続的な監視とメンテナンスを実施することが、安定した動作を維持する鍵です。

Azure Application GatewayとApp Serviceの統合構成例

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