# Azure App Service for Containersを利用したDockerアプリの公開

## 目次

1. はじめに

2. Azure App Service for Containersとは

3. 前提条件

    1. 必要なツール

    2. Azureアカウントの準備

4. Dockerアプリケーションの準備

5. Azure Container Registryへのイメージプッシュ

6. Azure App Service for Containersの作成

7. Dockerアプリのデプロイ

8. デプロイ後の確認と設定

9. セキュリティ設定

10. まとめ

## 1. はじめに

Dockerコンテナは、アプリケーションの移植性とスケーラビリティを高めるための強力なツールです。本記事では、Microsoft Azureの「Azure App Service for Containers」を使用してDockerアプリケーションを公開する方法を詳述します。このプロセスを通して、クラウド環境へのアプリケーションのデプロイがどれほど簡単かを示します。

## 2. Azure App Service for Containersとは

Azure App Service for Containersは、Azure上で完全に管理されたWebアプリケーションホスティングサービスで、Linux上でDockerコンテナをホストできる機能を提供します。このサービスには、スケーリングやロードバランシングなど、アプリケーションの管理と運用を容易にするための多数の機能が組み込まれています。

## 3. 前提条件

### 3-1. 必要なツール

DockerアプリケーションをAzure上にデプロイするには、以下のツールが必要です。

- Docker：コンテナのビルド、管理に使用

- Azure CLI：Azureリソースを管理するコマンドラインインターフェース

- Git：コード管理に使用

### 3-2. Azureアカウントの準備

Azureでアプリケーションを公開するためには、Azureアカウントが必要です。Azureアカウントを新規作成する場合、無料でスタートするためのクレジットが提供されます。

## 4. Dockerアプリケーションの準備

最初に、Dockerfileを使ってアプリケーションをコンテナ化します。以下は簡単なNode.jsアプリケーションの例です。

```dockerfile

# ベースイメージ

FROM node:14

# アプリケーションディレクトリを作成

WORKDIR /usr/src/app

# 依存関係をインストール

COPY package*.json ./

RUN npm install

# アプリケーションコードをバンドル

COPY . .

# ポート番号

EXPOSE 8080

# アプリケーションを実行

CMD ["node", "app.js"]

```

このDockerfileにより、Node.jsのバージョン14をベースにしたコンテナが生成され、アプリケーションがポート8080でリッスンします。

## 5. Azure Container Registryへのイメージプッシュ

DockerイメージをAzure Container Registryにプッシュするプロセスは以下の通りです。

1. Azure CLIを使用してAzure Portalにログインします。

    ```bash

    az login

    ```

2. Azure Container Registryの作成。

    ```bash

    az acr create --resource-group <resource-group-name> --name <registry-name> --sku Basic

    ```

3. Docker CLIをAzure Container Registryにログイン。

    ```bash

    az acr login --name <registry-name>

    ```

4. Dockerイメージのビルド。

    ```bash

    docker build -t <registry-name>.azurecr.io/<image-name>:v1 .

    ```

5. イメージをAzure Container Registryにプッシュ。

    ```bash

    docker push <registry-name>.azurecr.io/<image-name>:v1

    ```

## 6. Azure App Service for Containersの作成

次に、Azure App Serviceを作成し、コンテナを実行します。

1. Resource Groupの作成。

    ```bash

    az group create --name <resource-group-name> --location <location>

    ```

2. App Service PlanとWeb Appの作成。

    ```bash

    az appservice plan create --name <app-service-plan-name> --resource-group <resource-group-name> --sku B1 --is-linux

    az webapp create --resource-group <resource-group-name> --plan <app-service-plan-name> --name <app-name> --deployment-container-image-name <registry-name>.azurecr.io/<image-name>:v1

    ```

3. Dockerイメージが正しくデプロイされるように、App ServiceにDockerイメージ設定を追加。

    ```bash

    az webapp config container set --name <app-name> --resource-group <resource-group-name> --docker-custom-image-name <registry-name>.azurecr.io/<image-name>:v1

    ```

## 7. Dockerアプリのデプロイ

Dockerイメージがプッシュされ、Azure App Serviceが設定されたら、アプリケーションは公開されます。デフォルトでは、App ServiceはDNS名を使ったカスタムドメインを提供します。

## 8. デプロイ後の確認と設定

Webブラウザで以下のURLにアクセスし、アプリケーションが正しく稼働していることを確認します。

```

http://<app-name>.azurewebsites.net

```

問題が発生した場合、Azure PortalのApp Serviceの「診断と解決」ブレードを使用してトラブルシューティングが可能です。

## 9. セキュリティ設定

セキュリティはクラウドデプロイの重要な要素です。以下の設定を行うことで、セキュリティを強化できます。

- SSL/TLS証明書の有効化

- 環境変数を使用して資格情報を保護

- Network Security Group (NSG) の設定でIPアドレス制限を行う

## 10. まとめ

Azure App Service for Containers を利用することで、Dockerアプリケーションを簡単にクラウドにデプロイし、運用することができます。本記事を通じて示した手順に沿えば、初めての方でもスムーズに進められるでしょう。Azureの持つ豊富な機能を活用することで、アプリケーションの拡張性や信頼性を大幅に向上させることができる点でも魅力的です。ぜひAzure環境を活用したアプリケーション開発を始めてみてください。

この記事は、開発者がDockerアプリをAzureクラウド上で効率的に管理・運用するための具体的な指針を提供しました。さらなる機能の拡張や改善に向けて、Azureのドキュメントを参照し、クラウド運用を洗練していくことをお勧めします。

Azure App Service for Containersを利用したDockerアプリの公開

目次

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）