

ユーザーからの問い合わせに対し、迅速かつ的確に対応するには「ユーザー行動のリプレイ」ができるツールの活用が非常に有効です。本記事では、代表的なリプレイツールである **SentryのSession Replay** と **Microsoft Clarity** を中心に、料金体系・導入コスト・運用面を踏まえて総合的に比較し、おすすめの選定指針を紹介します。

## 1. 検討対象ツールの概要

### Sentry Session Replay

* **概要**：エラートラッキングで有名なSentryが提供する録画機能。エラー発生時の画面操作やDOMの状態を録画して再現可能。
* **特徴**：エラーとリプレイが紐づいており、技術者が迅速に原因特定可能。

### Microsoft Clarity

* **概要**：Microsoftが提供する無料のUX分析ツール。ユーザー行動のヒートマップとセッション録画機能を提供。
* **特徴**：セッション単位で全ユーザーの行動が記録される。広告連携も可能。

## 2. 比較ポイント

| 項目               | Sentry Session Replay          | Microsoft Clarity                 |
| ---------------- | ------------------------------ | --------------------------------- |
| **料金**           | 一定数までは無料枠あり。有料プランはセッション数に応じて課金 | 無料（トラフィック制限なし）                    |
| **導入工数**         | Sentry SDK導入済みなら簡単に追加可能        | scriptタグを設置するだけで即利用可能             |
| **技術者向けの利便性**    | エラーとリプレイが連携。技術的デバッグに最適         | 主にマーケティング・UX改善用途。技術者視点では情報が限定的    |
| **運用のしやすさ**      | 特定のIssue単位で追跡しやすい              | すべてのセッションが可視化されるため大量データの中から探す必要あり |
| **セキュリティ/匿名化機能** | PII削除設定・セッション制限あり              | ヒートマップ含めた自動マスキング機能あり              |

## 3. ユースケース別のおすすめ

### 技術サポート・不具合対応が主目的の場合

* **おすすめ：Sentry Session Replay**

  * エラーログと連動してリプレイが見られるため、問い合わせの再現性確認や根本原因の調査に非常に有効。
  * SaaSやWebアプリでの開発支援、QA支援との親和性が高い。

### UX改善やコンバージョン率向上が主目的の場合

* **おすすめ：Microsoft Clarity**

  * 無料であり、膨大なユーザーデータが収集できるため、UI改善・導線見直しの判断に向いている。
  * ヒートマップ機能を通じて全体的なページ評価も可能。

## 4. その他の選択肢（補足）

| ツール名          | 特徴                                  |
| ------------- | ----------------------------------- |
| **FullStory** | 高機能だが有料。検索やフィルタリングが強力               |
| **LogRocket** | ReduxやReact状態管理もトレース可能で技術者向け。やや高価   |
| **Hotjar**    | Clarityに近いが、ヒートマップ重視。ユーザーアンケートなども可能 |

## 5. 結論

* 技術者によるトラブル対応やQA効率化には **Sentry Session Replay** がベスト。
* UI改善・ユーザー行動分析には **Microsoft Clarity** を使い、必要に応じて併用も視野に入れる。

導入目的に応じて、技術サポート向けとマーケティング向けでツールを適切に選ぶことが重要です。特にスタートアップや中小企業では、まずは無料で始められるClarityを導入し、技術課題のトレースが必要になった段階でSentry Replayを拡張的に導入するハイブリッド運用がコスト面でもおすすめです。

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1. 検討対象ツールの概要

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