# Azure VPN Gatewayとオンプレミスルーターの設定例（Cisco・Fortinet）

## 目次

1. はじめに

2. Azure VPN Gatewayの概要

3. オンプレミスルーターの役割

4. Azure VPN Gatewayの設定手順

   - 4-1. リソースグループの作成

   - 4-2. 仮想ネットワークの作成

   - 4-3. VPN Gatewayの作成

5. Ciscoルーターの設定例

   - 5-1. プレシェアードキーの設定

   - 5-2. トンネルインターフェイスの設定

   - 5-3. ルーティングの設定

6. Fortinetルーターの設定例

   - 6-1. IPsec VPNの設定

   - 6-2. ポリシーの設定

   - 6-3. トンネルモードの設定

7. トラブルシューティングとベストプラクティス

8. まとめ

## 1. はじめに

クラウド時代において、企業はハイブリッドネットワークインフラの構築を検討しています。Azure VPN Gatewayは、Azureの仮想ネットワークをオンプレミス環境と接続するための重要な役割を果たします。特に、CiscoおよびFortinetルーターを使用したオンプレミス接続は、多くの企業で採用されています。本記事では、具体的な設定例を示し、読者が効果的にVPN接続を構築する手助けをします。

## 2. Azure VPN Gatewayの概要

Azure VPN Gatewayは、Azureの仮想ネットワークとオンプレミスネットワークを接続するためのリソースであり、IPsec/IKE VPNトンネルを用いて安全な通信を確保します。Azure VPN Gatewayは、S2S（サイト間）またはP2S（ポイント間）接続をサポートし、オンプレミスネットワークへのサポートを強化します。

## 3. オンプレミスルーターの役割

オンプレミスルーターは、Azureと社内ネットワークを橋渡しする役割を持ちます。CiscoとFortinetは企業ネットワークで広く利用されており、柔軟なVPN設定機能を提供しています。

## 4. Azure VPN Gatewayの設定手順

### 4-1. リソースグループの作成

まず、Azureポータルにアクセスし、リソースグループを作成します。これは関連リソースをまとめるための論理的なコンテナです。

1. Azureポータルにサインイン

2. 「リソースグループ」を選択

3. リソースグループ名を入力し、「作成」をクリック

### 4-2. 仮想ネットワークの作成

次に、VPN Gatewayに接続する仮想ネットワークを作成します。

1. 「仮想ネットワーク」を選択

2. 名前、アドレス範囲を設定し、「作成」をクリック

### 4-3. VPN Gatewayの作成

VPN Gatewayの作成は次の手順です。

1. 「VPN Gateway」を選択し、「作成」

2. VPN Gateway名、リージョン、仮想ネットワーク、サブネットを指定

3. IPアドレス設定を確認し、VPN連接のタイプを「サイト間」にして「作成」

## 5. Ciscoルーターの設定例

Ciscoルーターで必要な設定を行います。

### 5-1. プレシェアードキーの設定

ここでは、Azure VPN Gatewayとの認証に使用するプレシェアードキーを設定します。

```plaintext

crypto isakmp policy 10

 encr aes

 hash sha

 authentication pre-share

 group 2

 lifetime 86400

exit

```

### 5-2. トンネルインターフェイスの設定

トンネルインターフェイスを用いて、安全なトンネルを構築します。

```plaintext

interface Tunnel0

 ip address 10.1.1.1 255.255.255.252

 tunnel source GigabitEthernet0/1

 tunnel destination <Azure_IP_Address>

 tunnel mode ipsec ipv4

```

### 5-3. ルーティングの設定

トンネルインターフェイスを経由して通信するためのルーティング設定を提供します。

```plaintext

ip route 10.0.0.0 255.255.255.0 Tunnel0

```

## 6. Fortinetルーターの設定例

Fortinetルーターにおいて、設定手順を記載します。

### 6-1. IPsec VPNの設定

IPsec VPNセッションを設定し、Azureと接続します。

```plaintext

config vpn ipsec phase1-interface

 edit "azure"

 set interface "port1"

 set ike-version 2

 set peerip <Azure_IP_Address>

 set psksecret "mysecretpassword"

next

end

```

### 6-2. ポリシーの設定

VPN接続を許可するためのポリシー設定を行います。

```plaintext

config firewall policy

 edit 1

 set name "vpn-to-azure"

 set srcintf "port1"

 set dstintf "azure"

 set srcaddr "all"

 set dstaddr "all"

 set action accept

 set schedule "always"

 set service "ALL"

next

end

```

### 6-3. トンネルモードの設定

トンネルを動作させるための細かな設定を適用します。

```plaintext

config system interface

 edit "azure"

 set vdom "root"

 set ip 0.0.0.0 0.0.0.0

 set allowaccess ping

 set type tunnel

 set remote-ip <Azure_remote_IP>

 set snmp-index 13

 set auto-asic-offload enable

 top

end

```

## 7. トラブルシューティングとベストプラクティス

VPN接続の設定には様々な落とし穴が存在するため、ここでは代表的な問題とその解決方法を提示します。

1. **認証エラー**: プレシェアードキーが一致しているか確認。

2. **トンネル不通**: 両端のセグメントと接続状況をチェック。

3. **ルーティングミス**: 正しいゲートウェイが指定されているか確認。

## 8. まとめ

この記事では、Azure VPN Gatewayとオンプレミス環境をCiscoまたはFortinetルーターを使用して接続する方法を示しました。正確な設定は、企業のネットワークの安全性と信頼性を高めるために不可欠です。各段階の設定を正確に行うことが、安定したVPN接続の実現につながります。アップデートやバージョン情報に注意を払いながら、常に最新の情報を取得することが望ましいです。

Azure VPN Gatewayとオンプレミスルーターの設定例（Cisco・Fortinet）

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