# Azure Policyのリソースグループ単位での制御方法

## 目次

1. はじめに

2. Azure Policyとは

3. リソースグループについて

4. Azure Policyによる制御の基本

5. リソースグループ単位でのポリシー適用

6. ポリシー定義の作成

7. ポリシーの割り当て

8. ポリシーによる制御の効果測定

9. 事例：リソースグループごとのタグ付けポリシー

10. よくある問題とその対策

11. まとめ

## 1. はじめに

クラウド環境におけるリソース管理は、その複雑さから困難を伴うことが多いです。Azure Policyは、Azureリソースの構成を一貫して管理および適用できる強力なツールです。このガイドでは、Azure Policyを用いてリソースグループ単位で制御する方法について具体的に解説します。

## 2. Azure Policyとは

Azure Policyは、クラウド環境におけるガバナンス機能の一つで、リソースの準拠状況を評価し、組織のルールに従った構成を強制するためのものです。Azure Policyを使用すると、一貫したセキュリティ標準や運用ガイドラインを確保できます。

## 3. リソースグループについて

リソースグループは、Azureリソースを論理的にまとめるためのコンテナです。プロジェクトや環境ごとにまとめることで、効率的な管理を実現します。リソースグループを単位にポリシーを適用することで、細かい制御が可能になります。

## 4. Azure Policyによる制御の基本

Azure Policyは主に以下の3つの要素で構成されています。

- **Policy Definition（ポリシー定義）**: 適用されるルールそのもの。

- **Policy Assignment（ポリシー割り当て）**: どの範囲にポリシーを適用するかを指定。

- **Policy Initiative（ポリシー イニシアティブ）**: 複数のポリシー定義をグループ化。

## 5. リソースグループ単位でのポリシー適用

リソースグループ単位でのポリシー適用は、ポリシーの柔軟性を高めます。たとえば、開発環境と本番環境で異なる構成基準を持たせるなどの利用が可能です。

## 6. ポリシー定義の作成

Azure Policyのポリシー定義は、Azure Portalを通じて作成します。

1. Azure Portalにサインインします。

2. 左側のメニューから「ポリシー」を選択します。

3. 「定義」を選び、「+ 定義を追加」をクリックします。

4. 「スコープ」にはリソースグループの対象を選びます。

5. 「ポリシータイプ」には「カスタム」を選択し、要件に応じてJSON形式でポリシーの条件を記述します。

```json

{

    "properties": {

        "displayName": "Allow storage accounts only in East US",

        "policyType": "Custom",

        "mode": "All",

        "description": "This policy ensures all storage accounts are created in the East US region.",

        "parameters": {},

        "policyRule": {

            "if": {

                "allOf": [

                    {

                        "field": "type",

                        "equals": "Microsoft.Storage/storageAccounts"

                    },

                    {

                        "field": "location",

                        "notEquals": "eastus"

                    }

                ]

            },

            "then": {

                "effect": "deny"

            }

        }

    }

}

```

## 7. ポリシーの割り当て

ポリシーを割り当てることで、意図したリソースグループに対してポリシーが適用されます。

1. Azure Portalのポリシーセクションで「割り当て」を選択します。

2. 「+ 割り当てを追加」をクリックし、対象のポリシー定義を選びます。

3. 割り当てるスコープに目的のリソースグループを選択し、必要に応じて適用除外を設定します。

## 8. ポリシーによる制御の効果測定

Azure Policyを適用した後に、その効果を測定することも重要です。Azure Portalの「準拠」タブでは、リソースの準拠状況を視覚的に確認でき、適用したポリシーが期待通りに機能しているかどうかを監視します。

## 9. 事例：リソースグループごとのタグ付けポリシー

よくある利用例として、リソースグループごとに統一されたタグ付けルールを強制するポリシーがあります。これにより、リソースの管理や課金を効率的に行えます。以下はタグ付けに関するポリシー定義の一例です。

```json

{

    "properties": {

        "displayName": "Require a tag on resource groups",

        "policyType": "Custom",

        "mode": "All",

        "description": "Enforce a 'cost center' tag on all resources within a resource group.",

        "parameters": {

            "tagName": {

                "type": "String",

                "metadata": {

                    "displayName": "Tag Name",

                    "description": "Name of the tag, such as 'cost center'"

                }

            }

        },

        "policyRule": {

            "if": {

                "field": "[concat('tags[', parameters('tagName'), ']')]",

                "exists": "false"

            },

            "then": {

                "effect": "deny"

            }

        }

    }

}

```

## 10. よくある問題とその対策

- **非適合リソースの特定**: 準拠状態を定期的に監視し、非適合リソースを早期に特定します。

- **パフォーマンスの影響**: 大規模なポリシー適用では影響が出る可能性があるため、段階的な導入を検討する。

- **ポリシーの誤解**: ポリシーの目的や範囲を関係者全員に周知し、誤解を防ぐ取り組みを行う。

## 11. まとめ

Azure Policyを利用することで、リソースグループ単位での柔軟かつ適切な管理を実現できます。組織全体でのクラウドガバナンスをさらに強固にするためにも、ポリシー設定や監視を積極的に行い、必要に応じてポリシーの調整を続けることが重要です。

Azure Policyのリソースグループ単位での制御方法

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