プラットフォームサービスにStripeを導入するまで(基本知識編)
2022年03月04日 5:55
Stripeは非常にドキュメントが充実しており、サポートも手厚い印象です。一方ユースケースや利用APIのベストプラクティスは探し当てるのが大変な印象もあります。サポートの方に聞くのもいいのですが、なるべく往復回数を減らすために、まずは自分で調べ切ることが必要だと思います。そんな方々にプラットフォーム×Stripeでの実装方針を最短で把握できるようにこちらの記事を書きました。参考になれば幸いです。
今回は「基本知識編」です。どんなプラットフォームを作るのか、どんな前提知識があるのかをお伝えできたらと思います。
今回私が作成したプラットフォーム資金の動きはデスティネーション支払いになります。一般的なプラットフォームは売り手が商品を買手に提供して、対価を支払います。プラットフォーム事業であればこの形になることが多いかと思います。
上記を参考に、ISSUEプラットフォームを表すとこのような形になります。
企業はエンジニアに技術力を提供してもらい、その対価として報酬を支払います。支払われた報酬は一度ISSUEプラットフォームを介してエンジニアへ送金されます。
①報酬支払い用のクレカ登録ができる
②支払いは承認されるまで、売上を確定したくない
①報酬入金のための銀行口座が登録できる
②customアカウントを有効化するために、必要情報の入力をする
③本人確認できる
①返金処理が容易にできる
②入金スケジュール等を把握できる
③顧客情報の状況を確認できる
①基本的にオペレーションは自動化したい。
→クレカ、口座登録、必要事項入力、本人確認などの処理はAPIが提供されているので、そちらを利用しました。
②クレカ登録などセキュリティが求められるものはライブラリを使いたい
上記を説明する前に必要な基本知識を説明します。基本知識ですが結構わかりづらい部分でもあります。
大まかにですが、プラットフォームサービスを構築するにあたりStripe利用料は下記になると思います。
Stripe connectを利用した場合
金額 | |
---|---|
Customアカウント利用料 | 有効なユーザごとに月額200円 |
入金手数料 | 1回当たり250円 |
送金とプラットフォームの管理手数料 | 入金額の0.25% |
Stripe決済手数料 | 決済成立ごとに3.6% |
(詳しくは料金体系をご覧ください。)
あるプラットフォームでcustomユーザーアカウントが月にそれぞれ稼働分の報酬を受け取り、登録された銀行口座に入金された場合は以下のようなStripe費用になります。
詳しいことは「顧客確認 (KYC)」の義務に記載がありますが、金融システムの乱用を防止する目的としてcustomアカウントには本人確認が必要になります。アカウント作成時最初から必要になるわけではないですが、一定期間が経過したり入金額を超えると入金が制限されます。本人確認APIが用意されており、自社のUIに適した形で本人確認処理を実装することができます。
入金は下記のような動きを想定しています。エンジニアが企業にサービス提供後、登録している銀行口座にプラットフォームから報酬が送金されます。
入金スケジュールはデフォルトでは下記の条件になります(参考)。他にも週次、月次、でも設定可能です。
APIでも設定可能ですが、ダッシュボードからも設定できるので、最初トラフィックの少ない状態ではダッシュボードからの設定で十分だと思います。
▼ダッシュボードからも設定可能
プラットフォームから売り手に報酬を送金するためには、プラットフォーム残高 > 売り手である必要があります。プラットフォーム残高は買手が報酬を支払うと増加します。ただ、注意点なのは買手が支払った資金はすぐにはプラットフォーム上で利用できないことです。利用できるようになるのはカード会社によって異なります。
支払い日より入金可能な残高になるまで | |
---|---|
JCB, Discover, Diners Clubによる決済 | 30日 |
JCBのカード以外 | 4営業日 |
診断を受けるとあなたの現在の業務委託単価を算出します。今後副業やフリーランスで単価を交渉する際の参考になります。また次の単価レンジに到達するためのヒントも確認できます。