# JWTを使った認可（Authorization）の考え方

## 目次
1. はじめに
2. JWTとは何か
   1. JWTの構造
3. JWTを用いた認可の基本概念
   1. 認証と認可の違い
4. JWTの仕組みと流れ
5. JWTの利点と課題
6. セキュリティにおける考慮点
7. JWTを利用する際のベストプラクティス
8. まとめ

## 1. はじめに

JWT（JSON Web Token）は、Webアプリケーションでの認可を行うためのオープンスタンダード（RFC 7519）です。クライアントとサーバ間での情報の安全な送信を可能にします。ドメインが異なるサービス間でセッションの状態を保たずにユーザーの認証を行うことができるため、分散システムにおいて多く採用されています。

## 2. JWTとは何か

JWTは、JSON形式のクレームを含む自己完結型のトークンです。クレーム（Claim）はエンティティ（ユーザーなど）の属性を記述し、特に認可と情報交換のために使用されます。

### 2.1 JWTの構造

JWTは3つの部分から構成され、それぞれがドット（`.`）で区切られます。

1. **Header（ヘッダー）**: 使用するアルゴリズムとトークンのタイプを指定します（例: `{"alg": "HS256", "typ": "JWT"}`）。
2. **Payload（ペイロード）**: ユーザーデータやクレームを含みます。
3. **Signature（署名）**: ヘッダーとペイロードを秘密鍵で署名したものです。データの改ざんを防ぐ役割を持ちます。

例:

![img](/mosaic-code.jpg)

## 3. JWTを用いた認可の基本概念

JWTは認証（Authentication）プロセスが完了した後に発行され、認可（Authorization）を管理するために使用されます。

### 3.1 認証と認可の違い

- **認証**: ユーザーが誰であるかを確認するプロセス。
- **認可**: ユーザーが特定のリソースにアクセス可能かどうかを確認するプロセス。

## 4. JWTの仕組みと流れ

1. ユーザーがアプリケーションにログインする。
2. サーバはユーザーの資格情報を確認し、成功すればJWTを生成。
3. クライアントはJWTをローカルストレージやCookieに保存。
4. 以降、クライアントはリクエストのAuthorizationヘッダーにJWTを添えて送信する。
5. サーバはJWTを検証し、ユーザーが要求されたリソースにアクセスする権限があるか判断する。

## 5. JWTの利点と課題

### 利点
- セッションをサーバで保存せずにスケーラブルな認証を可能にする。
- 他のドメイン間での利用が容易。

### 課題
- トークンが長くなる場合があり、ネットワークのパフォーマンスに影響を与える可能性がある。
- 無効化が難しい。セキュリティインシデントが発生した場合にトークンを早急に無効にする仕組みが必要。

## 6. セキュリティにおける考慮点

- **秘密鍵の安全な保管**: JWT署名に使用する秘密鍵は厳重に管理する。
- **トークンの適切な期限管理**: 有効期限を設定し、短期間のみ有効なトークンを発行する。
- **HTTPSの使用**: トークンを通信に使用する場合は常にHTTPSを使用し、データの盗聴を防ぐ。

## 7. JWTを利用する際のベストプラクティス

- トークンの短命化を設定し、定期的に更新や再発行を行う。
- ペイロードに機密性の高い情報を格納しない。
- ブラックリスト機能を使用して不正なトークンを強制無効化する仕組みを導入。

## 8. まとめ

JWTは、ユーザー認証後に認可トークンを発行し、クライアントとサーバ間で状態を持たずにセッション管理が可能です。適切なセキュリティ対策を講じることで、安全でスケーラブルな認証・認可が実現可能です。特にセキュリティの観点からは、秘密鍵の管理やHTTPSの利用などを徹底する必要があります。これにより、JWTは認証プロセスにおいて強力なツールとなります。

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# JWTを使った認可（Authorization）の考え方

## 目次
1. はじめに
2. JWTとは何か
   1. JWTの構造
3. JWTを用いた認可の基本概念
   1. 認証と認可の違い
4. JWTの仕組みと流れ
5. JWTの利点と課題
6. セキュリティにおける考慮点
7. JWTを利用する際のベストプラクティス
8. まとめ

## 1. はじめに

JWT（JSON Web Token）は、Webアプリケーションでの認可を行うためのオープンスタンダード（RFC 7519）です。クライアントとサーバ間での情報の安全な送信を可能にします。ドメインが異なるサービス間でセッションの状態を保たずにユーザーの認証を行うことができるため、分散システムにおいて多く採用されています。

## 2. JWTとは何か

JWTは、JSON形式のクレームを含む自己完結型のトークンです。クレーム（Claim）はエンティティ（ユーザーなど）の属性を記述し、特に認可と情報交換のために使用されます。

### 2.1 JWTの構造

JWTは3つの部分から構成され、それぞれがドット（`.`）で区切られます。

1. **Header（ヘッダー）**: 使用するアルゴリズムとトークンのタイプを指定します（例: `{"alg": "HS256", "typ": "JWT"}`）。
2. **Payload（ペイロード）**: ユーザーデータやクレームを含みます。
3. **Signature（署名）**: ヘッダーとペイロードを秘密鍵で署名したものです。データの改ざんを防ぐ役割を持ちます。

例:

```json
eyJhbGciOiJIUzI1NiIsInR5cCI6IkpXVCJ9
.eyJzdWIiOiIxMjM0NTY3ODkwIiwibmFtZSI6IkpvaG4gRG9lIiwiaWF0IjoxNTE2MjM5MDIyfQ
.SflKxwRJSMeKKF2QT4fwpMeJf36POk6yJV_adQssw5c
```

## 3. JWTを用いた認可の基本概念

JWTは認証（Authentication）プロセスが完了した後に発行され、認可（Authorization）を管理するために使用されます。

### 3.1 認証と認可の違い

- **認証**: ユーザーが誰であるかを確認するプロセス。
- **認可**: ユーザーが特定のリソースにアクセス可能かどうかを確認するプロセス。

## 4. JWTの仕組みと流れ

1. ユーザーがアプリケーションにログインする。
2. サーバはユーザーの資格情報を確認し、成功すればJWTを生成。
3. クライアントはJWTをローカルストレージやCookieに保存。
4. 以降、クライアントはリクエストのAuthorizationヘッダーにJWTを添えて送信する。
5. サーバはJWTを検証し、ユーザーが要求されたリソースにアクセスする権限があるか判断する。

## 5. JWTの利点と課題

### 利点
- セッションをサーバで保存せずにスケーラブルな認証を可能にする。
- 他のドメイン間での利用が容易。

### 課題
- トークンが長くなる場合があり、ネットワークのパフォーマンスに影響を与える可能性がある。
- 無効化が難しい。セキュリティインシデントが発生した場合にトークンを早急に無効にする仕組みが必要。

## 6. セキュリティにおける考慮点

- **秘密鍵の安全な保管**: JWT署名に使用する秘密鍵は厳重に管理する。
- **トークンの適切な期限管理**: 有効期限を設定し、短期間のみ有効なトークンを発行する。
- **HTTPSの使用**: トークンを通信に使用する場合は常にHTTPSを使用し、データの盗聴を防ぐ。

## 7. JWTを利用する際のベストプラクティス

- トークンの短命化を設定し、定期的に更新や再発行を行う。
- ペイロードに機密性の高い情報を格納しない。
- ブラックリスト機能を使用して不正なトークンを強制無効化する仕組みを導入。

## 8. まとめ

JWTは、ユーザー認証後に認可トークンを発行し、クライアントとサーバ間で状態を持たずにセッション管理が可能です。適切なセキュリティ対策を講じることで、安全でスケーラブルな認証・認可が実現可能です。特にセキュリティの観点からは、秘密鍵の管理やHTTPSの利用などを徹底する必要があります。これにより、JWTは認証プロセスにおいて強力なツールとなります。

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1. はじめに

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