# Azure Blob Storageのアクセス階層（Hot、Cool、Archive）の違い

## 目次

1. はじめに

2. Azure Blob Storageとは

3. アクセス階層の概要

    1. Hot Access Tier

    2. Cool Access Tier

    3. Archive Access Tier

4. アクセス階層の選定基準

5. 各アクセス階層の詳細

    1. Hot Access Tierの特徴と利用例

    2. Cool Access Tierの特徴と利用例

    3. Archive Access Tierの特徴と利用例

6. 価格モデルの比較

7. アクセス階層の変更

8. 最適な階層の選択

9. まとめ

## 1. はじめに

Azure Blob Storageは、クラウドストレージの分野で幅広いニーズに応えるために設計されたサービスです。主に大量の非構造化データを保存、管理するために利用され、多くの企業で採用されています。Azure Blob Storageには3つの主要なアクセス階層（Hot、Cool、Archive）があり、使用頻度やコストに応じてデータを効果的に管理することが可能です。本記事では、これらのアクセス階層の違いを詳しく説明し、どのようなシナリオでそれぞれの層が最適であるかを検討します。

## 2. Azure Blob Storageとは

Azure Blob Storageは、Microsoft Azureが提供するクラウドベースのストレージサービスです。主に非構造化データ—ビデオ、画像、バックアップデータ、ログファイル、分析データなど—を保存するために設計されています。Azure Blob Storageは、ウェブサイトやモバイルアプリ、ビッグデータ、機械学習モデルの格納に利用され、スケーラビリティと高可用性を提供します。

## 3. アクセス階層の概要

Azure Blob Storageには、データのアクセス頻度に基づいて選ぶことができる3つの階層があります。これらは、データ使用状況の変化に対応し、コスト効率を最大化するために利用されます。

### 3-1. Hot Access Tier

Hot Access Tierは、頻繁にアクセスされるデータ向けです。これは、リアルタイムでのデータ処理が必要なアプリケーション向けに最適化されています。単位当たりの保存コストは高いですが、アクセスコストが低い点が特徴です。

### 3-2. Cool Access Tier

Cool Access Tierは、アクセス頻度が低く、長期間保存されることを前提としたデータ向けです。保存コストはHot階層よりも安いですが、アクセス時のコストが高くなります。

### 3-3. Archive Access Tier

Archive Access Tierは、ほとんどアクセスされることのないデータの長期保存に使われます。ただし、データへのアクセスが必要な場合は、事前にデータの復元が必要です。保存コストは最も低く設定されていますが、復元コストと時間が伴う点が特徴です。

## 4. アクセス階層の選定基準

アクセス階層の選定は、データのアクセス頻度、データの保持期間、ストレージコストとアクセスコストの総合的なバランスを考慮することが重要です。具体的には以下の考慮事項があります：

- 使用頻度: どのくらいの頻度でデータにアクセスするのか？

- 保持期間: データをどれだけの期間保存するか？

- コスト: 保存とアクセスにどれだけのコストがかかるのか？

## 5. 各アクセス階層の詳細

### 5-1. Hot Access Tierの特徴と利用例

Hot Access Tierは、頻繁にアクセスされるデータ用に最適化されています。例えば、ユーザーデータベース、リアルタイム分析データ、動的ウェブコンテンツが多くのアクセスを受ける場合に利用されます。

- **特徴**: 低アクセスコスト、高保存コスト

- **利用例**: ウェブアプリケーション、ライブイベントデータ、頻繁に変更されるデータセット

### 5-2. Cool Access Tierの特徴と利用例

Cool Access Tierは、アクセス頻度が中程度のデータに適しています。例えば、月次の分析データや、季節的にアクセスされるデータに適します。

- **特徴**: 低い保存コスト、やや高いアクセスコスト

- **利用例**: 月次バックアップファイル、定期的にアクセスされる大容量データ

### 5-3. Archive Access Tierの特徴と利用例

Archive Access Tierは、ほぼアクセスされないデータの長期保存に適しています。データはすぐには利用できず、取り出すためには時間がかかります。

- **特徴**: 最低の保存コスト、非常に高いアクセスおよび復元コスト

- **利用例**: 法規制によるデータ保管、長期間保管するバックアップデータ、アーカイブされたレガシーデータ

## 6. 価格モデルの比較

階層ごとに異なる価格モデルが提供されており、それぞれのストレージコストとアクセスコストは以下の通りです：

| 階層       | 保存コスト (GBあたり/月) | アクセスコスト (10,000リクエストあたり) |

|-----------|--------------------------|----------------------------------------|

| Hot       | \$0.0184                 | \$0.01                                 |

| Cool      | \$0.01                   | \$0.10                                 |

| Archive   | \$0.00099                | \$5.00 (復元時)                        |

## 7. アクセス階層の変更

AzureポータルやCLIを使って、Blobのアクセス階層を変更することが可能です。データの使用状況に応じて、アクセス階層を変更することで、コスト効率を向上させることができます。

## 8. 最適な階層の選択

最適なアクセス階層は、ビジネスニーズに応じて異なります。以下のポイントを評価することで、適切な階層を選択する参考になります：

- データへのアクセス頻度 (1日1回、1ヶ月に1回など)

- データの保存期間 (1年、3年、10年など)

- コスト構造の違いとビジネスへの影響

## 9. まとめ

Azure Blob Storageのアクセス階層は、データのアクセス特性に基づいて効率的にコスト管理を行うための重要な機能です。それぞれの階層の特徴を理解し、適切に選択することで、運用コストを最適化し、柔軟でスケーラブルなストレージソリューションを構築することが可能です。企業は、データの使用パターンを定期的に分析し、最適な階層設定を維持することが求められます。

Azure Blob Storageのアクセス階層（Hot、Cool、Archive）の違い

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