# AWS Shieldで複数アカウントの統合防御を実現する構成例

## 目次
1. はじめに
2. AWS Shieldの基本概念
   - 2-1. AWS Shield StandardとAWS Shield Advanced
   - 2-2. AWS Organizationsとの連携
3. 複数アカウントでの統合防御の利点
4. 構成例
   - 4-1. AWS Organizationsの設定
   - 4-2. AWS Shield Advancedの設定
   - 4-3. 分析とアラートの設定
5. 統合防御の運用
   - 5-1. モニタリングツールの活用
   - 5-2. インシデント対応と対策
6. まとめ

## 1. はじめに
AWS Shieldは、インターネットからAmazon Web Services (AWS)にデプロイしたアプリケーションへの分散型サービス拒否 (DDoS) 攻撃から保護するためのサービスです。本記事では、AWS Shieldを用いて複数のアカウントを統合防御するための構成例を紹介します。この構成を用いることで、企業内の複数のAWSアカウントのセキュリティを効率的に管理・保護することが可能となります。

## 2. AWS Shieldの基本概念

### 2-1. AWS Shield StandardとAWS Shield Advanced
- **AWS Shield Standard**: 無料で提供され、AWSでホストしているアプリケーションを一般的なDDoS攻撃から保護します。
- **AWS Shield Advanced**: 有料のプランで、DDoS攻撃からの高度な保護を提供します。攻撃に対する診断支援、攻撃後の復旧支援などが含まれます。

### 2-2. AWS Organizationsとの連携
AWS Organizationsを利用することで、複数のAWSアカウントを一元管理できます。この機能は、AWS Shield Advancedと組み合わせることで、DDoS防御をより効果的に活用することが可能です。

## 3. 複数アカウントでの統合防御の利点
- **一元管理**: 各アカウントのDDoS防御設定を集中的に管理でき、設定忘れやミスを減らします。
- **コスト削減**: 組織全体でまとめて契約することで、コストを節約することが可能です。
- **インシデント管理の効率化**: インシデントの発生時には、全アカウントの総合的な視点で対応可能です。

## 4. 構成例

### 4-1. AWS Organizationsの設定
まずは、AWS Organizationsを設定し、各アカウントを統合する必要があります。
```bash
aws organizations create-organization --feature-set ALL
```
これにより、すべてのアカウントを一元管理するためのOrganizationが作成されます。

### 4-2. AWS Shield Advancedの設定
AWS Shield Advancedを有効にするには、以下の手順が必要です。
```bash
aws shield create-protection --name "ExampleShieldProtection" --resource-arn <resource-arn>
aws shield subscribe
```
上記のコマンドを実行して、対象のリソースに対してShield Advancedを有効にし、サブスクリプションを開始します。

### 4-3. 分析とアラートの設定
Amazon CloudWatchを利用して、DDoS攻撃に対するアラートを設定します。
```json
{
  "AlarmName": "DDoSAlarm",
  "AlarmDescription": "Triggered if a DDoS attack is detected.",
  "ActionsEnabled": true,
  "AlarmActions": ["<sns-topic-arn>"],
  "MetricName": "DDoSDetected",
  "Namespace": "AWS/Shield",
  "Statistic": "Sum",
  "Period": 60,
  "EvaluationPeriods": 1,
  "Threshold": 1,
  "ComparisonOperator": "GreaterThanOrEqualToThreshold"
}
```
CloudWatchのアラームを設定し、攻撃発生時にアラートを送信することで迅速な対応が可能となります。

## 5. 統合防御の運用

### 5-1. モニタリングツールの活用
各アカウントのDDoS防御ステータスを定期的に確認し、AWS Shield AdvancedおよびAmazon CloudWatchのレポートやアラートを活用してリアルタイムでの防御状況を把握しましょう。

### 5-2. インシデント対応と対策
万が一DDoS攻撃が確認された場合には、迅速に対応するためのプロセスを明確にし、定期的にシミュレーションを行って対応能力を高めましょう。

## 6. まとめ
AWS Shieldを利用した複数アカウントの統合防御は、DDoS攻撃から組織全体を効率的に守るための強力なアプローチです。AWS Shield AdvancedとAWS Organizationsを連携させ、適切なモニタリングとインシデント対応ポリシーを設定することで、クラウド環境のセキュリティを大幅に強化することができます。これにより、企業の貴重なデータとアプリケーションをより安全に保護することが可能です。 [cv:issue_marketplace_engineer]

AWS Shieldで複数アカウントの統合防御を実現する構成例

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