
## 目次

1. はじめに
2. Tomcatのスレッド数とは
3. スレッド数の枯渇が引き起こす問題
4. スレッド数枯渇の対処法
   1. スレッドプールの設定最適化
   2. 負荷分散の導入
   3. アプリケーションコードの最適化
   4. リソースの追加
5. スレッド数に関する監視項目
   1. スレッドプールの状態
   2. リクエストのレスポンスタイム
   3. CPU負荷
   4. メモリ使用量
6. 具体的な監視ツールの紹介
   1. JConsole
   2. VisualVM
   3. PrometheusとGrafana
7. まとめ

## 1. はじめに

Tomcatのスレッドプールは、Webアプリケーションがリクエストを処理するためのバックボーンです。しかし、スレッド数が枯渇すると、アプリケーションの応答速度が低下し、ユーザー体験が損なわれます。本記事では、Tomcatのスレッド数が枯渇した際の対処法と、監視すべき項目について解説します。

## 2. Tomcatのスレッド数とは

Tomcatのスレッドは、リクエストを並行処理するための作業単位です。`server.xml`ファイルで定義され、`maxThreads`プロパティにより最大スレッド数が設定されます。この最大スレッド数を超えると、新規リクエストはキューに入り、スレッドが空くのを待たなければなりません。

## 3. スレッド数の枯渇が引き起こす問題

スレッド数が枯渇すると、以下の問題が発生します:

- リクエストの遅延
- タイムアウトの発生
- サーバー応答の不具合
- ユーザーエクスペリエンスの低下

## 4. スレッド数枯渇の対処法

### 4-1. スレッドプールの設定最適化

`server.xml`でのスレッド数設定を見直し、業務の需要に合った設定にします。例えば、`maxThreads`を増加させることで、より多くの並行リクエストを処理可能にしますが、物理リソースの限界を考慮することが重要です。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 4-2. 負荷分散の導入

負荷が高い場合、複数台のTomcatサーバーをクラスタリングし、負荷分散を行うことが効果的です。これにより、個々のサーバーのスレッドの負担を軽減できます。

### 4-3. アプリケーションコードの最適化

非効率なコードやリソースを多く消費する部分を最適化します。例えば、データベース接続の再利用、必要なデータだけを取得するクエリの見直しを行います。

### 4-4. リソースの追加

物理的なリソース、特にCPUとメモリの追加も一つの手段です。リソースの増強により、システム全体の処理能力が向上します。

## 5. スレッド数に関する監視項目

### 5-1. スレッドプールの状態

現在のスレッド数、アクティブなスレッド数、待機中のスレッド数を監視します。JMXを利用することで`ThreadPool`の状態をリアルタイムで取得できます。

### 5-2. リクエストのレスポンスタイム

レスポンスタイムの変動を監視し、ピーク時に異常に時間がかかっていないかを確認します。

### 5-3. CPU負荷

サーバーのCPU使用率を監視し、スレッド数枯渇がCPUのオーバーヘッドから来ていないか確認します。

### 5-4. メモリ使用量

ガベージコレクションの頻度やヒープ使用量を監視し、スレッド数の欠如がメモリの限界に起因していないか確認します。

## 6. 具体的な監視ツールの紹介

### 6-1. JConsole

JConsoleを利用すれば、リアルタイムでメトリクスを監視し、JMX MBeansを通じて詳細な状態を見ることができます。

### 6-2. VisualVM

VisualVMは、詳細なプロファイリングとモニタリングを提供し、スレッド使用量やヒープダンプの調査を行えます。

### 6-3. PrometheusとGrafana

Prometheusでデータを収集し、Grafanaでリアルタイムのスレッドプール状態を可視化することで、継続的な監視を実施します。

## 7. まとめ

Tomcatのスレッド数枯渇は、アプリケーションのパフォーマンスに直結する重大な問題です。設定の最適化やコードの効率化、適切な監視体制を整えることで、安定したシステム運用を実現できます。問題を未然に防ぐために、日常的なモニタリングと適切なアクションの実施を心がけましょう。 [cv:issue_marketplace_engineer]


## 目次

1. はじめに
2. Tomcatのスレッド数とは
3. スレッド数の枯渇が引き起こす問題
4. スレッド数枯渇の対処法
   1. スレッドプールの設定最適化
   2. 負荷分散の導入
   3. アプリケーションコードの最適化
   4. リソースの追加
5. スレッド数に関する監視項目
   1. スレッドプールの状態
   2. リクエストのレスポンスタイム
   3. CPU負荷
   4. メモリ使用量
6. 具体的な監視ツールの紹介
   1. JConsole
   2. VisualVM
   3. PrometheusとGrafana
7. まとめ

## 1. はじめに

Tomcatのスレッドプールは、Webアプリケーションがリクエストを処理するためのバックボーンです。しかし、スレッド数が枯渇すると、アプリケーションの応答速度が低下し、ユーザー体験が損なわれます。本記事では、Tomcatのスレッド数が枯渇した際の対処法と、監視すべき項目について解説します。

## 2. Tomcatのスレッド数とは

Tomcatのスレッドは、リクエストを並行処理するための作業単位です。`server.xml`ファイルで定義され、`maxThreads`プロパティにより最大スレッド数が設定されます。この最大スレッド数を超えると、新規リクエストはキューに入り、スレッドが空くのを待たなければなりません。

## 3. スレッド数の枯渇が引き起こす問題

スレッド数が枯渇すると、以下の問題が発生します:

- リクエストの遅延
- タイムアウトの発生
- サーバー応答の不具合
- ユーザーエクスペリエンスの低下

## 4. スレッド数枯渇の対処法

### 4-1. スレッドプールの設定最適化

`server.xml`でのスレッド数設定を見直し、業務の需要に合った設定にします。例えば、`maxThreads`を増加させることで、より多くの並行リクエストを処理可能にしますが、物理リソースの限界を考慮することが重要です。

```xml
<Connector port="8080" protocol="HTTP/1.1"
   connectionTimeout="20000"
   redirectPort="8443"
   maxThreads="200" />
```

### 4-2. 負荷分散の導入

負荷が高い場合、複数台のTomcatサーバーをクラスタリングし、負荷分散を行うことが効果的です。これにより、個々のサーバーのスレッドの負担を軽減できます。

### 4-3. アプリケーションコードの最適化

非効率なコードやリソースを多く消費する部分を最適化します。例えば、データベース接続の再利用、必要なデータだけを取得するクエリの見直しを行います。

### 4-4. リソースの追加

物理的なリソース、特にCPUとメモリの追加も一つの手段です。リソースの増強により、システム全体の処理能力が向上します。

## 5. スレッド数に関する監視項目

### 5-1. スレッドプールの状態

現在のスレッド数、アクティブなスレッド数、待機中のスレッド数を監視します。JMXを利用することで`ThreadPool`の状態をリアルタイムで取得できます。

### 5-2. リクエストのレスポンスタイム

レスポンスタイムの変動を監視し、ピーク時に異常に時間がかかっていないかを確認します。

### 5-3. CPU負荷

サーバーのCPU使用率を監視し、スレッド数枯渇がCPUのオーバーヘッドから来ていないか確認します。

### 5-4. メモリ使用量

ガベージコレクションの頻度やヒープ使用量を監視し、スレッド数の欠如がメモリの限界に起因していないか確認します。

## 6. 具体的な監視ツールの紹介

### 6-1. JConsole

JConsoleを利用すれば、リアルタイムでメトリクスを監視し、JMX MBeansを通じて詳細な状態を見ることができます。

### 6-2. VisualVM

VisualVMは、詳細なプロファイリングとモニタリングを提供し、スレッド使用量やヒープダンプの調査を行えます。

### 6-3. PrometheusとGrafana

Prometheusでデータを収集し、Grafanaでリアルタイムのスレッドプール状態を可視化することで、継続的な監視を実施します。

## 7. まとめ

Tomcatのスレッド数枯渇は、アプリケーションのパフォーマンスに直結する重大な問題です。設定の最適化やコードの効率化、適切な監視体制を整えることで、安定したシステム運用を実現できます。問題を未然に防ぐために、日常的なモニタリングと適切なアクションの実施を心がけましょう。 

目次

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）