# AssertJのアンチパターン集

## 目次

1. 1-1 AssertJとは

2. 2-1 よくあるAssertJのアンチパターン

   - 2-1-1 CollectorsやStreamの誤用

   - 2-1-2 複雑すぎるアサーションチェーン

   - 2-1-3 結合テストの乱用

   - 2-1-4 エラー情報の欠如

   - 2-1-5 頻繁なcastや型変換

3. 3-1 アンチパターンの影響

4. 4-1 アンチパターンを避ける方法

5. まとめ

## 1-1 AssertJとは

AssertJはJavaプログラミングにおいてテストの表現力を高めるために使用されるライブラリです。JUnitやTestNGといったテストフレームワークと組み合わせて、より直感的かつ人間に読みやすいアサーションを提供します。メソッドチェーンを多用した流暢なAPIにより、テストコードの可読性が向上し、メンテナンス性の高いテストを書くことが可能です。

## 2-1 よくあるAssertJのアンチパターン

### 2-1-1 CollectorsやStreamの誤用

JavaのStream APIの利用はコードを簡潔にしますが、AssertJを使ったアサーションの中で過度に使うことは誤用に繋がりやすいです。特にストリームの操作を複雑にすると、何を検証しているのかが不明瞭になります。

```java

// アンチパターン

assertThat(persons.stream()

                  .filter(person -> person.getAge() > 18)

                  .collect(Collectors.toList()))

        .hasSize(3);

```

### 2-1-2 複雑すぎるアサーションチェーン

アサーションチェーンは非常に便利ですが、過度のリンクで複雑な構造になってしまうと、どこで失敗が起きたのか判断しにくくなる場合があります。

```java

// アンチパターン

assertThat(person)

        .extracting("name", "age", "address.city")

        .containsExactly("John Doe", 30, "New York");

```

### 2-1-3 結合テストの乱用

結合テストにおいて、全てのコンポーネントが一緒に機能することを確認するために、過度に大きなエンドツーエンドテストを書くことがあります。これによりデバッグが難しくなり、個々のユニットが持つ問題を見逃す恐れがあります。

### 2-1-4 エラー情報の欠如

失敗時のエラーメッセージが曖昧では、問題の原因追及が困難です。エラーメッセージを明示的に指定することで、後のデバッグ作業が容易になります。

```java

// アンチパターン

assertThat(person.getName()).isEqualTo("John");

// 良い例

assertThat(person.getName())

        .as("Check if person's name is John")

        .isEqualTo("John");

```

### 2-1-5 頻繁なcastや型変換

テスト対象のオブジェクトを頻繁にキャストや型変換することは、テストの可読性を低下させ、エラーを誘発する可能性を高めます。

```java

// アンチパターン

assertThat((String)someObject).isEqualTo("test");

```

## 3-1 アンチパターンの影響

上記で述べたアンチパターンは、主にテストの可読性や維持管理のしにくさに繋がります。「何をテストしているのか」「どうして失敗したのか」が曖昧では、テストが期待する価値を提供しません。また、デバッグの際に時間を浪費する要因となります。

## 4-1 アンチパターンを避ける方法

1. 【シンプルに】 - 必要以上に複雑なチェーンを避け、シンプルで直感的なテストを書く。

2. 【明示スコープ】 - 各テストの目的を明示し、エラーメッセージで文脈を提供する。

3. 【ユニットテスト重視】 - 結合テストを乱用せず、ユニットテストを積極的に活用して、失敗した場所を特定しやすくする。

4. 【型の意識】 - 型変換を必要としない記述を心掛け、テストコードの可読性を維持する。

## まとめ

AssertJを活用したテストは非常に読みやすく、強力なものですが、使い方を誤ると逆にデバッグやメンテナンスの障害となる可能性があります。アンチパターンを避けることで、テストの健全性と効率性を確保し、ソフトウェア開発全体の品質を向上させられます。目指すべきは、可読性が高く、目的が明確なテストコードの実装です。

AssertJのアンチパターン集

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