# 目次

1. はじめに

2. 多要素認証（MFA）とは？

   1. 多要素認証の必要性

   2. MFAのメリットとデメリット

3. Azure ADの多要素認証設定方法

   1. Azureポータルへのサインイン

   2. MFAのライセンス確認

   3. ユーザーにMFAを割り当てる

   4. ユーザーへの連絡方法の設定

4. Azure MFAの構成オプション

   1. 設定可能なMFAオプション

   2. 条件付きアクセスの設定

   3. トラステッドIPの登録

5. ユーザーの登録とMFAの強制

   1. ユーザーの事前登録

   2. MFAの必須化

6. セキュリティとコンプライアンスのポイント

   1. セキュリティ基準の遵守

   2. MFA監査ログの活用

7. よくあるトラブルと解決策

8. まとめ

# 本文

## 1. はじめに

クラウドセキュリティが日々重要性を増す中、多要素認証（MFA）は欠かせないセキュリティ対策として注目されています。Azure Active Directory（Azure AD）を利用している場合、MFAを設定することで、不正アクセスを効果的に防ぎます。本記事では、Azure ADでMFAを設定する方法とその利点について具体的に紹介します。

## 2. 多要素認証（MFA）とは？

### 2-1. 多要素認証の必要性

多要素認証とは、ユーザーがシステムにアクセスする際に、複数の認証要素（通常は「知識（パスワード）」「所有物（デバイス）」「生体情報（指紋や顔認証）」のいずれか）を組み合わせることで、セキュリティ強化を図る手法です。

最近の調査では、パスワードだけで保護されたアカウントの90%以上が、フィッシング攻撃に非常に弱いことが示され、多要素認証の導入が急務とされています。

### 2-2. MFAのメリットとデメリット

**メリット:**

- セキュリティの強化: 複数の要素を利用することで、不正アクセスのリスクを大幅に低減します。

- 信頼性の向上: MFAにより、組織全体での信頼性が高まります。

**デメリット:**

- 利用者の負担増加: 追加の認証ステップが必要となるため、利便性が若干低下します。

## 3. Azure ADの多要素認証設定方法

### 3-1. Azureポータルへのサインイン

1. [Azureポータル](https://portal.azure.com/)にアクセスし、管理者権限のアカウントでサインインします。

2. ホーム画面から「Azure AD」を選択します。

### 3-2. MFAのライセンス確認

Azure ADのMFAを使用するには、正しいライセンスが必要です。以下のライセンスがMFAをサポートしています:

- Azure AD Premium P1/P2

- Microsoft 365 E3/E5

### 3-3. ユーザーにMFAを割り当てる

1. 「ユーザー」セクションで、MFAを設定したいユーザーを選択します。

2. 「管理」タブから「多要素認証」を選択します。

3. ユーザーを選定し、「有効化」をクリックします。

### 3-4. ユーザーへの連絡方法の設定

1. MFAに必要な連絡方法（例: 電話番号、認証アプリなど）を設定します。

2. 設定後、ユーザーにMFA登録の案内を送信します。

## 4. Azure MFAの構成オプション

### 4-1. 設定可能なMFAオプション

Azure ADは以下のMFA手法をサポートしています:

- 携帯電話のSMSコード

- 電話による音声通話

- 認証アプリ（例: Microsoft Authenticator）による通知

### 4-2. 条件付きアクセスの設定

条件付きアクセスを利用することで、接続元やデバイス状態に基づく柔軟なアクセス制御が可能です。例えば、社内ネットワークからのアクセスに対してMFAの要件を省略することができます。

### 4-3. トラステッドIPの登録

トラステッドIPを設定することにより、信頼できるIPアドレスからのアクセスに対してMFA要求を省略でき、利便性を高めます。

## 5. ユーザーの登録とMFAの強制

### 5-1. ユーザーの事前登録

MFA設定前に、ユーザーに対して事前に認証情報を登録させることで、初回ログイン時の認証プロセスをスムーズにします。

### 5-2. MFAの必須化

全社的にMFAを必須化するには、Azure ADの管理ポリシーを設定します。管理ポリシーにより、ユーザーがMFAを無効化できないよう強制力を持たせます。

## 6. セキュリティとコンプライアンスのポイント

### 6-1. セキュリティ基準の遵守

Azure AD MFAの導入により、OJ、GDPR、CCPAなど、主要なセキュリティ基準を満たすことができます。

### 6-2. MFA監査ログの活用

MFAの実施ログを定期的に監査し、異常に対する迅速な対応を可能にします。監査ログは、Azureポータル上で随時確認できます。

## 7. よくあるトラブルと解決策

1. **認証フェール**: ユーザーが登録した方法が異なる場合、認証に失敗します。設定を再確認し、正しい連絡方法が登録されているか確認してください。

   

2. **スマホ紛失**: デバイスを紛失したユーザーには、Azure ADでの設定編集権限を最低限に保ち、すぐに代替認証手段を提供します。

## 8. まとめ

Azure ADにおける多要素認証の導入と設定は、企業のセキュリティ体制を一層強化する上で極めて重要です。これにより、不正アクセスに対する防御が強化され、セキュリティポリシーの当初の目的を達成することができます。MFAの設定は一度行えば終わりではなく、定期的な見直しと監査を行い、企業のセキュリティレベルを常に最適化することが求められます。

目次

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）