# Java Stream APIでfilterを利用する方法

## 目次

1. Stream APIとは

2. filterメソッドの概要

3. filterを使用した基本的な例

4. 複雑なフィルタ条件の実装

5. filterと他のStream操作の組み合わせ

6. パフォーマンスと注意点

7. まとめ

## 1. Stream APIとは

JavaのStream APIは、Java 8で導入された新しいAPIで、コレクションの処理をより効率的かつ簡潔に行うためのものです。Streamは、データのシーケンスに対する一連の計算操作を可能にします。これにより、反復と集合操作を簡単に行えます。

## 2. filterメソッドの概要

`filter`メソッドは、Stream APIの中で頻繁に使用される中間操作の一つです。このメソッドは、Predicateを受け取り、ストリーム内の各要素に対してpredicateを適用し、その結果がtrueとなった要素のみを含む新しいストリームを生成します。

```java

Stream<T> filter(Predicate<? super T> predicate);

```

### Predicateインターフェース

Predicateは、1つの引数を受け取り、それに基づいてbooleanの結果を返す関数型インターフェースです。これは主に任意の条件を表現するために使用されます。

## 3. filterを使用した基本的な例

以下の例では、整数のリストから偶数のみをフィルタリングします。

```java

import java.util.Arrays;

import java.util.List;

import java.util.stream.Collectors;

public class FilterExample {

    public static void main(String[] args) {

        List<Integer> numbers = Arrays.asList(1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10);

        List<Integer> evenNumbers = numbers.stream()

                                           .filter(n -> n % 2 == 0)

                                           .collect(Collectors.toList());

        System.out.println(evenNumbers); // [2, 4, 6, 8, 10]

    }

}

```

この例では、`filter`メソッドを使用してリスト内の偶数を取り出しています。`n -> n % 2 == 0`というラムダ式はPredicateです。

## 4. 複雑なフィルタ条件の実装

複数の条件を組み合わせてフィルタリングを行うこともできます。たとえば、与えられた条件を満たす名前だけをフィルタリングして取り出す例を考えてみましょう。

```java

import java.util.Arrays;

import java.util.List;

import java.util.stream.Collectors;

public class ComplexFilterExample {

    public static void main(String[] args) {

        List<String> names = Arrays.asList("Alice", "Bob", "Charlie", "David", "Edward");

        List<String> filteredNames = names.stream()

                                          .filter(name -> name.startsWith("A") || name.length() > 4)

                                          .collect(Collectors.toList());

        System.out.println(filteredNames); // [Alice, Charlie, David, Edward]

    }

}

```

この例では、名前が"A"で始まるか、もしくは5文字以上の長さである名前をフィルタリングしています。

## 5. filterと他のStream操作の組み合わせ

Stream APIでは、`filter`を他の中間操作や終端操作と組み合わせて使うことができ部分的なフィルタリングをさらに行ったり、最終的な結果を生成したりすることができます。

### mapと組み合わせる例

```java

import java.util.Arrays;

import java.util.List;

import java.util.stream.Collectors;

public class MapFilterExample {

    public static void main(String[] args) {

        List<String> names = Arrays.asList("Alice", "Bob", "Charlie", "David", "Edward");

        List<String> upperCaseFilteredNames = names.stream()

                                                   .filter(name -> name.length() <= 5)

                                                   .map(String::toUpperCase)

                                                   .collect(Collectors.toList());

        System.out.println(upperCaseFilteredNames); // [ALICE, BOB]

    }

}

```

この例では、名前が5文字以下のもののみをフィルタリングし、そのうえで大文字に変換しています。

### distinctと組み合わせる例

```java

import java.util.Arrays;

import java.util.List;

import java.util.stream.Collectors;

public class DistinctFilterExample {

    public static void main(String[] args) {

        List<Integer> numbers = Arrays.asList(1, 2, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 10);

        List<Integer> uniqueEvens = numbers.stream()

                                           .filter(n -> n % 2 == 0)

                                           .distinct()

                                           .collect(Collectors.toList());

        System.out.println(uniqueEvens); // [2, 4, 6, 8, 10]

    }

}

```

この例では、偶数をフィルタリングした後に重複を排除しています。

## 6. パフォーマンスと注意点

### 遅延評価

Stream APIの`filter`を含む中間操作は遅延評価されます。つまり、終端操作（例えば`collect()`）が呼び出されるまで実行されません。これにより、必要最小限の計算だけが行われて効率的です。

### ショートサーキット

`allMatch`や`anyMatch`といった短絡操作と組み合わせることで、計算コストをさらに削減できます。これらはストリームが全部評価される前に結果が確定する場合、残りの要素をスキップします。

### 並列化

Stream APIは並列ストリーム処理をサポートしています。例えば、`parallelStream()`を使用するとき、処理速度が向上する可能性がありますが、必ずしもパフォーマンスが向上するわけではないと認識しておくべきです。特にスレッドのオーバーヘッドがコストよりも大きい場合。

```java

List<Integer> parallelFilteredNumbers = numbers.parallelStream()

                                               .filter(n -> n % 2 == 0)

                                               .collect(Collectors.toList());

```

## 7. まとめ

JavaのStream APIにおける`filter`メソッドは、コレクションや配列内の要素を条件にもとづいて効率よく抽出する強力なツールです。`filter`は他のStream操作と組み合わせることで、さらに柔軟なデータ処理が可能になります。

この機能を効果的に活用することで、コードの可読性と生産性を向上させることができます。また、Stream APIの遅延評価と並列処理の能力を活用してパフォーマンス面でも優れたアプリケーションを構築することが可能です。条件を適切に指定することで、手軽に必要なフィルタリングを実現できるため、Java開発者にとってぜひ習得しておくべき技術です。

Java Stream APIでfilterを利用する方法

目次

1. Stream APIとは

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