# Oracleの統計情報更新：DBMS_STATSの正しい使い方

## 目次

1. はじめに
2. 統計情報更新の重要性
3. DBMS_STATSパッケージとは
4. DBMS_STATSの基本的な使い方
   - 4-1. 統計情報収集の基本
   - 4-2. 収集モードの選択
   - 4-3. スキーマ・テーブルの統計情報更新
5. 高度な使い方
   - 5-1. 並列処理による統計情報収集
   - 5-2. ヒストグラムの収集
   - 5-3. インクリメンタル統計
6. 注意点とベストプラクティス
7. まとめ

## 1. はじめに

Oracleデータベースにおいて、SQLのパフォーマンスを最適化するためには統計情報の更新が欠かせません。統計情報はOracle Optimizerが最適なアクセスパスを選ぶための決定的なデータを提供します。本記事では、DBMS_STATSパッケージを利用した統計情報の更新方法とその正しい使い方を解説します。

## 2. 統計情報更新の重要性

Oracleデータベースにおいて、統計情報はOptimizerにとっての生命線といえる存在です。データの増減や構造の変化が生じた際、これらの統計が最新でないと、パフォーマンスの低下につながります。たとえば、テーブルやインデックスが増えたり減ったりしても、統計情報がアップデートされないと、Optimizerは誤った推定をしてしまい、適切なインデックスを使わずにテーブル全体をスキャンしてしまうこともあります。

## 3. DBMS_STATSパッケージとは

DBMS_STATSは、Oracleが提供する統計情報を収集・更新するためのパッケージです。これにより、テーブル、インデックス、スキーマ単位で統計情報を効率的に管理できます。DBMS_STATSは、Oracleのバージョンアップとともに進化し、現在では様々なカスタマイズが可能です。

## 4. DBMS_STATSの基本的な使い方

### 4-1. 統計情報収集の基本

DBMS_STATSを使用する際の基本的なコマンドは以下のようになります。

![img](/mosaic-code.jpg)

"estimate_percent"はサンプリング率を示し、データ量が多い場合にはサンプルで統計を取ると効率的です。

### 4-2. 収集モードの選択

また、大別すると以下のような収集モードが用意されています。

- AUTO: 自動的に統計を収集。最適なサンプリング率をOracleが決定
- ALL: すべてのデータを解析（通常お勧めしません）
- INCREMENTAL: 増分を考慮して、更新されたデータだけ収集

### 4-3. スキーマ・テーブルの統計情報更新

スキーマ全体の統計情報を取得する場合もシンプルです。

![img](/mosaic-code.jpg)

## 5. 高度な使い方

### 5-1. 並列処理による統計情報収集

大規模テーブルの統計情報収集を効率化するために、並列処理を利用することができます。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 5-2. ヒストグラムの収集

特定の列に対してヒストグラムを収集する場合には、適切なmethod_optを指定します。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 5-3. インクリメンタル統計

Oracle 11g以降では、パーティションテーブルのインクリメンタル統計が利用可能で、最新の統計を保持しつつパフォーマンスを最適化できます。

![img](/mosaic-code.jpg)

## 6. 注意点とベストプラクティス

- 統計情報の収集はシステムの負荷が低い時間帯に設定するのが理想的です。
- サンプル率はデフォルトのAUTO_SAMPLE_SIZEを使うことで効率的に統計を取得できますが、常に最適とは限らないため、システムの特徴に応じた調整が必要です。
- 統計情報の更新後はパフォーマンスが劣化することがあるため、適用前にベンチマークや負荷検証を行うことを推奨します。
- ヒストグラムが不要な場合、サイズを「1」に設定するなどで、収集対象をコントロールしましょう。

## 7. まとめ

Oracleが提供するDBMS_STATSパッケージは、データベースのパフォーマンスを最大限に引き出すための重要なツールです。それを効果的に使用するためには、環境や使用状況に応じた設定が不可欠です。最適な統計情報を収集し、常に最新の状態を保つことで、最適なパフォーマンスを維持しましょう。これにより、効率的なデータアクセスが可能となり、システム全体の効率が向上します。 [cv:issue_marketplace_engineer]

# Oracleの統計情報更新：DBMS_STATSの正しい使い方

## 目次

1. はじめに
2. 統計情報更新の重要性
3. DBMS_STATSパッケージとは
4. DBMS_STATSの基本的な使い方
   - 4-1. 統計情報収集の基本
   - 4-2. 収集モードの選択
   - 4-3. スキーマ・テーブルの統計情報更新
5. 高度な使い方
   - 5-1. 並列処理による統計情報収集
   - 5-2. ヒストグラムの収集
   - 5-3. インクリメンタル統計
6. 注意点とベストプラクティス
7. まとめ

## 1. はじめに

Oracleデータベースにおいて、SQLのパフォーマンスを最適化するためには統計情報の更新が欠かせません。統計情報はOracle Optimizerが最適なアクセスパスを選ぶための決定的なデータを提供します。本記事では、DBMS_STATSパッケージを利用した統計情報の更新方法とその正しい使い方を解説します。

## 2. 統計情報更新の重要性

Oracleデータベースにおいて、統計情報はOptimizerにとっての生命線といえる存在です。データの増減や構造の変化が生じた際、これらの統計が最新でないと、パフォーマンスの低下につながります。たとえば、テーブルやインデックスが増えたり減ったりしても、統計情報がアップデートされないと、Optimizerは誤った推定をしてしまい、適切なインデックスを使わずにテーブル全体をスキャンしてしまうこともあります。

## 3. DBMS_STATSパッケージとは

DBMS_STATSは、Oracleが提供する統計情報を収集・更新するためのパッケージです。これにより、テーブル、インデックス、スキーマ単位で統計情報を効率的に管理できます。DBMS_STATSは、Oracleのバージョンアップとともに進化し、現在では様々なカスタマイズが可能です。

## 4. DBMS_STATSの基本的な使い方

### 4-1. 統計情報収集の基本

DBMS_STATSを使用する際の基本的なコマンドは以下のようになります。

```sql
EXEC DBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATS(
    ownname   => 'スキーマ名',
    tabname   => 'テーブル名',
    estimate_percent => 10,  -- サンプルパーセンテージ
    method_opt => 'FOR ALL COLUMNS SIZE AUTO'
);
```

"estimate_percent"はサンプリング率を示し、データ量が多い場合にはサンプルで統計を取ると効率的です。

### 4-2. 収集モードの選択

また、大別すると以下のような収集モードが用意されています。

- AUTO: 自動的に統計を収集。最適なサンプリング率をOracleが決定
- ALL: すべてのデータを解析（通常お勧めしません）
- INCREMENTAL: 増分を考慮して、更新されたデータだけ収集

### 4-3. スキーマ・テーブルの統計情報更新

スキーマ全体の統計情報を取得する場合もシンプルです。

```sql
EXEC DBMS_STATS.GATHER_SCHEMA_STATS(
    ownname => 'スキーマ名',
    estimate_percent => DBMS_STATS.AUTO_SAMPLE_SIZE,
    cascade => TRUE  -- インデックスも合わせて更新
);
```

## 5. 高度な使い方

### 5-1. 並列処理による統計情報収集

大規模テーブルの統計情報収集を効率化するために、並列処理を利用することができます。

```sql
EXEC DBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATS(
    ownname => 'スキーマ名',
    tabname => 'テーブル名',
    degree => 4  -- パラレル度
);
```

### 5-2. ヒストグラムの収集

特定の列に対してヒストグラムを収集する場合には、適切なmethod_optを指定します。

```sql
EXEC DBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATS(
    ownname => 'スキーマ名',
    tabname => 'テーブル名',
    method_opt => 'FOR COLUMNS SIZE 254 列名'
);
```

### 5-3. インクリメンタル統計

Oracle 11g以降では、パーティションテーブルのインクリメンタル統計が利用可能で、最新の統計を保持しつつパフォーマンスを最適化できます。

```sql
ALTER TABLE テーブル名 MODIFY DEFAULT ATTRIBUTES 
(
    TABLESPACE テーブルスペース名 
    PARALLEL (DEGREE 8) 
    INCREMENT BY 5000
);
```

## 6. 注意点とベストプラクティス

- 統計情報の収集はシステムの負荷が低い時間帯に設定するのが理想的です。
- サンプル率はデフォルトのAUTO_SAMPLE_SIZEを使うことで効率的に統計を取得できますが、常に最適とは限らないため、システムの特徴に応じた調整が必要です。
- 統計情報の更新後はパフォーマンスが劣化することがあるため、適用前にベンチマークや負荷検証を行うことを推奨します。
- ヒストグラムが不要な場合、サイズを「1」に設定するなどで、収集対象をコントロールしましょう。

## 7. まとめ

Oracleが提供するDBMS_STATSパッケージは、データベースのパフォーマンスを最大限に引き出すための重要なツールです。それを効果的に使用するためには、環境や使用状況に応じた設定が不可欠です。最適な統計情報を収集し、常に最新の状態を保つことで、最適なパフォーマンスを維持しましょう。これにより、効率的なデータアクセスが可能となり、システム全体の効率が向上します。 

Oracleの統計情報更新：DBMS_STATSの正しい使い方

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