# AWS ShieldとAmazon CloudFrontの連携によるパフォーマンス向上

## 目次

1-1. AWS Shieldとは  
1-2. Amazon CloudFrontとは  
1-3. ShieldとCloudFrontの連携の利点  
1-4. パフォーマンス向上の仕組み  
1-5. 実装例  
1-6. コストの考慮  
1-7. セキュリティとパフォーマンスのバランス  
1-8. 比較分析  
1-9. まとめ  

## 1-1. AWS Shieldとは  

AWS Shieldは、Amazon Web Services (AWS) が提供する、分散型サービス拒否 (DDoS) 攻撃から保護するためのサービスです。AWS Shieldには2つのレベルがあります: Standard と Advanced。Standard はすべてのAWSのユーザーに無料で提供されており、一般的なDDoS攻撃からインスタンスを自動的に保護します。一方、Advanced はさらに高度な防御機能や可視性を提供し、有料で利用可能です。

## 1-2. Amazon CloudFrontとは  

Amazon CloudFrontは、AWSが提供するコンテンツ配信ネットワーク（CDN）サービスです。静的および動的ウェブコンテンツをエンドユーザーに配信し、キャッシング、トランスコード、動的コンテンツの最適化などの機能を提供します。これにより、コンテンツの配信速度が向上し、ユーザー体験 (UX) の改善に寄与します。

## 1-3. ShieldとCloudFrontの連携の利点  

AWS ShieldとAmazon CloudFrontを組み合わせると、セキュリティとパフォーマンスの両方が強化されます。具体的には、CloudFrontのディストリビューションに関連付けることで、直接インターネットに晒されるコンテンツへの攻撃をAWSシールドが防ぎ、同時に世界中のエッジロケーションから効率的に配信されます。

**図1: AWS ShieldとCloudFrontの連携概念図**

![img](/mosaic-code.jpg)

1. エンドユーザーからのリクエストがCloudFrontに行く。
2. CloudFrontが意図的に悪意のあるトラフィックを捌く。
3. AWS Shieldがさらに高度な防御を実施。

## 1-4. パフォーマンス向上の仕組み  

CloudFrontは、リクエストを最も近いエッジロケーションにルーティングすることでレイテンシーを低減し、コンテンツ配信速度を向上させます。さらに、CloudFrontはHTTP/2やIPv6に対応しており、最新のプロトコルを使用することでさらに高速な通信を実現します。

また、AWS Shieldによって悪意のあるトラフィックが事前にブロックまたはフィルタリングされることで、本来のユーザー向けの通信が快適に保たれ、システム全体の健全性が確保されます。

## 1-5. 実装例  

以下に、AWS ShieldとCloudFrontを組み合わせた実装の一例を示します。

![img](/mosaic-code.jpg)

## 1-6. コストの考慮  

AWS Shield Standardは無料で利用できますが、Advancedは追加料金がかかります。AWS Shield Advancedは、より深い可視性とカスタムのDDoS対策を提供し、ビジネス要件に応じて評価する必要があります。また、CloudFrontの料金はデータ転送量とリクエスト数によって変動しますので、全体のコストモデルに基づいて計画を行うことが重要です。

**表1: AWS Shield と CloudFrontの料金比較**

| サービス | 標準機能 | 高度機能 | 料金 |
| ------- | ------- | --------- | ------ |
| AWS Shield Standard | 基本的なDDoS防止 | - | 無料 |
| AWS Shield Advanced | 詳細なモニタリング、レポート | 専任サポート | 月額約3000 USD |
| CloudFront | 標準キャッシング | 指定ルールに基づくキャッシュ | データ転送量により変動 |
  
## 1-7. セキュリティとパフォーマンスのバランス  

セキュリティとパフォーマンスは、バランスが重要です。過度なセキュリティ設定がパフォーマンスを著しく低下させることがあり、また逆にパフォーマンスを優先しすぎるとセキュリティが甘くなる可能性もあります。AWSのサービスを上手く組み合わせ、適切なバランスを保つことが求められます。

## 1-8. 比較分析  

ShieldとCloudFrontの他のCDNサービスとの比較を行うと、次のような特徴があります。

1. **DDoS保護:**
   - Shieldは特にDDoS攻撃に対する防御が強固。

2. **配信速度:**
   - CloudFrontはAWSのグローバルネットワークを利用して高速なコンテンツ配信を実現。

3. **可用性と信頼性:**
   - AWSのSLAに基づく信頼性が保証されており、高可用性のコンテンツ配信をサポート。

**表2: CloudFront対他のCDNサービス**

| サービス | 配信速度 | DDoS防御 | 可用性 | 世界中のエッジロケーション |
| ------- | ------- | --------- | ---- | -------------- |
| CloudFront | 非常に高速 | 高高度 | 高 | 約270 |
| Akamai | 高速 | 非常に高い | 高 | 約286 |
| Cloudflare | 高速 | 高い | 中 | 約250 |

## 1-9. まとめ  

AWS ShieldとAmazon CloudFrontを組み合わせることで、セキュリティとパフォーマンスを両立させたWebアプリケーションの運用が可能です。特に、CloudFrontによる高速なコンテンツ配信とShieldの高度なDDoS防御によって、ユーザー体験が向上するだけでなく、業務の信頼性も向上します。これにより、様々な規模の企業が安定的なサービス提供を行えます。

AWSを利用してWebサービスのセキュリティとパフォーマンスを確保したいと考える方にとって、この知識は非常に役立ちます。適切に設定されたAWS ShieldとCloudFrontの連携によって、効率的かつ安全なWebサービスの提供が実現可能になります。 [cv:issue_marketplace_engineer]

# AWS ShieldとAmazon CloudFrontの連携によるパフォーマンス向上

## 目次

1-1. AWS Shieldとは  
1-2. Amazon CloudFrontとは  
1-3. ShieldとCloudFrontの連携の利点  
1-4. パフォーマンス向上の仕組み  
1-5. 実装例  
1-6. コストの考慮  
1-7. セキュリティとパフォーマンスのバランス  
1-8. 比較分析  
1-9. まとめ  

## 1-1. AWS Shieldとは  

AWS Shieldは、Amazon Web Services (AWS) が提供する、分散型サービス拒否 (DDoS) 攻撃から保護するためのサービスです。AWS Shieldには2つのレベルがあります: Standard と Advanced。Standard はすべてのAWSのユーザーに無料で提供されており、一般的なDDoS攻撃からインスタンスを自動的に保護します。一方、Advanced はさらに高度な防御機能や可視性を提供し、有料で利用可能です。

## 1-2. Amazon CloudFrontとは  

Amazon CloudFrontは、AWSが提供するコンテンツ配信ネットワーク（CDN）サービスです。静的および動的ウェブコンテンツをエンドユーザーに配信し、キャッシング、トランスコード、動的コンテンツの最適化などの機能を提供します。これにより、コンテンツの配信速度が向上し、ユーザー体験 (UX) の改善に寄与します。

## 1-3. ShieldとCloudFrontの連携の利点  

AWS ShieldとAmazon CloudFrontを組み合わせると、セキュリティとパフォーマンスの両方が強化されます。具体的には、CloudFrontのディストリビューションに関連付けることで、直接インターネットに晒されるコンテンツへの攻撃をAWSシールドが防ぎ、同時に世界中のエッジロケーションから効率的に配信されます。

**図1: AWS ShieldとCloudFrontの連携概念図**

```
[エンドユーザー] 
     ↑
     | (1)
[CloudFront -> エッジロケーション]
     ↑           ↑ 
  (2) |         (3) 
    [AWS シールド -> 2層の防護壁]
     ↑
     |
[オリジンサーバー]
```

1. エンドユーザーからのリクエストがCloudFrontに行く。
2. CloudFrontが意図的に悪意のあるトラフィックを捌く。
3. AWS Shieldがさらに高度な防御を実施。

## 1-4. パフォーマンス向上の仕組み  

CloudFrontは、リクエストを最も近いエッジロケーションにルーティングすることでレイテンシーを低減し、コンテンツ配信速度を向上させます。さらに、CloudFrontはHTTP/2やIPv6に対応しており、最新のプロトコルを使用することでさらに高速な通信を実現します。

また、AWS Shieldによって悪意のあるトラフィックが事前にブロックまたはフィルタリングされることで、本来のユーザー向けの通信が快適に保たれ、システム全体の健全性が確保されます。

## 1-5. 実装例  

以下に、AWS ShieldとCloudFrontを組み合わせた実装の一例を示します。

```yaml
# YAML記法を使用したCloudFormationテンプレート例
Resources:
  MyDistribution:
    Type: 'AWS::CloudFront::Distribution'
    Properties:
      DistributionConfig:
        Origins:
          - DomainName: 'www.example.com'
            Id: 'MyOrigin'
        Enabled: true
        DefaultCacheBehavior:
          TargetOriginId: 'MyOrigin'
          ViewerProtocolPolicy: 'redirect-to-https'

  MyShieldProtection:
    Type: AWS::Shield::Protection
    Properties:
      Name: 'MyCloudFrontDistroProtection'
      ResourceArn: !GetAtt 
        - MyDistribution
        - DomainName
```

## 1-6. コストの考慮  

AWS Shield Standardは無料で利用できますが、Advancedは追加料金がかかります。AWS Shield Advancedは、より深い可視性とカスタムのDDoS対策を提供し、ビジネス要件に応じて評価する必要があります。また、CloudFrontの料金はデータ転送量とリクエスト数によって変動しますので、全体のコストモデルに基づいて計画を行うことが重要です。

**表1: AWS Shield と CloudFrontの料金比較**

| サービス | 標準機能 | 高度機能 | 料金 |
| ------- | ------- | --------- | ------ |
| AWS Shield Standard | 基本的なDDoS防止 | - | 無料 |
| AWS Shield Advanced | 詳細なモニタリング、レポート | 専任サポート | 月額約3000 USD |
| CloudFront | 標準キャッシング | 指定ルールに基づくキャッシュ | データ転送量により変動 |
  
## 1-7. セキュリティとパフォーマンスのバランス  

セキュリティとパフォーマンスは、バランスが重要です。過度なセキュリティ設定がパフォーマンスを著しく低下させることがあり、また逆にパフォーマンスを優先しすぎるとセキュリティが甘くなる可能性もあります。AWSのサービスを上手く組み合わせ、適切なバランスを保つことが求められます。

## 1-8. 比較分析  

ShieldとCloudFrontの他のCDNサービスとの比較を行うと、次のような特徴があります。

1. **DDoS保護:**
   - Shieldは特にDDoS攻撃に対する防御が強固。

2. **配信速度:**
   - CloudFrontはAWSのグローバルネットワークを利用して高速なコンテンツ配信を実現。

3. **可用性と信頼性:**
   - AWSのSLAに基づく信頼性が保証されており、高可用性のコンテンツ配信をサポート。

**表2: CloudFront対他のCDNサービス**

| サービス | 配信速度 | DDoS防御 | 可用性 | 世界中のエッジロケーション |
| ------- | ------- | --------- | ---- | -------------- |
| CloudFront | 非常に高速 | 高高度 | 高 | 約270 |
| Akamai | 高速 | 非常に高い | 高 | 約286 |
| Cloudflare | 高速 | 高い | 中 | 約250 |

## 1-9. まとめ  

AWS ShieldとAmazon CloudFrontを組み合わせることで、セキュリティとパフォーマンスを両立させたWebアプリケーションの運用が可能です。特に、CloudFrontによる高速なコンテンツ配信とShieldの高度なDDoS防御によって、ユーザー体験が向上するだけでなく、業務の信頼性も向上します。これにより、様々な規模の企業が安定的なサービス提供を行えます。

AWSを利用してWebサービスのセキュリティとパフォーマンスを確保したいと考える方にとって、この知識は非常に役立ちます。適切に設定されたAWS ShieldとCloudFrontの連携によって、効率的かつ安全なWebサービスの提供が実現可能になります。 

AWS ShieldとAmazon CloudFrontの連携によるパフォーマンス向上

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