# EKSとIstioでマイクロサービスを可視化する方法

## 1-1. はじめに

現代のアプリケーションはマイクロサービスアーキテクチャを採用することで、その増え続ける複雑性を管理しています。そのため、マイクロサービス間の通信を効率的に管理・最適化する手段として、Istioのようなサービスメッシュが利用されます。本記事では、Amazon Elastic Kubernetes Service（EKS）とIstioを組み合わせて、マイクロサービスの可視化を実現する方法について詳しく解説します。

## 1-2. 目次

1. はじめに
2. EKSとは？
   1. EKSの基本構成
   2. なぜEKSを選ぶのか？
3. Istioとは？
   1. Istioの基本構成
   2. マイクロサービスにIstioが重要な理由
4. EKSとIstio連携の準備
   1. 必要なツールのインストール
   2. EKSクラスタの構築
   3. Istioのインストール
5. マイクロサービスのデプロイ
   1. サンプルアプリケーションの概要
   2. アプリケーションのデプロイ手順
6. Istioによる可視化
   1. データプレーンとコントロールプレーン
   2. Istioダッシュボード（Kiali、Grafanaなど）
7. トラフィック管理
   1. Istioでのルーティング
   2. 監視とアラート
8. セキュリティの強化
   1. IstioによるmTLS
   2. セキュリティポリシーの設定
9. まとめ

## 2. EKSとは？

### 2-1. EKSの基本構成

Amazon EKS（Elastic Kubernetes Service）は、AWS上でフルマネージドのKubernetesサービスです。EKSは以下のような構成で提供されます：

- **クラスター管理**: EKSはクラスタの作成、管理、スケーリングを簡易化します。
- **マネージドノード**: ノード（EC2インスタンス）の管理が容易で、運用コスト削減が可能です。
- **セキュリティ**: AWS Identity and Access Management (IAM) と統合され、安全なアクセス制御が実現します。

### 2-2. なぜEKSを選ぶのか？

EKSを選ぶ理由には、次の点が挙げられます：

- **AWSエコシステムとの統合**: S3、RDSなどのAWS servicesと簡単に連携可能。
- **高可用性**: AWSのインフラを基盤とし、堅牢なサービス提供。
- **オートスケーリング**: 需要に応じて、リソースを自動でスケーリング。

## 3. Istioとは？

### 3-1. Istioの基本構成

Istioは、マイクロサービス間の通信を管理するためのオープンソースサービスメッシュです。主なコンポーネントには：

- **Envoy**: データプレーンとして機能するプロキシ。
- **Pilot**: サービスディスカバリーとトラフィック管理を担当。
- **Mixer**: ポリシーの適用とテレメトリの収集。
- **Citadel**: サービス間通信のセキュリティを保証。

### 3-2. マイクロサービスにIstioが重要な理由

マイクロサービスアーキテクチャにおけるIstioの利点は次の通りです：

- **トラフィック管理**: きめ細かなルーティングとサービス間通信の制御。
- **可観測性**: 詳細なテレメトリ収集と可視化。
- **セキュリティの強化**: mTLSを使用したセキュアな通信。

## 4. EKSとIstio連携の準備

### 4-1. 必要なツールのインストール

本セットアップには以下のツールが必要です：

- AWS CLI
- kubectl
- Istio CLI

これらは公式のドキュメントに従ってインストールしてください。

### 4-2. EKSクラスタの構築

まず、AWS CLIを使用してEKSクラスタを作成します。以下に基本的なコマンドの例を示します：

![img](/mosaic-code.jpg)

### 4-3. Istioのインストール

Istioのインストールは公式のIstioインストールガイドに従います。基本的なコマンドは以下の通りです。

![img](/mosaic-code.jpg)

## 5. マイクロサービスのデプロイ

### 5-1. サンプルアプリケーションの概要

サンプルアプリケーションは、複数のサービスで構成され、Istioによって管理されます。以下に簡単な構成図を示します。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 5-2. アプリケーションのデプロイ手順

サンプルアプリケーションをデプロイします。以下はKubernetes YAMLファイルの例です。

![img](/mosaic-code.jpg)

これらのサービスを`kubectl apply -f <yaml-file>`コマンドでデプロイします。

## 6. Istioによる可視化

### 6-1. データプレーンとコントロールプレーン

Istioの可視化は、Envoyプロキシが収集するテレメトリを使って行います。これにより、データプレーンとコントロールプレーンのパフォーマンスを監視できます。

### 6-2. Istioダッシュボード（Kiali、Grafanaなど）

Istioのダッシュボードツールを利用し、サービスメッシュ内の通信を視覚的に確認します。

- **Kiali**: 直感的なUIでサービスメッシュを可視化。
- **Grafana**: メトリクスをグラフとして表示し、リアルタイムで監視。

これらは`kubectl port-forward`コマンドを使用して、ローカルPCでアクセスできます。

## 7. トラフィック管理

### 7-1. Istioでのルーティング

Istioは詳細なトラフィック管理を提供します。これにより、特定のサービスへの接続を制御できます。以下の例では、バージョンごとのトラフィック分配を行います。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 7-2. 監視とアラート

Istioの監視能力は、メトリックデータを使って詳細なアラート設定を可能にします。Prometheusと統合することで、リクエスト数やレイテンシーをリアルタイムで監視し、異常を早期に検知できます。

## 8. セキュリティの強化

### 8-1. IstioによるmTLS

IstioはmTLSを活用し、サービス間通信の暗号化を行います。これにより、中間者攻撃から保護することが可能です。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 8-2. セキュリティポリシーの設定

セキュリティポリシーを設定することで、アクセス制御を強化し、不正な通信を排除します。

## 9. まとめ

EKSとIstioを使用することで、マイクロサービスの可視化と管理が格段に向上します。この記事で紹介した流れに沿って進めることで、リッチな可観測性とセキュリティ強化を実現し、複雑なマイクロサービスアーキテクチャの運用が簡素化されます。これにより、開発効率とプロダクションの信頼性が大幅に向上します。次回は、パフォーマンスチューニングと最適化に焦点を当てます。 [cv:issue_marketplace_engineer]

# EKSとIstioでマイクロサービスを可視化する方法

## 1-1. はじめに

現代のアプリケーションはマイクロサービスアーキテクチャを採用することで、その増え続ける複雑性を管理しています。そのため、マイクロサービス間の通信を効率的に管理・最適化する手段として、Istioのようなサービスメッシュが利用されます。本記事では、Amazon Elastic Kubernetes Service（EKS）とIstioを組み合わせて、マイクロサービスの可視化を実現する方法について詳しく解説します。

## 1-2. 目次

1. はじめに
2. EKSとは？
   1. EKSの基本構成
   2. なぜEKSを選ぶのか？
3. Istioとは？
   1. Istioの基本構成
   2. マイクロサービスにIstioが重要な理由
4. EKSとIstio連携の準備
   1. 必要なツールのインストール
   2. EKSクラスタの構築
   3. Istioのインストール
5. マイクロサービスのデプロイ
   1. サンプルアプリケーションの概要
   2. アプリケーションのデプロイ手順
6. Istioによる可視化
   1. データプレーンとコントロールプレーン
   2. Istioダッシュボード（Kiali、Grafanaなど）
7. トラフィック管理
   1. Istioでのルーティング
   2. 監視とアラート
8. セキュリティの強化
   1. IstioによるmTLS
   2. セキュリティポリシーの設定
9. まとめ

## 2. EKSとは？

### 2-1. EKSの基本構成

Amazon EKS（Elastic Kubernetes Service）は、AWS上でフルマネージドのKubernetesサービスです。EKSは以下のような構成で提供されます：

- **クラスター管理**: EKSはクラスタの作成、管理、スケーリングを簡易化します。
- **マネージドノード**: ノード（EC2インスタンス）の管理が容易で、運用コスト削減が可能です。
- **セキュリティ**: AWS Identity and Access Management (IAM) と統合され、安全なアクセス制御が実現します。

### 2-2. なぜEKSを選ぶのか？

EKSを選ぶ理由には、次の点が挙げられます：

- **AWSエコシステムとの統合**: S3、RDSなどのAWS servicesと簡単に連携可能。
- **高可用性**: AWSのインフラを基盤とし、堅牢なサービス提供。
- **オートスケーリング**: 需要に応じて、リソースを自動でスケーリング。

## 3. Istioとは？

### 3-1. Istioの基本構成

Istioは、マイクロサービス間の通信を管理するためのオープンソースサービスメッシュです。主なコンポーネントには：

- **Envoy**: データプレーンとして機能するプロキシ。
- **Pilot**: サービスディスカバリーとトラフィック管理を担当。
- **Mixer**: ポリシーの適用とテレメトリの収集。
- **Citadel**: サービス間通信のセキュリティを保証。

### 3-2. マイクロサービスにIstioが重要な理由

マイクロサービスアーキテクチャにおけるIstioの利点は次の通りです：

- **トラフィック管理**: きめ細かなルーティングとサービス間通信の制御。
- **可観測性**: 詳細なテレメトリ収集と可視化。
- **セキュリティの強化**: mTLSを使用したセキュアな通信。

## 4. EKSとIstio連携の準備

### 4-1. 必要なツールのインストール

本セットアップには以下のツールが必要です：

- AWS CLI
- kubectl
- Istio CLI

これらは公式のドキュメントに従ってインストールしてください。

### 4-2. EKSクラスタの構築

まず、AWS CLIを使用してEKSクラスタを作成します。以下に基本的なコマンドの例を示します：

```bash
aws eks create-cluster --name my-cluster --role-arn <IAM_ROLE_ARN> --resources-vpc-config subnetIds=<SUBNET_IDS>,securityGroupIds=<SECURITY_GROUP_IDS>
```

### 4-3. Istioのインストール

Istioのインストールは公式のIstioインストールガイドに従います。基本的なコマンドは以下の通りです。

```bash
istioctl install --set profile=demo
```

## 5. マイクロサービスのデプロイ

### 5-1. サンプルアプリケーションの概要

サンプルアプリケーションは、複数のサービスで構成され、Istioによって管理されます。以下に簡単な構成図を示します。

```
[Service A] <--> [Service B] <--> [Service C]
```

### 5-2. アプリケーションのデプロイ手順

サンプルアプリケーションをデプロイします。以下はKubernetes YAMLファイルの例です。

```yaml
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: service-a
spec:
  replicas: 3
  selector:
    matchLabels:
      app: service-a
  template:
    metadata:
      labels:
        app: service-a
    spec:
      containers:
      - name: service-a
        image: example/service-a:latest
```

これらのサービスを`kubectl apply -f <yaml-file>`コマンドでデプロイします。

## 6. Istioによる可視化

### 6-1. データプレーンとコントロールプレーン

Istioの可視化は、Envoyプロキシが収集するテレメトリを使って行います。これにより、データプレーンとコントロールプレーンのパフォーマンスを監視できます。

### 6-2. Istioダッシュボード（Kiali、Grafanaなど）

Istioのダッシュボードツールを利用し、サービスメッシュ内の通信を視覚的に確認します。

- **Kiali**: 直感的なUIでサービスメッシュを可視化。
- **Grafana**: メトリクスをグラフとして表示し、リアルタイムで監視。

これらは`kubectl port-forward`コマンドを使用して、ローカルPCでアクセスできます。

## 7. トラフィック管理

### 7-1. Istioでのルーティング

Istioは詳細なトラフィック管理を提供します。これにより、特定のサービスへの接続を制御できます。以下の例では、バージョンごとのトラフィック分配を行います。

```yaml
apiVersion: networking.istio.io/v1alpha3
kind: VirtualService
metadata:
  name: my-app
spec:
  hosts:
  - "*"
  http:
  - route:
    - destination:
        host: my-app
        subset: v1
      weight: 50
    - destination:
        host: my-app
        subset: v2
      weight: 50
```

### 7-2. 監視とアラート

Istioの監視能力は、メトリックデータを使って詳細なアラート設定を可能にします。Prometheusと統合することで、リクエスト数やレイテンシーをリアルタイムで監視し、異常を早期に検知できます。

## 8. セキュリティの強化

### 8-1. IstioによるmTLS

IstioはmTLSを活用し、サービス間通信の暗号化を行います。これにより、中間者攻撃から保護することが可能です。

```yaml
apiVersion: security.istio.io/v1beta1
kind: PeerAuthentication
metadata:
  name: default
  namespace: default
spec:
  mtls:
    mode: STRICT
```

### 8-2. セキュリティポリシーの設定

セキュリティポリシーを設定することで、アクセス制御を強化し、不正な通信を排除します。

## 9. まとめ

EKSとIstioを使用することで、マイクロサービスの可視化と管理が格段に向上します。この記事で紹介した流れに沿って進めることで、リッチな可観測性とセキュリティ強化を実現し、複雑なマイクロサービスアーキテクチャの運用が簡素化されます。これにより、開発効率とプロダクションの信頼性が大幅に向上します。次回は、パフォーマンスチューニングと最適化に焦点を当てます。 

EKSとIstioでマイクロサービスを可視化する方法

1-1. はじめに

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）