# Cloud CDNでIP制限をしたいときのCloud Armor併用方法

## 目次

1. はじめに

2. Cloud CDNとCloud Armorの概要

   1. Cloud CDNとは

   2. Cloud Armorとは

3. Cloud CDNにおけるIP制限の必要性

4. Cloud Armorを使用したIP制限のセットアップ手順

   1. 初期設定

   2. セキュリティポリシーの作成

   3. ルールの追加

   4. ポリシーの適用

5. リアルタイムモニタリングとログの確認

6. ベストプラクティスと考慮すべき点

7. まとめ

## 1. はじめに

Webサービスを提供する際、アクセス制御は非常に重要です。特に、悪意のあるアクセスからサービスを守るためには、IP制限が役立ちます。この記事では、Google Cloudが提供するCloud CDNでIP制限を実現するために、Cloud Armorとどのように併用するかについて詳しく説明します。

## 2. Cloud CDNとCloud Armorの概要

### 2.1 Cloud CDNとは

Cloud CDNは、Google Cloud Platform (GCP)が提供するコンテンツ配信ネットワークサービスです。Webサイトのコンテンツを高速に配信するため、世界中に分散されたエッジキャッシュサーバーを利用します。これにより、ユーザーの地理的な位置に関わらず、低遅延でコンテンツを配信できます。

### 2.2 Cloud Armorとは

Cloud Armorは、GCPのWebアプリケーションファイアウォール(WAF)ソリューションです。DDoS攻撃やスクリプトによる不正アクセスなどからアプリケーションを保護するため、カスタムルールを作成してトラフィックを管理できます。IPアドレスによるアクセス制御も可能で、これを利用することで、特定のIPアドレスからのアクセスを許可または拒否できます。

## 3. Cloud CDNにおけるIP制限の必要性

Cloud CDNを運用する中で、特定のIPアドレスをブロックしたり、許可されたIPアドレスのみにアクセスを限定することがあるでしょう。これは、以下のような理由から重要です：

- セキュリティの強化：不正アクセスを防ぐため。

- 帯域幅の管理：無駄なトラフィックを排除し、必要なリソースを有効活用する。

- サービス品質の確保：正規ユーザーへの高品質なサービス提供を維持する。

## 4. Cloud Armorを使用したIP制限のセットアップ手順

### 4.1 初期設定

まず、GCPプロジェクト内でCloud ArmorとCloud CDNのAPIを有効にします。これには、GCPコンソールで「APIとサービス」からAPIライブラリにアクセスする必要があります。

### 4.2 セキュリティポリシーの作成

1. GCPコンソールで「ネットワークセキュリティ」メニューを選択し、「Cloud Armor」をクリックします。

2. 「作成」をクリックし、新しいセキュリティポリシーを設定します。

3. 名前と説明を入力し、「次へ」をクリックします。

### 4.3 ルールの追加

1. 「ルールを追加」を選択し、新しいルールを作成します。

2. アクションタイプを「許可」または「拒否」に設定します（例：拒否ルールを設定する場合は、特定のIPアドレスが対象）。

3. ターゲット条件にはCIDR表記でIPアドレス範囲を入力します（例：`192.168.1.0/24`）。

4. ルールを保存します。

### 4.4 ポリシーの適用

作成したポリシーをCloud CDNが有効化されているバックエンドサービスに適用します：

1. プロジェクト内の「すべてのリソース」にアクセス。

2. 目的のバックエンドサービスを選択し、「編集」をクリック。

3. Cloud Armorポリシーのドロップダウンメニューから作成したポリシーを選び、「保存」。

## 5. リアルタイムモニタリングとログの確認

Cloud Armorのポリシーが適用された後、トラフィックはリアルタイムでモニタリング可能です。GCPコンソールの「ログエクスプローラ」で、許可されているトラフィックや拒否された試みを確認できます。

## 6. ベストプラクティスと考慮すべき点

- **テスト環境で試す**: 本番環境に変更を加える前に、テスト環境で新しいルールを試してみます。

- **段階的な導入**: すべてのトラフィックに対して一度に変更を適用するのではなく、一部のトラフィックから始めて影響を評価します。

- **ルールの定期的なレビューと更新**: 新しいIPアドレス範囲の更新や、ビジネスニーズの変化に合わせてルールをアップデートします。

- **モニタリングとアラートの設定**: 予期しないアクセス拒否の増加を即座に把握するために、アラートを設定します。

## 7. まとめ

Cloud CDNにおけるIP制限は、サービスの安全性と効率を高める重要な手段です。Cloud Armorを使って適切なIP制限を施すことで、Webアプリケーションを様々な脅威から守る体制を整えましょう。初期設定からモニタリングまで一連のプロセスを理解し、実践することで、強固なネットワークセキュリティを構築できます。

Cloud CDNでIP制限をしたいときのCloud Armor併用方法

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