# Azure App ServiceでBlob Storageの静的ファイルを配信する構成

## 目次

1.1 はじめに  

1.2 Azure App ServiceとBlob Storageの概要  

1.3 Azure Blob Storageの静的ファイルホスティング設定  

1.4 Azure App Serviceとの統合  

1.5 セキュリティ設定と制約事項  

1.6 料金とコスト管理  

1.7 まとめ  

## 1.1 はじめに

静的ファイルの配信は多くのウェブアプリケーションで必要とされる機能です。Azureでは、App ServiceとBlob Storageを利用して、効率的に静的ファイルを配信することができます。この構成における最適な方法とベストプラクティスを具体的に紹介します。

## 1.2 Azure App ServiceとBlob Storageの概要

Azure App Serviceは、Microsoftの提供するPaaS（Platform as a Service）で、スケーラビリティの高いWebアプリケーションを迅速にデプロイ可能です。一方、Azure Blob Storageは、非構造化データを格納するためのサービスで、画像や動画などの大容量の静的コンテンツをホスティングするのに最適です。

### 1.2.1 Azure Blob Storageの特徴

- **スケーラブルなストレージ**: 大規模なデータでも効率的に管理可能。

- **高い可用性と耐久性**: データの冗長性により99.999999999%の可用性を提供。

- **低コスト**: Azure内での他サービスとの連携がしやすく、コスト効率が良い。

## 1.3 Azure Blob Storageの静的ファイルホスティング設定

まず、AzureポータルからBlob Storageアカウントを作成し、静的ウェブホスティングを有効化する必要があります。

### 1.3.1 Blob Storageアカウントの作成

1. Azureポータルで「ストレージアカウント」を選択し、Blobストレージを作成。

2. ストレージアカウントを選択して「静的ウェブサイト (preview)」を有効にする。

### 1.3.2 静的ホスティングの設定

- **インデックス文書**: デフォルトで開かれるファイルを指定（例: index.html）。

- **エラードキュメント**: エラーページを指定する（例: 404.html）。

## 1.4 Azure App Serviceとの統合

App ServiceからBlob Storageにホストされている静的ファイルにアクセスするため、カスタムドメインを設定します。

### 1.4.1 カスタムドメインの設定

1. Blob Storageのエンドポイントをカスタムドメインに関連付けます。

2. App Serviceのアプリ設定から、Blobにアクセスするための関連情報（Connection String）を設定。

### 1.4.2 CORSの設定

クロスオリジンリソース共有 (CORS) を設定して、App ServiceからBlob Storageへのリクエストを許可。

```yaml

allowedOrigins:

  - "https://your-custom-domain.com"

  - "https://another-domain.com"

```

## 1.5 セキュリティ設定と制約事項

Azure Blob Storageのセキュリティは重要です。アクセスキーやSASトークンを使用して、適切なアクセス制御を設定しましょう。

### 1.5.1 アクセスキーとSASトークン

- **アクセスキー**: ストレージアカウントへのフルアクセスが可能。

- **SASトークン**: 制限付きアクセスを提供し、特定のリソースへのアクセスを許可。

### 1.5.2 Azure Active Directory (AAD) 認証

さらに強力なセキュリティを実現するため、AADを設定してユーザーの認証・承認を強化。

## 1.6 料金とコスト管理

Azureの料金は使用量に応じて異なります。Blob Storageではデータの保管料と転送量が主な要素です。

### 1.6.1 コスト管理のヒント

1. **アクセスパターンの分析**: 使用頻度に基づいてストレージ層を選択（Hot, Cool, Archive）。

2. **データ転送最適化**: 無駄なデータ転送を避けてコスト削減。

## 1.7 まとめ

AzureのBlob StorageとApp Serviceを組み合わせることで、スケーラブルでコスト効率の良い静的ファイル配信の基盤を構築できます。設定にはいくつかの注意点がありますが、これを理解することで、信頼性の高いアプリケーションサービスを提供できます。設計や構築にあたっては、長期的な視点での最適化を考慮し、継続的に改善していくことが重要です。

Azure App ServiceでBlob Storageの静的ファイルを配信する構成

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