# Azure App Serviceのスケールアップ・スケールアウト設定方法

## 目次

1. はじめに

2. Azure App Serviceとは

3. スケールアップとスケールアウトの違い

4. スケールアップ設定方法

    - 4-1. スケールアップのメリット

    - 4-2. スケールアップの手順

5. スケールアウト設定方法

    - 5-1. スケールアウトのメリット

    - 5-2. スケールアウトの手順

6. スケーリングのベストプラクティス

7. コスト管理

8. まとめ

## 1. はじめに

クラウドベースのアプリケーションの導入が増える中で、MicrosoftのAzure App Serviceは、高度にスケーラブルで管理の手間が少ないプラットフォームを提供しています。アプリのパフォーマンスを最適化するために、スケールアップとスケールアウトの概念を理解し、正しく設定することが重要です。この記事では、これらの設定方法を具体的に解説します。

## 2. Azure App Serviceとは

Azure App Serviceは、Webアプリ、モバイルバックエンド、RESTful APIの開発、ホスティング、スケールを簡単に行えるPaaSです。開発者がインフラに気を取られることなく、ビジネスロジックに集中できるように設計されています。App Serviceには、複数のコンピューティング環境や世界規模のデータセンターが利用可能で、高い可用性とパフォーマンスを提供します。

## 3. スケールアップとスケールアウトの違い

- **スケールアップ**は、既存のサーバーのリソース（CPU、メモリ、ストレージなど）を増強することで、より大きな負荷に耐えられるようにします。これは垂直スケーリングとも呼ばれます。

- **スケールアウト**は、アプリのインスタンスを増やして負荷を分散し、処理能力を高めます。これは水平スケーリングとも呼ばれます。

### スケールアップとスケールアウトの違いを示した表

| 特徴              | スケールアップ                                                                                | スケールアウト                                                                        |

|-------------------|----------------------------------------------------------------------------------------------|--------------------------------------------------------------------------------------|

| 方法              | 単一のインスタンスの性能を強化                                                                | インスタンス数を増やす                                                               |

| 利用ケース        | 単一のリクエストが高いリソースを必要とする場面                                                | 同時に多くのリクエストが発生する場面                                                |

| 変更のしやすさ    | 一時停止または再起動が必要な場合がある                                                        | 通常、アプリに影響を与えずに実施可能                                               |

| コスト効率        | 一定の限界を超えるとコストが割高になる場合がある                                               | 一般にコストは追加のインスタンス分に比例                                           |

## 4. スケールアップ設定方法

### 4-1. スケールアップのメリット

スケールアップでは、大きなインスタンスに変更することで、処理能力を高めることができます。高負荷な計算が必要な処理を一つのインスタンスで効率よく処理したい場合に有効です。

### 4-2. スケールアップの手順

1. **Azureポータルにログイン**: まず、Azureポータルにログインし、スケールアップしたいApp Serviceを選択します。

   

2. **Pricing Tier設定**: 左側のメニューから「スケールアップ (App Service プラン)」を選択します。

3. **プラン選択**: 提示されるプラン（例: D1、P1v2など）から新たな料金階層を選びます。プランはCPU、メモリ、ストレージのサイズに従って選択できます。

4. **適用**: 変更内容を確認し、「適用」ボタンをクリック。変更が反映されるまでに数分掛かることがあります。

## 5. スケールアウト設定方法

### 5-1. スケールアウトのメリット

スケールアウトは、アプリケーションのインスタンス数を増やして、より多くのユーザーを処理し、待ち時間を減少させるのに有効です。ロードバランサを活用しながら、トラフィックを分散することで、高い可用性と耐障害性を確保します。

### 5-2. スケールアウトの手順

1. **App Serviceを選択**: Azureポータル内で該当のApp Serviceを開き、「スケールアウト (App Serviceプラン)」を選択します。

2. **インスタンス数の設定**: インスタンスの設定で、手動または自動スケーリングを選択。手動モードでは、インスタンスの数を直接設定します。自動スケーリングでは、特定のCPU使用率やメモリ使用率の条件でインスタンス数を増減します。

3. **スケールルールの設定**: 自動スケールを選んだ場合、スケール条件（例: CPU使用率が70%を超えた場合にインスタンスを増やす）を細かく設定します。

4. **保存**: 設定が完了したら保存します。自動スケーリングはリアルタイムで適用されます。

### 自動スケール設定例

![img](/mosaic-code.jpg)

## 6. スケーリングのベストプラクティス

- **監視と調整**: Azure Monitorを利用してサーバーの負荷を監視し、必要に応じてスケールルールを調整します。

- **負荷テスト**: スケーリングを実施する前に、Azure Load Testingを使ってハイパフォーマンスをシミュレーションし、予想外の負荷にも対応できるか確認します。

- **中間層の設計**: スケールアウト時は、データベースやキャッシュなどの中間層も適切にスケーリングすることを考慮してください。

## 7. コスト管理

Azureのスケーリング機能を活用する際は、常にコストが発生します。適切な監視とアラート設定により、無駄なコスト発生を防ぐことが可能です。また、各プランの費用を理解し、プロジェクトに適したオプションを選択してください。

## 8. まとめ

Azure App Serviceでのスケールアップとスケールアウトは、アプリケーションのパフォーマンスと可用性を向上させる効果的な手段です。特にピークロードを効率的に捌くために、各手法を適切に使い分けることが重要です。利用状況を常に監視し、最適化を繰り返すことで、安定したサービスを提供し続けましょう。スケールアップとスケールアウトの適切な併用が、持続可能なアプリケーションの構築を可能にします。

# Azure App Serviceのスケールアップ・スケールアウト設定方法

## 目次

1. はじめに

2. Azure App Serviceとは

3. スケールアップとスケールアウトの違い

4. スケールアップ設定方法

    - 4-1. スケールアップのメリット

    - 4-2. スケールアップの手順

5. スケールアウト設定方法

    - 5-1. スケールアウトのメリット

    - 5-2. スケールアウトの手順

6. スケーリングのベストプラクティス

7. コスト管理

8. まとめ

## 1. はじめに

クラウドベースのアプリケーションの導入が増える中で、MicrosoftのAzure App Serviceは、高度にスケーラブルで管理の手間が少ないプラットフォームを提供しています。アプリのパフォーマンスを最適化するために、スケールアップとスケールアウトの概念を理解し、正しく設定することが重要です。この記事では、これらの設定方法を具体的に解説します。

## 2. Azure App Serviceとは

Azure App Serviceは、Webアプリ、モバイルバックエンド、RESTful APIの開発、ホスティング、スケールを簡単に行えるPaaSです。開発者がインフラに気を取られることなく、ビジネスロジックに集中できるように設計されています。App Serviceには、複数のコンピューティング環境や世界規模のデータセンターが利用可能で、高い可用性とパフォーマンスを提供します。

## 3. スケールアップとスケールアウトの違い

- **スケールアップ**は、既存のサーバーのリソース（CPU、メモリ、ストレージなど）を増強することで、より大きな負荷に耐えられるようにします。これは垂直スケーリングとも呼ばれます。

- **スケールアウト**は、アプリのインスタンスを増やして負荷を分散し、処理能力を高めます。これは水平スケーリングとも呼ばれます。

### スケールアップとスケールアウトの違いを示した表

| 特徴              | スケールアップ                                                                                | スケールアウト                                                                        |

|-------------------|----------------------------------------------------------------------------------------------|--------------------------------------------------------------------------------------|

| 方法              | 単一のインスタンスの性能を強化                                                                | インスタンス数を増やす                                                               |

| 利用ケース        | 単一のリクエストが高いリソースを必要とする場面                                                | 同時に多くのリクエストが発生する場面                                                |

| 変更のしやすさ    | 一時停止または再起動が必要な場合がある                                                        | 通常、アプリに影響を与えずに実施可能                                               |

| コスト効率        | 一定の限界を超えるとコストが割高になる場合がある                                               | 一般にコストは追加のインスタンス分に比例                                           |

## 4. スケールアップ設定方法

### 4-1. スケールアップのメリット

スケールアップでは、大きなインスタンスに変更することで、処理能力を高めることができます。高負荷な計算が必要な処理を一つのインスタンスで効率よく処理したい場合に有効です。

### 4-2. スケールアップの手順

1. **Azureポータルにログイン**: まず、Azureポータルにログインし、スケールアップしたいApp Serviceを選択します。

   

2. **Pricing Tier設定**: 左側のメニューから「スケールアップ (App Service プラン)」を選択します。

3. **プラン選択**: 提示されるプラン（例: D1、P1v2など）から新たな料金階層を選びます。プランはCPU、メモリ、ストレージのサイズに従って選択できます。

4. **適用**: 変更内容を確認し、「適用」ボタンをクリック。変更が反映されるまでに数分掛かることがあります。

## 5. スケールアウト設定方法

### 5-1. スケールアウトのメリット

スケールアウトは、アプリケーションのインスタンス数を増やして、より多くのユーザーを処理し、待ち時間を減少させるのに有効です。ロードバランサを活用しながら、トラフィックを分散することで、高い可用性と耐障害性を確保します。

### 5-2. スケールアウトの手順

1. **App Serviceを選択**: Azureポータル内で該当のApp Serviceを開き、「スケールアウト (App Serviceプラン)」を選択します。

2. **インスタンス数の設定**: インスタンスの設定で、手動または自動スケーリングを選択。手動モードでは、インスタンスの数を直接設定します。自動スケーリングでは、特定のCPU使用率やメモリ使用率の条件でインスタンス数を増減します。

3. **スケールルールの設定**: 自動スケールを選んだ場合、スケール条件（例: CPU使用率が70%を超えた場合にインスタンスを増やす）を細かく設定します。

4. **保存**: 設定が完了したら保存します。自動スケーリングはリアルタイムで適用されます。

### 自動スケール設定例

```yaml

スケール設定:

  - 名前: 自動スケール

    CPUのしきい値: 70%

    増加: 2インスタンス

    減少: 1インスタンス

```

## 6. スケーリングのベストプラクティス

- **監視と調整**: Azure Monitorを利用してサーバーの負荷を監視し、必要に応じてスケールルールを調整します。

- **負荷テスト**: スケーリングを実施する前に、Azure Load Testingを使ってハイパフォーマンスをシミュレーションし、予想外の負荷にも対応できるか確認します。

- **中間層の設計**: スケールアウト時は、データベースやキャッシュなどの中間層も適切にスケーリングすることを考慮してください。

## 7. コスト管理

Azureのスケーリング機能を活用する際は、常にコストが発生します。適切な監視とアラート設定により、無駄なコスト発生を防ぐことが可能です。また、各プランの費用を理解し、プロジェクトに適したオプションを選択してください。

## 8. まとめ

Azure App Serviceでのスケールアップとスケールアウトは、アプリケーションのパフォーマンスと可用性を向上させる効果的な手段です。特にピークロードを効率的に捌くために、各手法を適切に使い分けることが重要です。利用状況を常に監視し、最適化を繰り返すことで、安定したサービスを提供し続けましょう。スケールアップとスケールアウトの適切な併用が、持続可能なアプリケーションの構築を可能にします。

Azure App Serviceのスケールアップ・スケールアウト設定方法

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