# Entity Framework Core のカスタムコンテキスト作成方法

## 1-1 目次

1. イントロダクション

2. Entity Framework Core の基礎概念

   1. DbContext とは

   2. DbSet とエンティティ

3. カスタム DbContext の作成

   1. クラスの作成

   2. コンストラクタの定義

   3. DbSet の追加

4. データベース接続の設定

   1. Connection String の定義

   2. OnConfiguring メソッドの利用

5. カスタムコンテキストの使用

   1. 基本的な CRUD 操作

   2. マイグレーションの実行

6. パフォーマンスの最適化

   1. ラジーローディングとイーガーローディング

   2. クエリの最適化

7. エラーハンドリング

   1. 共通エラーの取り扱い

   2. ログの設定とトラブルシューティング

8. まとめ

## 1-2 イントロダクション

Entity Framework Core（EF Core）は、.NET アプリケーションでデータベースアクセスを行うためのオブジェクトリレーショナルマッピング（ORM）ツールです。EF Core を使用することで、アプリケーションコードとデータベースの間を容易に接続でき、データ操作を直感的に行うことができます。本記事では、EF Core のカスタム DbContext の作成方法について具体的な手順を追いながら学んでいきます。

## 2-1 Entity Framework Core の基礎概念

### 2-2 DbContext とは

`DbContext` は、EF Core においてデータベースと通信するための中核となる部分です。アプリケーションとデータベース間のセッションを管理し、データの保存や取得、トランザクションの管理などを行います。

### 2-3 DbSet とエンティティ

`DbSet` はデータベース内のテーブルに対応するオブジェクトの集合を表します。それぞれの `DbSet` は、特定のエンティティタイプに関連しています。エンティティは、データベーステーブルの行に対応する C# オブジェクトです。

## 3-0 カスタム DbContext の作成

では、具体的なコードでカスタム DbContext の作成方法を見ていきましょう。

### 3-1 クラスの作成

まず、`DbContext` を継承したクラスを作成します。

```csharp

using Microsoft.EntityFrameworkCore;

public class CustomDbContext : DbContext

{

    public CustomDbContext(DbContextOptions<CustomDbContext> options) 

        : base(options)

    {

    }

}

```

### 3-2 コンストラクタの定義

`DbContext` を利用するには、必ず `DbContextOptions<TContext>` を受け取るコンストラクタを定義します。

```csharp

public CustomDbContext(DbContextOptions<CustomDbContext> options)

    : base(options)

{

}

```

### 3-3 DbSet の追加

続いて、エンティティに対応する `DbSet` を追加します。

```csharp

public DbSet<Customer> Customers { get; set; }

public DbSet<Order> Orders { get; set; }

```

## 4-1 データベース接続の設定

### 4-2 Connection String の定義

データベースとの接続情報を定義するために、connection string を appsettings.json もしくはコード内に設定します。

```json

{

  "ConnectionStrings": {

    "DefaultConnection": "Server=localhost;Database=MyDatabase;User Id=myusername;Password=mypassword;"

  }

}

```

### 4-3 OnConfiguring メソッドの利用

実際の接続設定は `OnConfiguring` メソッドで行います。

```csharp

protected override void OnConfiguring(DbContextOptionsBuilder optionsBuilder)

{

    if (!optionsBuilder.IsConfigured)

    {

        optionsBuilder.UseSqlServer("Server=localhost;Database=MyDatabase;User Id=myusername;Password=mypassword;");

    }

}

```

## 5-1 カスタムコンテキストの使用

### 5-2 基本的な CRUD 操作

カスタム `DbContext` を使用してデータベースに対する操作を行います。

```csharp

using (var context = new CustomDbContext(options))

{

    // Create

    var newCustomer = new Customer { Name = "Alice" };

    context.Customers.Add(newCustomer);

    context.SaveChanges();

    // Read

    var customer = context.Customers.FirstOrDefault(c => c.Name == "Alice");

    // Update

    customer.Name = "Alice Updated";

    context.SaveChanges();

    // Delete

    context.Customers.Remove(customer);

    context.SaveChanges();

}

```

### 5-3 マイグレーションの実行

コードベースの変更をデータベースに反映するために、マイグレーションを実行します。

```bash

dotnet ef migrations add InitialCreate

dotnet ef database update

```

## 6-1 パフォーマンスの最適化

### 6-2 ラジーローディングとイーガーローディング

ラジーローディングは、関連データを必要な時に遅延して読み込む方式です。一方、イーガーローディングは最初から関連データをすべて取得します。

#### ラジーローディングの例:

```csharp

// Lazy Loading: プロパティを利用するタイミングで読み込む

var order = context.Orders.FirstOrDefault();

var customer = order.Customer;

```

#### イーガーローディングの例:

```csharp

// Eager Loading: Includeを使ってロード

var orders = context.Orders.Include(o => o.Customer).ToList();

```

### 6-3 クエリの最適化

クエリの効率化には、必要なデータだけを取得する形に最適化することが重要です。

```csharp

var result = context.Customers

    .Where(c => c.Orders.Count > 0)

    .Select(c => new { c.Name, OrderCount = c.Orders.Count })

    .ToList();

```

## 7-1 エラーハンドリング

### 7-2 共通エラーの取り扱い

予想されるエラー（例: 一意キー制約違反など）に対するハンドリングを行います。

```csharp

try

{

    context.SaveChanges();

}

catch (DbUpdateException ex)

{

    // Handle exceptions related to database updates here

    Console.WriteLine($"An error occurred: {ex.Message}");

}

```

### 7-3 ログの設定とトラブルシューティング

EF Core のログ設定は、問題解決を容易にします。標準のコンソール出力へログを記録することで、詳細な情報を取得します。

```csharp

optionsBuilder

    .UseSqlServer(connectionString)

    .LogTo(Console.WriteLine, LogLevel.Information);

```

## 8-1 まとめ

この記事では、Entity Framework Core を活用してカスタムの DbContext を作成する方法について所定の手順に沿って紹介しました。DbContext の基本的な構造と使用方法に加え、性能の最適化やエラーハンドリングにも触れました。EF Core のカスタムコンテキストは、アプリケーションのデータアクセス層の構築において強力なツールとなります。実際のプロジェクトでの活用を通じて、より深く理解を深めていただけることでしょう。

Entity Framework Core のカスタムコンテキスト作成方法

1-1 目次

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