## 目次

1. はじめに

2. Cloud Run の概要

3. service-to-service 認証とは

4. 認証が失敗するケース

    1. サービスアカウントの権限不足

    2. 発行済みトークンの無効化

    3. ネットワーク設定の不備

    4. 環境変数の設定ミス

5. IAM を用いた対策

    1. サービスアカウントの正しい権限設定

    2. トークンの管理とリフレッシュ

    3. ネットワークポリシーの構成

    4. 環境変数のセキュアな設定

6. まとめ

## 1. はじめに

Google Cloud Run は、フルマネージドのコンテナオーケストレーションプラットフォームであり、スケーラブルなコンテナアプリケーションのデプロイに最適です。本記事では、Cloud Run における service-to-service 認証の失敗ケースと、それに対応する IAM (Identity and Access Management) を活用した対策について詳しく解説します。

## 2. Cloud Run の概要

Cloud Run は、Docker コンテナを実行するためのサーバーレスプラットフォームとして、HTTP リクエストに基づいて自動的にコンテナを起動し、スケーリングを行います。

## 3. service-to-service 認証とは

Cloud Run では、サービス間の通信を認証するために Google Cloud IAM ベースの認証が用いられます。これは、サービスアカウントを介して OAuth 2.0 トークンを生成・使用するメカニズムです。

## 4. 認証が失敗するケース

### 4-1. サービスアカウントの権限不足

サービス同士が通信する際、適切な権限を持ったサービスアカウントを使用しないと、認証は失敗します。できるだけ最小限の権限を設定し、必要な IAM Role を付与してください。

### 4-2. 発行済みトークンの無効化

OAuth 2.0 トークンは時間と共に失効します。無効なトークンを使用することは認証の失敗に繋がります。トークンの有効期限を確認し、リフレッシュを行うことが重要です。

### 4-3. ネットワーク設定の不備

Cloud Run サービスは、認証トークンやネットワークの設定ミスにより、他のサービスへの接続ができない場合があります。許可された IP アドレスや VPC 接続の確認が必要です。

### 4-4. 環境変数の設定ミス

認証情報や API エンドポイントが正しく設定されていないと、認証に失敗します。環境変数の設定は十分にテストを行い、正しい値を設定してください。

## 5. IAM を用いた対策

### 5-1. サービスアカウントの正しい権限設定

IAM で必要なロールをサービスアカウントに付与することで、認証失敗を防ぎます。例えば、必要最低限の「Cloud Run Admin」や「Cloud Run Invoker」ロールを付与することが推奨されます。

### 5-2. トークンの管理とリフレッシュ

トークンの有効期限を適切に管理し、定期的なリフレッシュを行うために、トークン取得処理を自動化するスクリプトを導入すると良いでしょう。

```python

import google.auth

from google.auth.transport import requests

def refresh_token(credentials):

    auth_req = requests.Request()

    credentials.refresh(auth_req)

    return credentials.token

# 利用例として、サービスアカウントのクレデンシャルを渡すことでリフレッシュが行われます

```

### 5-3. ネットワークポリシーの構成

許可する IP 範囲や VPC 内の通信のみを許可するファイアウォールルールを設定しましょう。特に VPC が混在する構成の場合、適切なサブネット設定も重要です。

### 5-4. 環境変数のセキュアな設定

環境変数に設定する認証情報の正当性を確認し、間違いを防ぐための自動テストやステージング環境での確認が不可欠です。また、Secret Manager などを活用し、センシティブなデータを環境変数に直接設定しないようにしましょう。

## 6. まとめ

Cloud Run の service-to-service 認証が失敗する主な原因として、サービスアカウントの権限不足、無効なトークン、ネットワーク設定ミス、環境変数の不備が挙げられます。これらの問題は、適切な IAM 設定やトークン管理、ネットワークポリシー配置によって解決可能です。これらの知識を活用して、より安全で信頼性の高い Cloud Run 環境を構築してください。

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