# Azure Table Storageの容量制限とスケーラビリティ

## 目次

1. はじめに

2. Azure Table Storageとは

3. 容量制限

    - 3-1. 単一テーブルの容量制限

    - 3-2. アカウントの容量制限

4. スケーラビリティ

    - 4-1. パーティションキーとパフォーマンス

    - 4-2. スループットの向上

    - 4-3. 自動スケーリング機能

5. ベストプラクティスと注意点

    - 5-1. デザインの最適化

    - 5-2. パーティショニング戦略

6. まとめ

## 1. はじめに

クラウドストレージは、現代のデータ管理において重要な役割を果たしています。Microsoft AzureのTable Storageは、スケーラブルで費用対効果の高いノンリレーショナルデータストアを提供します。この記事では、Azure Table Storageの容量制限とスケーラビリティについて詳しく解説します。また、最適なスケーリング方法とデザインパターンについても触れます。

## 2. Azure Table Storageとは

Azure Table Storageは、NoSQLデータサービスで、キー/属性方式でデータを保存します。構造化データの保存に適しており、アプリケーションが大量のデータを必要とする場合や、急速に成長している状況においても効果的です。

## 3. 容量制限

Azure Table Storageには、いくつかの容量制限が設定されています。以下ではその主要な制限事項を見ていきます。

### 3-1. 単一テーブルの容量制限

- **エンティティサイズの制限**: テーブル内の各エンティティは、最大1MBのデータを保持できます。属性値の合計がこのサイズを超えると、一部のデータが失われる可能性があります。

  

- **テーブルのサイズ**: テーブルストレージは、理論上無制限のデータを持つことができますが、実際には複数の要因によって制限されます。

### 3-2. アカウントの容量制限

Azure Storageアカウントは、最大500TBまでのデータを保持可能です。この合計は、Blob、Queue、File、Tableストレージ全体で共有されますので、テーブルストレージのみを使用する場合でも、他のストレージリソースとの合計として注意が必要です。

## 4. スケーラビリティ

Azure Table Storageは、高いスケーラビリティを持ち、用途や負荷の変動に対応するためのさまざまな機能を提供しています。

### 4-1. パーティションキーとパフォーマンス

- **パーティションキーの役割**: テーブルのスケーラビリティとパフォーマンスの鍵を握るのがパーティションキーです。データはパーティションキーによって自動的にパーティション分けされ、それぞれのパーティションが独立したスループットを発揮します。適切にパーティショニングされたデータは、クエリをより効率的に処理します。

- **パーティションのスケールアウト**: パーティションキーをうまく設計し、大規模データを処理する際に分散されたアクセスを促進することが重要です。スループットはパーティション全体で均等に分配され、読み書きのパフォーマンスを最大化できます。

### 4-2. スループットの向上

- **リクエストユニット (RU/s)**: Azure Table Storageでは、スループットの向上においてリクエストユニット (RU/s) が使用されます。テーブルストレージは自動的にリクエストをスケーリングし、パフォーマンスを向上させます。

- **クエリ効率**: インデックス化されたプロパティを使用したクエリの効率化により、リクエストのレイテンシーを低下させ高速化します。

### 4-3. 自動スケーリング機能

Azure Storageは自動スケーリングをサポートしており、バックエンドのインフラが動的に調整されます。これにより、ピーク時間や需給の変化に合わせた調整が可能です。

## 5. ベストプラクティスと注意点

Azure Table Storageを効率的に使用するには、いくつかのベストプラクティスを考慮する必要があります。

### 5-1. デザインの最適化

データモデリングは、スケーラブルで効率的なストレージの基本です。データアクセスパターンに基づいてスキーマを設計し、クエリの最適化を行います。

### 5-2. パーティショニング戦略

大量のデータを効率的に処理するため、適切なパーティショニング戦略が不可欠です。適切なキー設計でパフォーマンスのボトルネックを避け、より効果的なデータ管理を行います。

## 6. まとめ

Azure Table Storageは、効率的でスケーラブルなデータストレージを提供しますが、容量制限とスケーラビリティを理解することが重要です。適切なデータモデリングとパーティショニング戦略で、アプリケーションのパフォーマンスを最大化しながら、ストレージコストを効果的に管理できます。各サービスの特性と使用法に基づいて、設計上の選択を行うことで、より優れたデータソリューションを構築することが可能です。

Azure Table Storageの容量制限とスケーラビリティ

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