# Log AnalyticsでAzure環境の可用性を評価する方法

## 目次

1. はじめに

2. Log Analyticsとは

   - 2-1. 概要

   - 2-2. 主な機能

3. Azure環境における可用性の重要性

   - 3-1. 可用性の定義

   - 3-2. 可用性が影響する要因

4. Log Analyticsを用いた可用性評価の手順

   - 4-1. データ収集の設定

   - 4-2. クエリの作成

   - 4-3. ダッシュボードの作成

5. 可用性評価のKPI

   - 5-1. 稼働率

   - 5-2. 平均修復時間（MTTR）

   - 5-3. インシデントの回数

6. ベストプラクティスと注意点

   - 6-1. モニタリングの自動化

   - 6-2. アラートの設定

   - 6-3. タグ付けと分類

7. まとめ

8. 参考文献

## 1. はじめに

Azureを利用する企業にとって、その環境の可用性はビジネスの成否を左右する重要な要素です。可用性が高ければ、ユーザーに安定したサービスを提供でき、ビジネスへの信頼性も向上します。本記事では、Azure Monitorの一部であるLog Analyticsを用いてAzure環境の可用性を評価する方法を詳しく解説します。

## 2. Log Analyticsとは

### 2-1. 概要

Log Analyticsは、Azure Monitorの中核をなすサービスであり、クラウドやオンプレミスのインフラストラクチャから集められたログデータを分析するためのプラットフォームです。これにより、システムの状態を詳細に把握できます。

### 2-2. 主な機能

- **データ収集と分析**: サーバーやアプリケーションの状態を定期的に記録し、そのデータをもとにトラブルシューティングを実施します。

- **アラートの設定**: 一定のしきい値を超えたときにアラートを発生させ、問題の早期発見と解決を支援します。

- **ダッシュボードのカスタマイズ**: 可視化したデータをもとに、運用状況を一目で把握できるダッシュボードを作成します。

## 3. Azure環境における可用性の重要性

### 3-1. 可用性の定義

可用性とは、システムやアプリケーションが指定された稼働時間中、正常に稼働する能力を指します。高い可用性は、システムの信頼性を示す指標です。

### 3-2. 可用性が影響する要因

- **システム構成**: ハードウェアやソフトウェアの冗長化が、可用性の向上に寄与します。

- **障害対応能力**: 障害が発生した際の対応スピードや復旧力も、可用性に影響を与えます。

## 4. Log Analyticsを用いた可用性評価の手順

### 4-1. データ収集の設定

Log Analyticsを利用する最初のステップは、モニタリングしたいシステムからデータを集めることです。Azure PortalからLog Analyticsワークスペースを作成し、収集対象となるリソースを追加します。具体的には、以下の手順を踏みます。

1. Azure Portalにログインし、「Log Analytics ワークスペース」を検索

2. 「+ 新規」をクリックしワークスペースを作成

3. 対象リソース（VM、Storage Accountなど）を追加

### 4-2. クエリの作成

Log Analyticsでは、Kusto Query Language (KQL) を使用してログデータをクエリできます。クエリを書くことで、具体的なエラーパターンやサーバーの負荷状況を分析できます。例えば、過去24時間のエラーイベントを抽出するクエリは以下の通りです。

```kql

AzureDiagnostics

| where TimeGenerated > ago(1d)

| where Level == "Error"

```

### 4-3. ダッシュボードの作成

ログデータを視覚的に表示するために、ダッシュボードを構築します。これにより、システムの可用性状態やパフォーマンスを、一目で確認できます。

1. Log Analyticsワークスペースから「View Designer」を開く

2. 必要な視覚化を追加し、適したクエリを設定

3. ダッシュボードとして保存し、日常的にモニタリング

## 5. 可用性評価のKPI

可用性を評価するための指標として、以下のKPIを設定します。

### 5-1. 稼働率

稼働率は、システムが正常に稼動している時間を測定する指標で、通常パーセンテージで表されます。目標稼働率はたとえば99.95%などです。

### 5-2. 平均修復時間（MTTR）

MTTRは障害が発生してから復旧までの平均時間を測定するための指標で、直ちに対応が必要な領域を特定するのに役立ちます。

### 5-3. インシデントの回数

一定期間内に発生したシステムインシデントの数を計測し、インフラストラクチャの安定性を評価します。

## 6. ベストプラクティスと注意点

### 6-1. モニタリングの自動化

システムの継続的なモニタリングを自動化することで、人的リソースを省きつつ迅速な問題解決を図れます。

### 6-2. アラートの設定

適切なしきい値を設定したアラートを使用して、重要な問題を即座に検知し、原因解析と修正を迅速に行います。

### 6-3. タグ付けと分類

リソースにタグを付けることで、障害発生時の迅速な原因特定と修復のためのリソース管理が簡便になります。

## 7. まとめ

Log Analyticsを用いることで、Azure環境におけるシステムの可用性を効果的に評価し維持することが可能です。適切なデータ収集、クエリの作成、ダッシュボードの活用により可用性を高め、潜在的な問題を未然に防ぐことができます。また、可用性指標をもとにきめ細やかな管理を行い、ビジネスの信頼性向上に寄与します。

## 8. 参考文献

- Microsoft Docs: Azure Monitor のドキュメント

- ITプロフェッショナルのための Azure セキュリティ管理

- Log Analyticsクエリ公式リファレンス

注: 本記事は一般公開情報をもとに執筆されており、実際の設定や構成については公式サイトの最新情報もあわせてご参照ください。

Log AnalyticsでAzure環境の可用性を評価する方法

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