# AWS Shield で攻撃履歴が過去に遡れないときのログ保存期間設定

## 目次

1. AWS Shieldとは

   - 1-1. 基本概要

   - 1-2. 利用可能な機能

2. ログ保存期間の重要性

   - 2-1. なぜログ保存が必要か

   - 2-2. 適切なログ保存期間の設定

3. AWS Shieldとログ管理

   - 3-1. AWS Shield Advancedの利点

   - 3-2. CloudWatchとの連携

   - 3-3. S3へのログ保存

4. 攻撃履歴に関する課題

   - 4-1. 通常の保存期間の制限

   - 4-2. ログが過去に遡れない理由

5. 適切なログ保存期間の設定方法

   - 5-1. CloudWatch Logsの利用

   - 5-2. ログのライフサイクル管理

   - 5-3. 長期保存のためのS3 Glacierの利用

6. 最適化されたログ管理戦略

   - 6-1. コストとストレージの最適化

   - 6-2. 自動化スクリプトの活用

   - 6-3. 監査とコンプライアンス

7. まとめ

## 1. AWS Shieldとは

### 1-1. 基本概要

AWS Shieldは、Amazon Web Services (AWS) が提供するDDoS（分散型サービス拒否攻撃）からクラウドアプリケーションを防御するサービスです。AWS Shieldは、標準的なプロテクションであるAWS Shield Standardと、より高度なプロテクションを提供するAWS Shield Advancedに分かれます。

### 1-2. 利用可能な機能

AWS Shield Standardは無料で利用でき、DDoS攻撃からの基本的な防御機能を提供します。一方、AWS Shield Advancedは、有料でありながら詳細な監視、攻撃通知、コスト補償、そしてAWS WAFとの統合による高度な防御を可能にします。

## 2. ログ保存期間の重要性

### 2-1. なぜログ保存が必要か

DDoS攻撃は頻繁かつ突発的に行われるため、攻撃パターンの分析や予防策の立案には、過去の攻撃データの分析が不可欠です。このため、ログデータの保存は極めて重要です。

### 2-2. 適切なログ保存期間の設定

適切なログ保存期間を設定することは、攻撃のトレンドを理解し、インシデント対応を迅速に行う上で重要です。一般的には、少なくとも1年間の保存が推奨されますが、業界や組織のポリシーに応じた調整が必要です。

## 3. AWS Shieldとログ管理

### 3-1. AWS Shield Advancedの利点

AWS Shield Advancedでは、攻撃イベントに関する高度な可視化を提供し、Amazon CloudWatchおよびAWS WAFと連携してリアルタイムで監視と分析を可能にします。

### 3-2. CloudWatchとの連携

AWS Shield Advancedは、CloudWatchと連携して攻撃イベントをリアルタイムで監視し、アラームを設定することができます。この連携により、異常なトラフィックパターンを迅速に検出することができます。

### 3-3. S3へのログ保存

ログの長期保存には、Amazon S3を利用することが一般的です。S3はスケーラブルでコスト効率に優れており、大量のデータを安全に保存することができます。

## 4. 攻撃履歴に関する課題

### 4-1. 通常の保存期間の制限

多くの企業では、通常90日から360日間ログを保存する設定がされています。しかし、この期間は攻撃履歴を確認する際に不十分な場合があります。

### 4-2. ログが過去に遡れない理由

システムのデフォルト設定やコスト制約により、長期保存が行われていないケースがあり、必要なログが過去に遡れないことがあります。これに対応するためには、長期保存を考慮した設定が不可欠です。

## 5. 適切なログ保存期間の設定方法

### 5-1. CloudWatch Logsの利用

CloudWatch Logsを利用して、詳細なログデータを保存できます。この機能を利用することで、カスタム設定した期間のログを管理し、必要に応じて延長することが容易になります。

### 5-2. ログのライフサイクル管理

ライフサイクル管理により、ログデータの保存期間を自動化するポリシーを展開できます。Amazon S3では、ライフサイクルルールを設定して、自動的に古いログをアーカイブまたは削除することが可能です。

### 5-3. 長期保存のためのS3 Glacierの利用

頻繁にアクセスしないログをコスト効率良く長期保存するために、Amazon S3 Glacierを利用するのは賢明な選択です。S3 Glacierは長期間データを必要な時まで低コストで保持するために設計されています。

## 6. 最適化されたログ管理戦略

### 6-1. コストとストレージの最適化

AWSの料金モデルを最大限に活用するため、S3のストレージクラスやライフサイクルポリシーを駆使して、費用対効果を最大化します。

### 6-2. 自動化スクリプトの活用

ログ管理作業を効率化するため、AWS CLIやSDKを利用してログの保存や削除を自動化するスクリプトを展開することが推奨されます。

### 6-3. 監査とコンプライアンス

ログ管理は監査やコンプライアンスの要件を満たすためにも重要です。具体的な法令や規制に基づいて、必要なログの保持期間を設定することが求められます。

## まとめ

AWS Shieldを利用する上で、攻撃履歴のログ保存期間を適切に設定することは、安全性の向上と迅速な対応のために重要です。CloudWatchやS3の機能を効果的に利用し、ログ管理の自動化とコスト最適化を推進することで、効果的なセキュリティ対策を講じることができます。攻撃履歴を適切に管理することで、DDoS攻撃からの防御を一層強固にすることが可能となります。

AWS Shield で攻撃履歴が過去に遡れないときのログ保存期間設定

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