# ApigeeでJWT認証を構成する方法

## 目次

1-1. ApigeeとJWTの基本概念  

1-2. JWT認証のメリット  

1-3. JWTの構造  

1-4. Apigeeでの設定ステップ  

1-5. 在庫APIへのJWT認証の実装  

1-5-1. USB証明書の準備  

1-5-2. 接続設定  

1-6. ポリシーとフローの設定  

1-7. 認証情報の確認方法  

1-8. 認証と承認の違い  

1-9. 運用におけるベストプラクティス  

1-10. よくあるトラブルシューティング  

1-11. JWTの脆弱性とその対策  

1-12. まとめ

## 本文

### 1-1. ApigeeとJWTの基本概念

Apigeeは、APIゲートウェイとして、APIの管理、セキュリティ強化、分析を行うための強力なプラットフォームを提供します。一方、JWT（JSON Web Token）は、利用者の認証情報をHTTP上で安全に送信するための標準的な手段です。これをApigeeで実装することにより、安全かつ効率的なAPI認証を実現できます。

### 1-2. JWT認証のメリット

JWT認証の主な利点には、以下のような点があります：

- **セキュリティの向上**: JWTは次セクションで紹介するペイロードに署名されており、改ざんが困難です。

- **パフォーマンスの向上**: 不要なデータベースアクセスを減少させ、認証プロセスを迅速化します。

- **スケーラビリティ**: JWTはステートレスであり、認証データをサーバー側に保存する必要がないため、容易に拡張可能です。

### 1-3. JWTの構造

JWTは3つの部分から構成されています：

1. **Header（ヘッダー）**: アルゴリズムとトークンのタイプを指定

2. **Payload（ペイロード）**: 主にユーザー情報やトークンの有効期限などのクレームを含む

3. **Signature（署名）**: 内容の改ざんを防ぐために生成されたハッシュ値

例えば、以下のような構造になります：

```json

{

  "header": {

    "alg": "HS256",

    "typ": "JWT"

  },

  "payload": {

    "sub": "1234567890",

    "name": "John Doe",

    "admin": true

  },

  "signature": "SflKxwRJSMeKKF2QT4fwpMeJf36POk6yJV_adQssw5c"

}

```

### 1-4. Apigeeでの設定ステップ

1. **APIプロキシを作成**: Apigee管理コンソールで新しいAPIプロキシを作成します。

2. **JWTの非同期化**: JWT認証用のポリシーを追加します。

3. **JWT認証の適用**: 特定のエンドポイントまたはリソースに対してJWT認証を適用します。

### 1-5. 在庫APIへのJWT認証の実装

#### 1-5-1. USB証明書の準備

- USB証明書ツールを使用して、APIの通信に利用する証明書を生成し、Apigeeのキーストアに保存します。

- サーバー認証のための秘密鍵および公開鍵を設定します。

#### 1-5-2. 接続設定

- Apigeeコンソールで、生成した証明書を利用してAPI接続の設定を行います。

### 1-6. ポリシーとフローの設定

1. **デコードJWTポリシー**を追加します。ここでは、送信されるトークンの内容を確認し、署名の検証を行います。

2. **アクセス制御フロー**を設定し、検証に成功したJWTを持つリクエストだけを許可します。

以下のようなポリシーを構成する例です：

```xml

<JSONThreatProtection name="JWT-Validation">

  <Source>request</Source>

  <Variable>request.jwt</Variable>

  <JWKSUri>https://example.com/.well-known/jwks.json</JWKSUri>

  <JWKSRefreshInterval>300000</JWKSRefreshInterval>

  <Algorithms>

    <Algorithm>RS256</Algorithm>

  </Algorithms>

</JSONThreatProtection>

```

### 1-7. 認証情報の確認方法

- ヘッダー情報を確認し、JWTが期待通りの値を持っているかどうかを検証します。

- JWKS（JSON Web Key Set）URIを参照して、トークンの署名が正しいかを確認します。

### 1-8. 認証と承認の違い

- **認証**: 利用者が誰であるかを確認するプロセスです。

- **承認**: 利用者にどの機能へのアクセスが許可されているかを確認します。

### 1-9. 運用におけるベストプラクティス

- **定期的なキーのローテーション**: 定期的に公開鍵と秘密鍵をローテーションし、セキュリティを維持します。

- **短時間のトークンライフ**: トークンの有効期限を短く設定し、セッションの乗っ取りリスクを軽減します。

- **ログ監視**: すべてのトークン発行と検証ログを監視し、不審な行動を追跡します。

### 1-10. よくあるトラブルシューティング

- **トークンの不一致**: JWTが無効となったとき、秘密鍵の一致を確認しておきます。

- **エンドポイントの未設定**: JWTポリシーが使用するリソースパスが正確に設定されているかチェック。

### 1-11. JWTの脆弱性とその対策

- **非署名JWTの利用**: アルゴリズムを`none`に設定する攻撃を防ぐため、Algが明示的に設定されていることを確認します。

- **再利用トークン攻撃**: 一度使用したトークンは再利用できないよう設計します。

### 1-12. まとめ

ApigeeでのJWT認証の構成は、強力でありながら柔軟なセキュリティをAPIへ付与します。今回紹介した各ステップを通じて、高いセキュリティ基準を維持しながら効率的な認証プロセスを構築できます。ApigeeにおけるJWT活用は、セキュリティ強化、ユーザー体験の向上、ビジネスニーズへの迅速な対応に貢献する有効な手段です。

ApigeeでJWT認証を構成する方法

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