Vue 3のComposition APIでコードの再利用性を高める

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2024年12月12日 14:46

はじめに

Vue.jsは、JavaScriptによるフロントエンド開発を行うための人気の高いフレームワークです。その中でも、Vue 3では新しいAPIであるComposition APIが導入されました。このComposition APIは、従来のOptions APIよりも柔軟で、コードの再利用性を高めることができます。本記事では、Vue 3のComposition APIを使ってコードの再利用性を高める方法について解説します。

コードの再利用性を高めるためのComposition APIの概要

Composition APIは、Vue 3で導入された新しいAPIです。これまでのVueでは、コンポーネントの構成オプションをオブジェクトとして定義するOptions APIが使われていました。しかし、Options APIでは、複数の機能を持つコンポーネントを作るときに、コードが長くなりやすく、再利用性が低いという問題がありました。

そこで、Vue 3ではComposition APIが導入されました。Composition APIでは、コンポーネントの機能ごとにロジックを分割し、それぞれのロジックを関数として定義することで、コードの再利用性を高めることができます。また、Options APIよりも柔軟にコードを記述することができるため、よりシンプルで読みやすいコードを書くことができます。

Composition APIの基本的な使い方

まずは、Composition APIの基本的な使い方について解説します。Composition APIを使うには、setup()という関数を使用します。このsetup()関数の中で、ref()computed()といったComposition APIで提供される関数を使って、データや計算プロパティを定義します。

例えば、以下のコードは、countというデータを定義し、increment()という関数を使ってcountをインクリメントするコンポーネントをComposition APIを使って実装したものです。

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このように、setup()関数の中で定義したデータや関数は、returnでオブジェクトとして返すことで、コンポーネントの外からもアクセスすることができます。また、Composition APIでは、reactive()という関数を使って、オブジェクトをリアクティブにすることができます。

ミックスインを使ったコードの再利用

Composition APIでは、ミックスインを使うことで、コードの再利用性を高めることができます。ミックスインとは、複数のコンポーネントで共通のロジックをまとめるための機能です。Options APIでは、mixinsオプションを使ってミックスインを登録することができましたが、Composition APIでは、composablesという新しいオプションが導入されています。

composablesオプションでは、composablesという名前のディレクトリを作成し、そこに再利用したいコードを関数としてまとめることで、ミックスインのような効果を得ることができます。例えば、以下のように、composablesディレクトリ内にuseCounter()という関数を定義し、setup()関数の中で呼び出すと、その関数内で定義したデータや関数を利用することができます。

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このように、useCounter()という関数を複数のコンポーネントから呼び出すことで、共通のロジックを再利用することができます。

プラグインを使ったコードの再利用

Composition APIでは、プラグインを使うことで、さらにコードの再利用性を高めることができます。プラグインとは、Vue 3のプラグインシステムを使って作成された再利用可能なコードのことです。プラグインを使うことで、コンポーネント内で共通のロジックを再利用するだけでなく、プロジェクト全体で共通のロジックを再利用することもできます。

例えば、以下のように、useAuth()という名前のプラグインを作成し、setup()関数の中で呼び出すことで、認証機能を持つコンポーネント間で共通のロジックを再利用することができます。

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このように、プラグインを使うことで、コンポーネントの外からでもグローバルなオブジェクトや関数を呼び出すことができます。

Options APIとの比較

ここまで、Composition APIの基本的な使い方やコードの再利用方法について解説してきました。しかし、Composition APIを使わずに従来のOptions APIでコードを書くこともできます。そこで、ここからはComposition APIとOptions APIを比較しながら、どのようなメリットがあるのかについて解説します。

コードの長さの比較

まずは、コードの長さを比較してみましょう。Composition APIでは、ロジックを分割することができるため、コードが長くなりにくく、再利用性が高いというメリットがあります。一方、Options APIでは、全てのロジックをオブジェクト内にまとめるため、コードが長くなりやすく、再利用性が低いというデメリットがあります。

例えば、カウンターを実装する場合を比較してみましょう。Composition APIでは、以下のようにコードを書くことができます。

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一方、Options APIでは、以下のように書くことになります。

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このように、同じ機能を実装した場合でも、Composition APIの方がコードが短く、読みやすいコードを書くことができます。

リアクティブなデータの比較

次に、リアクティブなデータの扱い方を比較してみましょう。Composition APIでは、ref()reactive()といった関数を使って、オブジェクトをリアクティブにすることができます。一方、Options APIでは、dataオプション内に定義したデータはリアクティブになりますが、それ以外のデータはリアクティブになりません。

例えば、カウンターの例を比較してみましょう。Composition APIでは、count.valueというように、プロパティに.valueを付けることで、リアクティブなデータを扱うことができます。一方、Options APIでは、countというプロパティを直接扱うことができますが、オブジェクト内のプロパティはリアクティブになりません。

補完機能の比較

最後に、補完機能の比較をしてみましょう。Composition APIでは、setup()関数内で定義したデータや関数は、returnで返すことで、コンポーネントの外からもアクセスすることができます。そのため、補完機能がより正確に機能します。一方、Options APIでは、オブジェクト内に全てのロジックをまとめるため、補完機能がうまく機能しない場合があります。

例えば、カウンターの例で、thisを使う場合を比較してみましょう。Composition APIでは、以下のように補完機能がうまく機能します。

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一方、Options APIでは、以下のようにthisを使うと、補完機能がうまく機能しない場合があります。

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このように、Composition APIの方がより正確な補完機能を提供してくれるため、コードを書く際に便利です。

まとめ

Vue 3のComposition APIを使うことで、コードの再利用性を高めることができます。setup()関数を使ってコンポーネントの機能ごとにロジックを分割し、ref()computed()を使ってデータや計算プロパティを定義することで、コードの再利用性を高めることができます。また、ミックスインやプラグインを使うことで、さらにコードの再利用性を高めることができます。さらに、Composition APIを使うことで、コードの長さが短くなり、リアクティブなデータの扱いや補完機能の向上など、さまざまなメリットがあります。ぜひ、Vue 3のComposition APIを使って、よりシンプルで再利用性の高いコードを書いてみてください。

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