# QuarkusとKeycloakを用いた認証統合

## 目次

1. 概要

2. Quarkusとは

3. Keycloakとは

4. QuarkusとKeycloakの連携

   1. インストールとセットアップ

   2. アプリケーションプロパティの設定

   3. Keycloakでのクライアント設定

5. 実装手順

   1. セキュリティ構成

   2. エンドポイントの保護

6. 認証フローの理解

7. パフォーマンスと課題

8. まとめ

## 1. 概要

QuarkusとKeycloakを組み合わせることで、エンタープライズ規模のJavaアプリケーションにおけるセキュアな認証と承認を効率的に実現可能です。本記事では、QuarkusとKeycloakの基本概念を紹介し、その統合方法と共に、実装手順を詳しく解説します。

## 2. Quarkusとは

Quarkusは、コンテナ化されたクラウド環境で特に効果を発揮する、Java向けの最新開発フレームワークです。GraalVMネイティブ画像生成をサポートしており、極めて短い起動時間と低いメモリフットプリントを実現します。

## 3. Keycloakとは

Keycloakは、シングルサインオン（SSO）およびIdentity and Access Management（IAM）を簡単に導入できるオープンソースのIdentity Provider（IdP）です。OAuth2.0、OpenID Connect（OIDC）、SAMLを使用した介認証をサポートしており、カスタマイゼーションと拡張性に優れています。

## 4. QuarkusとKeycloakの連携

### 4-1. インストールとセットアップ

#### Quarkusのインストール

Quarkusをプロジェクトに導入するには、MavenまたはGradleを使用します。以下は、Mavenを利用したセットアップの例です。

```shell

mvn io.quarkus:quarkus-maven-plugin:2.13.3.Final:create \

    -DprojectGroupId=com.example \

    -DprojectArtifactId=my-app \

    -DclassName="com.example.GreetingResource" \

    -Dpath="/hello"

```

#### Keycloakのインストール

KeycloakはDockerを利用して起動できます。以下のコマンドでKeycloakをスタートします。

```shell

docker run -p 8080:8080 -e KEYCLOAK_USER=admin -e KEYCLOAK_PASSWORD=admin jboss/keycloak

```

### 4-2. アプリケーションプロパティの設定

Quarkusの設定ファイルでKeycloakとの接続情報とセキュリティ構成を定義します。`application.properties`に次のように設定します。

```properties

quarkus.oidc.auth-server-url=http://localhost:8080/auth/realms/quarkus

quarkus.oidc.client-id=my-quarkus-app

quarkus.oidc.credentials.secret=my-secret

quarkus.http.auth.permission.permit1.paths=/*

quarkus.http.auth.permission.permit1.policy=authenticated

```

ここで、`auth-server-url`はKeycloakの実行URLを指します。

### 4-3. Keycloakでのクライアント設定

Keycloak管理コンソールにアクセスし、新しいクライアントを以下の設定で追加します。

- クライアントID: `my-quarkus-app`

- クライアントプロトコル: `openid-connect`

- ディレクトリアクセス型: `confidential`

## 5. 実装手順

### 5-1. セキュリティ構成

Quarkusでセキュリティを実装するため、OIDC依存関係を追加します。

```xml

<dependency>

    <groupId>io.quarkus</groupId>

    <artifactId>quarkus-oidc</artifactId>

</dependency>

```

### 5-2. エンドポイントの保護

リソースクラスにアノテーションを付けてエンドポイントを保護します。

```java

import javax.annotation.security.RolesAllowed;

import javax.ws.rs.GET;

import javax.ws.rs.Path;

import javax.ws.rs.core.Response;

@Path("/secured")

public class SecureResource {

    @GET

    @RolesAllowed("user")

    public Response hello() {

        return Response.ok("Hello, secured world!").build();

    }

}

```

Keycloakのロール設定に基づき、特定のロールを持つユーザーのみがアクセス可能です。

## 6. 認証フローの理解

QuarkusとKeycloakの統合は、OIDCを介した認証フローに基づいています。以下の流れで認証が行われます。

1. ユーザーが保護されたリソースにアクセスしようとすると、QuarkusはKeycloakにリダイレクトします。

2. Keycloakでの認証後、認可コードがQuarkusにリダイレクトされ、トークンエンドポイント経由でアクセストークンを取得します。

3. 取得したアクセストークンをもとに、ユーザーは保護リソースにアクセス可能です。

## 7. パフォーマンスと課題

Quarkusはネイティブ実行による高速な起動時間とメモリ効率を提供する一方で、ネイティブイメージのビルド時間が高まる点に留意が必要です。また、Keycloakのスケーラビリティを維持するためには、Clusteringや分散キャッシュの適用が有効です。

## 8. まとめ

QuarkusとKeycloakの連携は、セキュアでスケーラブルな認証を統合的に提供する優れた選択肢です。今回紹介した手順を参考に、セキュリティ要件に応じたカスタマイズと運用を進めることで、より安定したエンタープライズシステム構築が可能です。

QuarkusとKeycloakを用いた認証統合

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