# C#におけるHttpClientFactoryの使い方

## 目次

1. はじめに

2. HttpClientFactoryとは？

3. HttpClientFactoryの利点

   1. リソース管理の効率化

   2. 再試行ロジックとポリシーのサポート

   3. DNSの更新処理

4. HttpClientFactoryの基本的な使い方

   1. .NET Coreプロジェクトの準備

   2. 依存性注入（DI）の設定

5. 名前付きクライアントと型付きクライアント

   1. 名前付きクライアント

   2. 型付きクライアント

6. ポリシーを使用したHttpClientの拡張

   1. ポリシーの設定

   2. Pollyを用いた再試行とフォールバック

7. HttpClientHandlerのカスタマイズ

8. セキュリティ考慮点

9. まとめ

## 1. はじめに

HttpClientFactoryは、.NET CoreにおけるHTTP要求の管理と最適化をより簡単かつ効率的に行うための最新の推奨手法です。このトピックでは、その基本的な使い方から高度な設定まで順を追って解説します。

## 2. HttpClientFactoryとは？

HttpClientFactoryは.NET Core 2.1以降で導入された仕組みで、HTTP接続の管理をシンプルかつ効率的に行うことができるライブラリサポートです。

## 3. HttpClientFactoryの利点

### 3-1. リソース管理の効率化

HttpClientの使い回しによるリソース節約を行い、特に接続プールの再利用による効率的なリソース管理を実現します。

### 3-2. 再試行ロジックとポリシーのサポート

内蔵の再試行ロジックやタイムアウト設定のカスタマイズが可能です。これにより、要求の信頼性が向上します。

### 3-3. DNSの更新処理

長期間使用していると、DNS設定が古くなることがありますが、HttpClientFactoryはこの問題を緩和します。

## 4. HttpClientFactoryの基本的な使い方

### 4-1. .NET Coreプロジェクトの準備

まずは.NET Coreプロジェクトを作成し、必要なパッケージをインストールします。

```bash

dotnet new webapi -n HttpClientSample

cd HttpClientSample

```

### 4-2. 依存性注入（DI）の設定

HttpClientFactoryはDIコンテナを介して使用されます。`Startup.cs`で次のように設定します。

```csharp

public void ConfigureServices(IServiceCollection services)

{

    services.AddHttpClient();

}

```

## 5. 名前付きクライアントと型付きクライアント

### 5-1. 名前付きクライアント

特定の設定を持つHttpClientインスタンスを登録し、名前を用いて取得できます。

```csharp

services.AddHttpClient("GitHub", client =>

{

    client.BaseAddress = new Uri("https://api.github.com/");

    client.DefaultRequestHeaders.UserAgent.TryParseAdd("request");// Set a user-agent

});

```

### 5-2. 型付きクライアント

特定の機能を持たせたクライアントを型として定義し注入します。

```csharp

public class GitHubService

{

    private readonly HttpClient _client;

    public GitHubService(HttpClient client)

    {

        _client = client;

    }

    public async Task<string> GetAspDotNetDocs()

    {

        return await _client.GetStringAsync("/repos/dotnet/AspNetCore.Docs");

    }

}

```

```csharp

services.AddHttpClient<GitHubService>();

```

## 6. ポリシーを使用したHttpClientの拡張

### 6-1. ポリシーの設定

Pollyライブラリを利用して、HttpClientのポリシーの拡張が可能です。

```csharp

services.AddHttpClient("PolicyClient")

        .AddTransientHttpErrorPolicy(p => p.RetryAsync(3))

        .AddTransientHttpErrorPolicy(p => p.CircuitBreakerAsync(5, TimeSpan.FromSeconds(30)));

```

### 6-2. Pollyを用いた再試行とフォールバック

HTTP通信の失敗回数やリトライ間隔を設定することができます。

## 7. HttpClientHandlerのカスタマイズ

優れた制御を加えるため、`HttpClientHandler`を使用して、カスタムハンドリングやキャッシュの有効化などを行います。

```csharp

services.AddHttpClient("CustomHandler")

    .ConfigurePrimaryHttpMessageHandler(() =>

    {

        return new HttpClientHandler

        {

            AllowAutoRedirect = false,

            UseCookies = false

        };

    });

```

## 8. セキュリティ考慮点

セキュリティで考慮する点は、APIキーや認証情報の保管方法、HTTPSの利用などです。また、機密情報をログ出力に含めないよう注意します。

## 9. まとめ

HttpClientFactoryは、性能や効率面での改善をもたらすため、.NET Core開発で非常に役立つライブラリです。特に、再試行ポリシーや接続プール管理を自動的に行うため、HTTPリクエストを頻繁に送信するアプリケーションでの導入をお勧めします。これにより、開発者はより少ない労力でHTTP通信を安全かつ効果的に実装できます。

C#におけるHttpClientFactoryの使い方

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