ソフトウェアエンジニアにおすすめの資格10選!資格を取得するメリットについても解説
2024年03月05日 10:16
これからソフトウェアエンジニアになろうと考えている人の中には「まずは資格を取得してみよう」と思っている方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、ソフトウェアエンジニアとして働く上では、特定の資格取得というのは必須ではありません。資格を取得していなかったとしても、ソフトウェアエンジニアとして活躍している人は多いです。
もっとも、関連の資格を取得することによって、給料アップや就職や転職の場面で役に立つのも事実です。そこで今回の記事では、ソフトウェアエンジニアにおすすめの資格や資格を取るメリット、市場価値の高いソフトウェアエンジニアになるための方法について詳しく解説していきます。
そもそもソフトウェアエンジニアとは、ソフトウェアの設計や開発、プログラミング作業など、ソフトウェアに関する様々な分野に関係しているエンジニアのことです。ソフトウェアエンジニアは、ユーザーから要望を受けてソフトウェアの要件を定義、それに従って設計・開発・保守・運用するのが主な仕事となります。
ただし、一言でソフトウェアと言っても様々な種類のものがあるので注意が必要です。例えば、スマートフォンで日常的に利用するアプリケーションやパソコンにインストールするソフトなども、ソフトウェアエンジニアが扱う対象となります。
結論から言うと、ソフトウェアエンジニアになるためには資格は必要ありません。一般的に資格が必要な医者や弁護士などのように、ソフトウェアエンジニアの業務を行うために資格を持っていることが法律で義務付けられているというわけではないからです。
実際にソフトウェアエンジニアとして働いている人の中には、資格を取得することなく活躍している人も数多く存在しています。ただし、資格を取得することが無駄になるというわけではないので注意が必要です。
資格を取得することで自分のスキルが磨かれたり、会社の資格手当制度によって給料アップが見込めたりなど、様々なメリットがあります。
ソフトウェアエンジニアが資格を取得する場合、次の4つのメリットがあります。
【資格を取得する4つのメリット】
1.就職や転職活動でのアピールに役立つ
2.資格取得のための勉強でスキルが磨かれる
3.資格を取得することで年収がアップする場合もある
4.取引先に対して安心感を与えられる
それぞれのメリットについて以下で詳しく解説していきます。
ソフトウェアエンジニアに関連した資格を取得した場合、就職や転職活動でのアピールに役立ちます。資格は自分のスキルが一定の水準にあるという客観的な証明になるので、難易度が高いものを取得していれば取得しているほど、就職や転職活動の際にアピールとして活用することが可能です。
また、未経験からシステムエンジニアへと転職する場合、選考過程ではこれまでの経験やスキルといった点よりも、システムエンジニアという仕事に対しての熱意ややる気などが評価基準になります。
そのため、システムエンジニアになるためにこれまでどのような行動をしてきたかというのを表す上で、資格はもっとも効果的なアピールポイントとして活用することが可能です。企業側にも「独学で専門的な資格を取得できたのであれば実務に関しても熱意を持って学ぶ姿勢を見せてくれるだろう」と判断してもらいやすいので、転職活動をスムーズに進めることができるでしょう。
資格取得のための勉強をすることで、自分のスキルを磨くことができるのもメリットです。ソフトウェアエンジニアとして働いていたという人でも、改めて資格の勉強をすることによって、知識を網羅的かつ背景的に取得することができます。
特に、システムエンジニアは様々な業務を行わなければならないので、資格取得を通じて得た知見やスキルは実務において役に立つことも多いです。
企業によっては、特定の資格を保有していると手当がもらえる場合もあります。そのため、年収アップを狙っている人は資格を取得するというのも選択肢の一つです。
また、企業によっては資格取得を推奨しており、試験に必要な費用やセミナーなどの受講費用を支援してくれるところも。こういった制度を積極的に活用することで、年収アップだけではなく自分自身のスキルを磨くこともできます。
資格を取得しているということは、一定のスキルや知識があるというのを客観的に証明できるということです。あまりエンジニア関連の知識がない取引先によっては、資格を取得しているというだけで安心感を与えられる場合もあります。
取引先に対して安心感を与えられることに成功すれば、その後の業務やコミュニケーションについてもスムーズに行うことが可能です。日常的な仕事を有利に進められるという意味でも、ソフトウェアエンジニアが資格を取得することはメリットがあると言えるでしょう。
ソフトウェアエンジニア向けの資格は、大きく分けて次の3つの種類があります。
1.国家資格
2.ベンダー資格
3.民間資格
それぞれの違いや特徴について以下で詳しく解説していきます。
ソフトウェアエンジニア向けの国家資格は、経済産業省が管轄しているIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催している資格です。
国家資格は認知度が高く能力の客観的な証明にもつながりやすいので、エンジニアの中でも取得する人が多い種類と言えるでしょう。また、有効期限が設けられておらず受験料も他のものと比較すると安めというメリットもあります。
【代表的な国家資格】
ベンダー資格とは、ハードウェアやソフトウェアなどの製品を提供しているベンダー企業が認定している資格です。ベンダー資格は、ベンダーが提供している製品の仕様に関する知識やスキルなどが問われます。
ただし、国家資格とは異なり製品を提供しているベンダーの技術に依存する形となってしまうので、別のベンダーの製品を使っている開発現場では役に立たないケースもあるので注意が必要です。
【代表的なベンダー資格】
民間資格は、民間でありながら特定のベンダーが特に認可しているわけではない近くのことです。そのため、試験内容は特定のOSやソフトウェアに特化したものではありません。
特定の製品に依存することがないので、ベンダー資格と比べると汎用性が高い資格と言えます。逆に言うと、ベンダー資格の方が特定の製品に特化したスキルが身につけられるとも言えるでしょう。
ソフトウェアエンジニアとして働く上で役に立ったり、就職や転職時に有効活用できたりする資格は数多く存在します。その中でも、汎用性が高く特に役立つ資格をご紹介します。
ITパスポートとは、国家試験である情報処理技術者試験のうちの1つです。試験では、ITに関係する基礎的な知識を網羅的に取得できているかが問われます。
IT系の国家試験では入門レベルに相当するもので、ソフトウェアエンジニアとして働いている人だけではなく、幅広い職種の社会人や学生が受験している人気の資格です。ITパスポートを取得することで、ITに関する基礎的な知識があることを客観的に証明できます。
また仕事をする上で最低限必要な知識も身につけることができるので、まずはIT関連の必要な知識を身につけたいという人におすすめの資格です。
なお、ITパスポート試験の合格率は平均すると毎年50%前後で、2人に1人の割合で合格しています。数多くある国家試験の中では高い合格率であり、難易度はそこまで難しくないと言えるでしょう。最年少の合格者は7歳の小学1年生で、合格者の平均年齢は約29.6歳と発表されています。
参考:iパスとは
基本情報技術者試験とは、IT業界で働く上で必要な基本的な知識や技能が問われる「経済産業省認定」の国家資格です。基本情報技術者試験の学習を通して、日本で求められるデジタル人材に必要な知識や技能はおおよそ身につけることができます。
そのため、基本情報技術者試験は「デジタル人材の登竜門」とも言われている資格です。2023年からは通年形式で試験が行われており、好きなタイミングで試験を受けられるのも基本情報技術者試験を取得する上でのメリットと言えます。
経済産業省の発表によると、基本情報技術者試験の合格率は25.4%です。毎年約10万人前後の受験者がおり、約4人に1人の2.5万人が合格している計算となります。ただし、近年では合格率が40%近くに伸びており、他の国家資格と比べても難易度は低いと言えるでしょう。
参考:基本情報技術者試験|IPA独立行政法人情報処理推進機構
応用情報技術者試験とは、経済産業省が管轄しているIPA(情報処理推進機構)によって実施されている国家試験です。IPAによると、応用情報技術者試験の対象となる人は「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能を持ち、高度IT人材としての方向性を確立した者」です。
一見すると難しそうに見える試験ですが、過去の合格率は平均約22%前後となっています。これは、受験者の5人に1人が合格している計算です。簡単な難易度の試験とは言えませんが、他の難易度の高い国家資格と比べると挑戦しやすい資格と言えるでしょう。
参考:応用情報技術者試験|IPA独立行政法人情報処理推進機構
情報処理安全確保支援士試験とは、年々増加するサイバー攻撃に備えるために、情報セキュリティを担う人材を養成するために創設された資格です。情報関連の資格では唯一の「士業」であり、他の資格と比べると試験で問われる内容は非常に難しくなっているのが特徴です。
応用情報技術者試験に合格した人、または合格レベルにある人の受験を想定した内容になっており、情報関連の試験を初めて受験する人にとってはかなり難易度が高いと言えるでしょう。
また、試験内容は一部が記述式となっているのも、他の試験と比べて難易度が高くなっている理由の一つです。合格率は毎年約20%前後を推移していますが、受験者層のレベルも高いため合格するためにはかなりの勉強量が必要となります。
データベーススペシャリスト試験とは、IPAが実施している国家試験の一つです。IPAが実施している情報処理技術者試験の中では最難関とも言われており、取得するのが難しい分、IT業界の中でも信頼度や認知度が非常に高い資格となっています。
直近5回分の合格率は約15%前後となっており、受験者数が約1万人前後であるのに対して合格者数は約1200人前後です。合格者平均年齢も30代前半となっており、現場での豊富な実務経験や知識、資格取得のための学習がなければ容易には突破できない試験であることが読み取れます。
参考:データベーススペシャリスト試験|試験情報|IPA独立行政...
ITストラテジスト試験は、IPAが実施している国家試験の一つです。情報処理技術者試験の中でも最難関の資格と言われており、試験では情報処理に関する知識や技能が問われます。
合格率は平均すると約15%前後となっており、受験者数が約4500人前後であるのに対して合格者数は600人から700人程度です。一般的に難しいと言われている司法試験の合格率が約30%前後、公認会計士試験の合格率が約10%前後であることを踏まえると、ITストラテジスト試験は難関資格と言えるでしょう。
参考:ITストラテジスト試験|IPA独立行政法人情報処理推進機構
システムアーキテクト試験とは、IPAが実施している国家試験の一つです。そもそもシステムアーキテクトとは、クライアントやコンサルタントが描いているビジネスモデルを実現させるために、どのようなシステムを構成していくか考える役割を担っている職種です。
具体的には、エンジニアが設計するためのルール作りや、システムの基本設計を考えるところから担当します。そのため、全体を見通したシステム設計する高度なスキルが必要不可欠です。
システムアーキテクト試験の合格率は、平均で約15%前後となっており、他の国家試験と比べても難易度の高い試験と言えるでしょう。
参考:システムアーキテクト試験|IPA独立行政法人情報処理推進機構
プロジェクトマネージャー試験とは、IPAが実施している国家試験の一つです。応用情報技術者試験の上位に位置付けられており、試験内容も難しく設定されています。
プロジェクトマネージャー試験の対象者は「システム開発のプロジェクト責任者として予算や納期、品質などの管理を行う人」です。そのため、責任者としてプロジェクトを成功させるとともに、プロジェクトメンバーを成長させたいを考えている人に最適の試験と言えます。
プロジェクトマネージャー試験の合格率は、平均で約14%前後となっており、他の国家試験と比べても難易度の高い試験と言えるでしょう。
参考:プロジェクトマネージャ試験|試験情報|IPA独立行政法人...
オラクルマスターとは「OracleDatabase」に関する技術を認定するベンダー資格です。試験では、主にデータベースの管理や運用、SQLに関連する問題が出題されます。
オラクルマスターは、2003年に世界共通の資格基準となり、日本だけではなく海外のすべての国や地域で評価される資格となりました。そのため、将来的に日本だけではなく海外で活躍できるエンジニアになりたいという人におすすめの資格と言えるでしょう。
オラクルマスターの試験に合格することで、専門の知識が身についたり、世界でトップシェアのデータベースを高いレベルで扱えるようになったりします。
シスコ技術者認定とは、Ciscoシステムズ社が認定するネットワークのスキルを証明する資格の総称です。Cisco技術者認定資格には認定レベルと認定分野があります。
認定レベルによって難易度が変わり、ネットワーク技術の入門レベル(=エントリー)から、世界的にも高く評価される上級レベル(=エキスパート)まで幅広く設定されています。
資格は5つのレベルに区分されており、「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」「アーキテクト」の順番で難易度が上がるのが特徴です。
ここまで紹介してきたソフトウェアエンジニアに有益な資格を取得するためには「独学」もしくは「スクールに通う」方法が考えられます。
近くの勉強に費やす時間があまりなく、隙間時間しか勉強できないという人は独学で勉強するケースが多いです。一方でスクールを利用する場合、単純に資格に合格するための知識だけではなく、現場で役に立つ知識を学ぶことができます。
また、現場で知識を活かす方法や実践に必要な力も身につけることができるので、時間とお金に余裕がある人はスクールに通うのもおすすめです。
経済産業省が公開している「DX白書2023」では、毎年のように需要が高まっているIT人材について次のような言及がされていました。
これは何を意味しているかというと、人材が足りていないにもかかわらず、中途採用の現場で「企業の求めるニーズにあったレベルの人材がいないから採用できない」問題が起きているということです。
これまでは一定のスキルさえ持っていれば、ソフトウェアエンジニアとして活躍することができました。しかし、人材は足りないもののプログラミングスキルを持っている技術者自体は増えているので、今後求められるスキルはより高度になっていく可能性が高いです。
そのため、人材不足に陥っている日本の中で活躍するためには、これまでよりも高度なスキルを持ったエンジニアになる必要があると言えるでしょう。
具体的にどのようなスキルが必要なのかについては、次章以降で詳しく解説します。
資格を取得するだけでは、実際に現場で活躍できるソフトウェアエンジニアにはなれません。資格以外にも、次の4つのスキルを身につけることがソフトウェアエンジニアとして活躍するためには重要です。
1.コミュニケーションスキル
2.論理的思考力
3.問題解決能力
4.マネジメントスキル
それぞれのスキルについて以下で詳しく解説していきます
技術者的な側面が強いソフトウェアエンジニアですが、実はクライアントとのコミュニケーションが多い仕事でもあります。特にソフトウェアエンジニアの場合、何度もクライアントとやり取りを重ねて、システムの要件定義や設計を行わなければいけません。
また、基本的にソフトウェアエンジニアは、複数名でプロジェクトに取り組むことになります。そのため、チーム間でスムーズに業務をこなせるようにコミュニケーションを取らなければいけません。
このように、コミュニケーションスキルはソフトウェアエンジニアとして活躍するためには必要不可欠のスキルなのです。
ソフトウェアエンジニアは、次のような理由から論理的思考力が必要だと言われています。
論理的思考力はソフトウェアエンジニアだけではなく、エンジニアという職種全般で必要なものです。論理的に物事を考えられない場合、業務を進める上で多くの問題やトラブルを招いてしまう可能性があります。
ソフトウェアエンジニアとして特定のソフトウェアを構築する場合、クライアントは必ず何らかの問題や課題を解決したいという思いを抱えています。ソフトウェアエンジニアは、ソフトウェアの要件定義から参加するケースが多いので、常にどのようにクライアントの抱える問題を解決すればいいのかという問題に直面しなければいけません。
このような問題をスムーズに解決するためには、豊富な知識や技術に基づいた問題解決能力はもちろんのこと、クライアントの抱えている問題の本質を見極める力や解決に導く提案力なども必要です。
これは資格を取得したからといって身につくものではなく、ソフトウェアエンジニアとして日々業務をこなしながらスキルを磨いていく必要があります。
システム開発の規模やプロジェクトによって異なりますが、ソフトウェアエンジニアはプログラマーをまとめてマネジメントをする必要があります。時には担当者のスキルや経験に応じて、適切な仕事を割り振らなければいけません。
そのため、現場を統括する立場としてマネジメントスキルも要求されます。
今回は、ソフトウェアエンジニアにおすすめの資格や資格を取得するメリット、資格以外に重要なスキルについて詳しく解説してきました。ソフトウェアエンジニアとして働く上では、今回紹介してきた資格を取得する必要はありません。
しかし、資格を取得することで客観的に自分のスキルや経験を証明できたり、企業によっては収入アップに繋がったりします。また、資格を取得するための勉強を通じて、改めてソフトウェアエンジニアに関して網羅的に学び直すことが可能です。
そのため、これからソフトウェアエンジニアに関連する資格の取得を検討している場合は、まずは自分自身の得意分野や自身の担当領域、将来のキャリアプランなどを念頭において、どの資格を取得するのが良いのか見極める必要があります。
ソフトウェアエンジニアとしてのスキルアップや将来のことを考えて、今回紹介した資格のいずれかの取得を検討してみてはいかがでしょうか?
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