# PostgreSQLでの非同期レプリケーションと同期レプリケーションの違い

## 目次
1. はじめに
   - 1-1. 背景
   - 1-2. 非同期レプリケーションと同期レプリケーションの概要
2. 非同期レプリケーションの詳細
   - 2-1. メカニズムと動作
   - 2-2. スピードとパフォーマンス
   - 2-3. 課題と利点
3. 同期レプリケーションの詳細
   - 3-1. メカニズムと動作
   - 3-2. データの整合性と信頼性
   - 3-3. 課題と利点
4. 非同期と同期レプリケーションの比較
   - 4-1. パフォーマンスの比較
   - 4-2. データ整合性の比較
   - 4-3. 適切な使用ケース
5. PostgreSQLにおけるレプリケーションの設定
   - 5-1. 非同期レプリケーションの設定手順
   - 5-2. 同期レプリケーションの設定手順
6. まとめ

## 1. はじめに

### 1-1. 背景
PostgreSQLは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム（RDBMS）であり、その信頼性と機能の豊富さから、エンタープライズ環境で広く使用されています。データの可用性と信頼性を高めるために、レプリケーションは不可欠な手段です。レプリケーションには、高速でパフォーマンスの高い非同期レプリケーションと、データ整合性を重視する同期レプリケーションの2つの主要なタイプがあります。

### 1-2. 非同期レプリケーションと同期レプリケーションの概要
- **非同期レプリケーション**は、プライマリサーバでのトランザクションのコミット後、レプリカにデータが転送されます。この方式では、レプリカがプライマリを追随する一定のラグが存在することがありますが、全体的なパフォーマンスの向上が期待できます。
- **同期レプリケーション**では、トランザクションのコミットが、すべての同期レプリカに反映されるまで完了しません。これはデータの一貫性と可用性を保証しますが、ネットワーク遅延が発生する可能性があります。

## 2. 非同期レプリケーションの詳細

### 2-1. メカニズムと動作
非同期レプリケーションでは、プライマリサーバはトランザクションの完了後にのみレプリカにデータを転送します。したがって、レプリカはプライマリから少し遅れた状態になることがあります。非同期であるため、プライマリサーバはレプリカを待たずに次のトランザクションを処理できます。

### 2-2. スピードとパフォーマンス
非同期レプリケーションの利点の一つは、プライマリサーバがレプリカの状態に関係なくトランザクションを即座に処理できるため、パフォーマンスのオーバーヘッドが非常に小さいことです。

### 2-3. 課題と利点
- **課題**: プライマリサーバに障害が発生すると、直近のトランザクションデータがレプリカに未反映である可能性があります。
- **利点**: パフォーマンスへの影響が少なく、スケーラビリティに優れています。特に、読み取り専用のアプリケーションに適しています。

## 3. 同期レプリケーションの詳細

### 3-1. メカニズムと動作
同期レプリケーションでは、プライマリサーバはすべての同期レプリカにデータが確実に書き込まれたことを確認した後にのみ、トランザクションを完了します。これによりデータの一貫性が保証されます。

### 3-2. データの整合性と信頼性
同期レプリケーションは、データの整合性を最優先に考慮するシステムにおいて重要です。プライマリとレプリカが常に一致したデータ状態を保ちます。

### 3-3. 課題と利点
- **課題**: レプリケーション完了待ちが必要であるため、ネットワーク遅延がトランザクションの遅延に直接影響を与える可能性があります。
- **利点**: データの一貫性と信頼性が非常に高く、ミッション・クリティカルなアプリケーションに適しています。

## 4. 非同期と同期レプリケーションの比較

### 4-1. パフォーマンスの比較
非同期レプリケーションは同期レプリケーションと比べてパフォーマンスの影響が小さく、大量のトランザクションを迅速に処理するケースに適しています。一方、同期レプリケーションはトランザクションごとのレプリケーション待ち時間が含まれるため、処理速度が若干低下することがあります。

### 4-2. データ整合性の比較
同期レプリケーションは、データ整合性の維持において優れており、データが不一致になることはありません。非同期レプリケーションは、プライマリサーバの障害時に直近のデータが失われる可能性があります。

### 4-3. 適切な使用ケース
- **非同期レプリケーション**は、データの迅速な配信が重要であり、多少のデータ遅延を許容できるシステムで有用です。
- **同期レプリケーション**は、データの完全性が重要なトランザクションシステム（金融システムなど）で推奨されます。

## 5. PostgreSQLにおけるレプリケーションの設定

### 5-1. 非同期レプリケーションの設定手順
![img](/mosaic-code.jpg)
- プライマリサーバの `postgresql.conf` で上記のように設定を行い、レプリカにデータを送信できるようにします。

### 5-2. 同期レプリケーションの設定手順
![img](/mosaic-code.jpg)
- 同期レプリケーションでは `synchronous_commit` をオンにし、特定のスタンバイサーバを指定します。

## 6. まとめ
非同期レプリケーションと同期レプリケーションは、それぞれ異なる目的と要件に応じて使い分けるべきです。非同期レプリケーションは高速性を重視する場合に、同期レプリケーションはデータの完全性を重視する場合に適しています。PostgreSQLによる柔軟な設定により、ビジネスニーズに合ったレプリケーション戦略を構築することが可能です。最後に、どちらの方法でも計画的なバックアップとモニタリングが重要であることを忘れないでください。 [cv:issue_marketplace_engineer]

# PostgreSQLでの非同期レプリケーションと同期レプリケーションの違い

## 目次
1. はじめに
   - 1-1. 背景
   - 1-2. 非同期レプリケーションと同期レプリケーションの概要
2. 非同期レプリケーションの詳細
   - 2-1. メカニズムと動作
   - 2-2. スピードとパフォーマンス
   - 2-3. 課題と利点
3. 同期レプリケーションの詳細
   - 3-1. メカニズムと動作
   - 3-2. データの整合性と信頼性
   - 3-3. 課題と利点
4. 非同期と同期レプリケーションの比較
   - 4-1. パフォーマンスの比較
   - 4-2. データ整合性の比較
   - 4-3. 適切な使用ケース
5. PostgreSQLにおけるレプリケーションの設定
   - 5-1. 非同期レプリケーションの設定手順
   - 5-2. 同期レプリケーションの設定手順
6. まとめ

## 1. はじめに

### 1-1. 背景
PostgreSQLは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム（RDBMS）であり、その信頼性と機能の豊富さから、エンタープライズ環境で広く使用されています。データの可用性と信頼性を高めるために、レプリケーションは不可欠な手段です。レプリケーションには、高速でパフォーマンスの高い非同期レプリケーションと、データ整合性を重視する同期レプリケーションの2つの主要なタイプがあります。

### 1-2. 非同期レプリケーションと同期レプリケーションの概要
- **非同期レプリケーション**は、プライマリサーバでのトランザクションのコミット後、レプリカにデータが転送されます。この方式では、レプリカがプライマリを追随する一定のラグが存在することがありますが、全体的なパフォーマンスの向上が期待できます。
- **同期レプリケーション**では、トランザクションのコミットが、すべての同期レプリカに反映されるまで完了しません。これはデータの一貫性と可用性を保証しますが、ネットワーク遅延が発生する可能性があります。

## 2. 非同期レプリケーションの詳細

### 2-1. メカニズムと動作
非同期レプリケーションでは、プライマリサーバはトランザクションの完了後にのみレプリカにデータを転送します。したがって、レプリカはプライマリから少し遅れた状態になることがあります。非同期であるため、プライマリサーバはレプリカを待たずに次のトランザクションを処理できます。

### 2-2. スピードとパフォーマンス
非同期レプリケーションの利点の一つは、プライマリサーバがレプリカの状態に関係なくトランザクションを即座に処理できるため、パフォーマンスのオーバーヘッドが非常に小さいことです。

### 2-3. 課題と利点
- **課題**: プライマリサーバに障害が発生すると、直近のトランザクションデータがレプリカに未反映である可能性があります。
- **利点**: パフォーマンスへの影響が少なく、スケーラビリティに優れています。特に、読み取り専用のアプリケーションに適しています。

## 3. 同期レプリケーションの詳細

### 3-1. メカニズムと動作
同期レプリケーションでは、プライマリサーバはすべての同期レプリカにデータが確実に書き込まれたことを確認した後にのみ、トランザクションを完了します。これによりデータの一貫性が保証されます。

### 3-2. データの整合性と信頼性
同期レプリケーションは、データの整合性を最優先に考慮するシステムにおいて重要です。プライマリとレプリカが常に一致したデータ状態を保ちます。

### 3-3. 課題と利点
- **課題**: レプリケーション完了待ちが必要であるため、ネットワーク遅延がトランザクションの遅延に直接影響を与える可能性があります。
- **利点**: データの一貫性と信頼性が非常に高く、ミッション・クリティカルなアプリケーションに適しています。

## 4. 非同期と同期レプリケーションの比較

### 4-1. パフォーマンスの比較
非同期レプリケーションは同期レプリケーションと比べてパフォーマンスの影響が小さく、大量のトランザクションを迅速に処理するケースに適しています。一方、同期レプリケーションはトランザクションごとのレプリケーション待ち時間が含まれるため、処理速度が若干低下することがあります。

### 4-2. データ整合性の比較
同期レプリケーションは、データ整合性の維持において優れており、データが不一致になることはありません。非同期レプリケーションは、プライマリサーバの障害時に直近のデータが失われる可能性があります。

### 4-3. 適切な使用ケース
- **非同期レプリケーション**は、データの迅速な配信が重要であり、多少のデータ遅延を許容できるシステムで有用です。
- **同期レプリケーション**は、データの完全性が重要なトランザクションシステム（金融システムなど）で推奨されます。

## 5. PostgreSQLにおけるレプリケーションの設定

### 5-1. 非同期レプリケーションの設定手順
```sql
-- プライマリサーバの設定例
wal_level = replica
max_wal_senders = 5
archive_mode = on
archive_command = 'cp %p /var/lib/postgresql/archivedir/%f'
```
- プライマリサーバの `postgresql.conf` で上記のように設定を行い、レプリカにデータを送信できるようにします。

### 5-2. 同期レプリケーションの設定手順
```sql
-- プライマリサーバの設定例
synchronous_commit = on
synchronous_standby_names = 'standby1, standby2'
```
- 同期レプリケーションでは `synchronous_commit` をオンにし、特定のスタンバイサーバを指定します。

## 6. まとめ
非同期レプリケーションと同期レプリケーションは、それぞれ異なる目的と要件に応じて使い分けるべきです。非同期レプリケーションは高速性を重視する場合に、同期レプリケーションはデータの完全性を重視する場合に適しています。PostgreSQLによる柔軟な設定により、ビジネスニーズに合ったレプリケーション戦略を構築することが可能です。最後に、どちらの方法でも計画的なバックアップとモニタリングが重要であることを忘れないでください。 

PostgreSQLでの非同期レプリケーションと同期レプリケーションの違い

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