# Azure VPN Gatewayの接続制限と同時接続数の上限

## 目次

1. 1-1 Azure VPN Gatewayとは？

2. 1-2 接続制限について

3. 1-3 同時接続数の詳細

4. 1-4 接続制限を超えた場合の対処法

5. 1-5 Azure ExpressRouteとの比較

6. 1-6 セキュリティ対策とベストプラクティス

7. 1-7 パフォーマンス最適化の方法

8. 1-8 コスト管理のポイント

9. 1-9 将来的な展望とアップデート

10. 1-10 まとめ

## 本文

### 1-1 Azure VPN Gatewayとは？

Azure VPN Gatewayは、Azure環境とオンプレミスネットワークや他の仮想ネットワークを安全に接続する仮想ネットワークゲートウェイです。VPN Gatewayを利用することで、インターネット経由での安全な接続が可能となり、ハイブリッドクラウド環境を実現する重要な役割を果たしています。

### 1-2 接続制限について

Azure VPN Gatewayにはいくつかの接続制限があります。これには、VNet-to-VNet接続、オンプレミスへのSite-to-Site接続、Point-to-Site接続という3種類の接続方式それぞれに異なる制限が適用されます。

#### VNet-to-VNet接続:

- 各VNetに最大10のVNet-to-VNet接続を設定可能。

#### Site-to-Site接続:

- 各VPN Gatewayに対して最大30のSite-to-Site接続をサポートします。

#### Point-to-Site接続:

- 最大で10,000のPoint-to-Site接続をサポートします。

これらの制限は、ネットワークの拡張性を考慮しつつも、セキュリティとパフォーマンスを維持するために設定されています。

### 1-3 同時接続数の詳細

Azure VPN GatewayのSKU（Standard, High Performance, Ultra Performanceなど）によって、同時接続数やスループットに違いがあります。以下に代表的なSKUとその特性を示します。

| SKU                  | 最大接続数 (Site-to-Site) | 最大接続数 (Point-to-Site) | 最大スループット (Mbps) |

|----------------------|---------------------------|-----------------------------|----------------------------|

| Basic                | 10                        | 128                         | 100                        |

| Standard             | 30                        | 10,000                      | 100                        |

| High Performance     | 30                        | 10,000                      | 1,000                      |

| Ultra Performance    | 30                        | 10,000                      | 2,000                      |

この表は、用途に応じた最適なSKU選択に役立ちます。高性能なアプリケーションや大規模なユーザーを抱える環境には、High PerformanceやUltra Performanceが推奨されます。

### 1-4 接続制限を超えた場合の対処法

接続数の制限を超えた場合、追加のVPN Gatewayを作成して接続を分割するか、ExpressRouteなど他の接続手段を検討する必要があります。

### 1-5 Azure ExpressRouteとの比較

Azure ExpressRouteは、インターネットを介さずにオンプレミス環境とAzure間を接続する専用回線サービスです。VPN Gatewayと比べてより高いパフォーマンスと信頼性を持ちますが、コストが高くなる傾向があります。

| 特性            | VPN Gateway       | ExpressRoute         |

|-----------------|-------------------|----------------------|

| 接続方式        | インターネット経由 | 専用回線             |

| 最大スループット | 2 Gbps            | 10 Gbps以上          |

| セキュリティ     | VPNトンネル       | 物理的に隔離されている |

| コスト          | 比較的安価        | 高価                 |

### 1-6 セキュリティ対策とベストプラクティス

Azure VPNを利用する際のセキュリティ対策として、以下のベストプラクティスをお勧めします：

- **強力な認証**：多要素認証（MFA）の導入

- **ネットワークセグメンテーション**：VNetの分割とNSG (Network Security Group)によるアクセス制御

- **監視とログ**：Azure MonitorとNetwork Watcherを使用した継続的な監視

- **定期的なセキュリティレビュー**：セキュリティリスクアセスメントの実施

### 1-7 パフォーマンス最適化の方法

パフォーマンスを維持するためには以下の手段が有効です。

- **最適なSKU選択**：ワークロードに適した性能を持つSKUの選定

- **負荷分散の設定**：VPN Gatewayのバックアップ構成や冗長性を持たせることで負荷分散を実現

- **プロトコル選択**：IKEv2の使用を推奨

### 1-8 コスト管理のポイント

Azure VPN Gatewayの運用におけるコストを管理するには、使用する帯域幅のモニタリングと、必要に応じたテスト環境の縮小が効果的です。また、定期的な使用量の見直しと最適化がコスト削減に寄与します。

### 1-9 将来的な展望とアップデート

Azure VPN Gatewayは今後、さらにセキュリティとパフォーマンスを強化するアップデートが期待されています。Azureの発表を基に、新しい機能や最適化の展開が続くことにより、より柔軟で安全な接続環境を提供するでしょう。

### 1-10 まとめ

Azure VPN Gatewayは、クラウドへの安全な接続を提供し、オンプレミスとの連携を可能にする重要なサービスです。接続制限や同時接続数についての理解は、適切な環境設計に不可欠です。これにより、組織のネットワーク構成を効果的に最適化し、拡張性とパフォーマンスを確保することができます。

このガイドを基に、環境に応じた最適なAzure VPN Gatewayの活用を検討してください。

Azure VPN Gatewayの接続制限と同時接続数の上限

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