# CMakeの基本コマンドをマスターするためのステップ

## 目次

1. はじめに

2. CMakeとは？

3. CMakeのインストール方法

4. 基本的なCMakeコマンド

    1. cmake

    2. make

    3. cmake --build

5. CMakeLists.txtの書き方

    1. プロジェクトの設定

    2. 実行ファイルの生成

    3. ライブラリの追加

6. CMakeのオプションと変数

    1. オプションの設定

    2. 変数の使用方法

7. CMakeの高度な機能

    1. 条件付き構築

    2. 外部プロジェクトの利用

    3. テストの設定

8. まとめ

## 1. はじめに

CMakeは、オープンソースのソフトウェアビルドシステムです。複雑なビルドプロセスを簡単に管理することができ、C++をはじめとした多くのプログラミング言語に対応しています。本記事では、CMakeの基本的なコマンドを学び、効率的にビルド設定を行うためのステップを解説します。

## 2. CMakeとは？

CMakeは、プラットフォーム独立のビルドシステムであり、ソースコードからビルドシステムを生成します。CMakeを使うことで、複数のプラットフォームで同じコードをビルドすることが容易になります。ビルドプロセスはCMakeLists.txtという設定ファイルに基づいて行われます。

## 3. CMakeのインストール方法

CMakeを使用する前に、インストールが必要です。以下に主要なプラットフォームでのインストール方法を示します。

- **Windows:** CMakeの公式ウェブサイトからインストーラーをダウンロードし、インストールウィザードに従います。

- **macOS:** Homebrewを使用してインストールすることができます。ターミナルで以下のコマンドを入力します。

  ```bash

  brew install cmake

  ```

- **Linux:** 多くのディストリビューションで、以下のようにパッケージマネージャを使用してインストールできます。

  ```bash

  sudo apt-get install cmake

  ```

## 4. 基本的なCMakeコマンド

CMakeを使用するための基本的なコマンドを以下に示します。

### 4.1 cmake

CMakeLists.txtファイルに基づいてビルドファイルを生成します。最初に`cmake`コマンドを使用して、ビルドディレクトリを作成し、ソースディレクトリと連携させます。

```bash

cmake -S <source_directory> -B <build_directory>

```

### 4.2 make

生成されたMakefileに基づいて、実際のビルドを行います。

```bash

cd <build_directory>

make

```

### 4.3 cmake --build

`cmake --build`コマンドは上記の`make`と同等のビルドを行いますが、より柔軟なオプションを提供します。

```bash

cmake --build <build_directory>

```

## 5. CMakeLists.txtの書き方

CMakeLists.txtファイルは、CMakeの設定を定義するファイルです。以下にその基本的な構成と設定方法を説明します。

### 5.1 プロジェクトの設定

まず始めにプロジェクトの名前と使用するC++のバージョンを指定します。

```cmake

cmake_minimum_required(VERSION 3.10)

project(MyProject VERSION 1.0)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 11)

set(CMAKE_CXX_STANDARD_REQUIRED True)

```

### 5.2 実行ファイルの生成

次に、ソースファイルを指定し、実行ファイルを生成します。

```cmake

add_executable(MyExecutable main.cpp)

```

### 5.3 ライブラリの追加

プロジェクトにライブラリが必要な場合は、以下のように指定します。

```cmake

add_library(MyLibrary STATIC library.cpp)

target_link_libraries(MyExecutable PRIVATE MyLibrary)

```

## 6. CMakeのオプションと変数

CMakeでは、オプションや変数を使用して柔軟なビルドを可能にします。

### 6.1 オプションの設定

フラグを設定することで、ビルドのオプションを変更することができます。

```cmake

option(USE_CUSTOM_LIB "Use custom library" ON)

if(USE_CUSTOM_LIB)

  target_link_libraries(MyExecutable PRIVATE CustomLib)

endif()

```

### 6.2 変数の使用方法

CMake変数を使用して、動的にビルド設定を制御できます。

```cmake

set(SOURCE_FILES main.cpp helper.cpp)

add_executable(MyExecutable ${SOURCE_FILES})

```

## 7. CMakeの高度な機能

CMakeには、条件付き構築や外部プロジェクト利用、テスト設定などの高度な機能があります。

### 7.1 条件付き構築

プラットフォームや環境に基づいてビルド設定を変更できます。

```cmake

if(WIN32)

  # Windows-specific settings

endif()

```

### 7.2 外部プロジェクトの利用

外部プロジェクトをCMakeで利用するには、`include_external_msproject`を利用します。

```cmake

include(ExternalProject)

ExternalProject_Add(External_lib

  GIT_REPOSITORY <repo_url>

  PREFIX ${CMAKE_BINARY_DIR}/external_lib

)

```

### 7.3 テストの設定

CMakeでは、テストを設定することで、ビルドプロセス中に単体テストを実施できます。

```cmake

enable_testing()

add_test(NAME MyTest COMMAND MyExecutable --test)

```

## 8. まとめ

CMakeは、プラットフォームに依存しない強力なビルドシステムです。本記事では、CMakeの基本的な使い方から高度な機能までを解説しました。CMakeを利用することで、開発者は複雑なビルドプロセスを効率的に管理することが可能です。これにより、プロジェクトのメンテナンス性を高め、異なる環境への移植を容易にすることができます。今後のプロジェクトでCMakeを活用し、スムーズな開発を進めていきましょう。

CMakeの基本コマンドをマスターするためのステップ

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