# Azure Blob Storageの冗長性（LRS、ZRS、GRS）の選び方

## 目次

1. 1-1 転送に失敗した場合の冗長性の重要性

2. 1-2 ローカル冗長ストレージ（LRS）

3. 1-3 ゾーン冗長ストレージ（ZRS）

4. 1-4 ジオ冗長ストレージ（GRS）

5. 1-5 ジオゾーン冗長ストレージ（GZRS）

6. 1-6 冗長性オプションの比較

7. 1-7 選択基準とシナリオ別推奨

8. 1-8 コストとパフォーマンスの考慮事項

9. 1-9 まとめ

## 本文

### 1-1 転送に失敗した場合の冗長性の重要性

データ失敗に対する対策としての冗長性は、企業にとって必要不可欠です。特にクラウドストレージにおいては、データの損失がビジネスの継続性に重大な影響を及ぼす可能性があります。Azure Blob Storageは、多様な冗長性オプションを提供し、データの可用性と信頼性を高めます。

### 1-2 ローカル冗長ストレージ（LRS）

LRSは、同一データセンター内の単一リージョンにデータを複製します。データは3つの別々の物理障害体上に保存され、ハードウェア障害に対するプロテクションを提供します。ただし、自然災害や大規模なデータセンター障害には弱点があります。

### 1-3 ゾーン冗長ストレージ（ZRS）

ZRSは、単一リージョン内の複数の可用性ゾーンにデータを複製します。この設定により、データはゾーンの障害に対して保護されると同時に、より迅速なデータアクセスが可能です。ZRSは、リージョン全体が機能不全になるケースには対応できませんが、LRSより確実な保護を提供します。

### 1-4 ジオ冗長ストレージ（GRS）

GRSは、プライマリリージョンのデータを別のセカンダリリージョンに非同期で複製します。この方式により、広範囲の障害に対して復旧する能力を持ちます。しかし、非同期であるため、最新のデータを必ずしもすぐに参照できない可能性があります。

### 1-5 ジオゾーン冗長ストレージ（GZRS）

GZRSは、ZRSとGRSの利点を統合した冗長性オプションです。データはプライマリリージョンのゾーン間で同期され、さらに異なるリージョンにも非同期で保存されます。このセットアップは最も堅牢な冗長性を提供し、幅広い障害シナリオに対処可能です。

### 1-6 冗長性オプションの比較

以下の表は、各冗長性オプションの主な特徴と対応可能な障害を比較しています。

| 冗長性タイプ | 可用性ゾーン | 複製リージョン | 耐障害性 |

|--------------|------------|--------------|--------|

| LRS          | いいえ     | いいえ       | データセンター障害 |

| ZRS          | あり       | いいえ       | ゾーン障害 |

| GRS          | いいえ     | あり         | リージョン障害 |

| GZRS         | あり       | あり         | リージョンおよびゾーン障害 |

### 1-7 選択基準とシナリオ別推奨

ビジネス要件に応じて適切な冗長性オプションを選ぶことが重要です。

- **LRS** は、低コストが優先され、データセンター障害が容認可能であるシナリオに最適です。

- **ZRS** は、可用性ゾーンの冗長性が必要で高速回復が優先される場合に推奨されます。

- **GRS** は、地域的な災害に備える必要があるが、費用を抑えたい場合に適しています。

- **GZRS** は、可能な限り最高レベルの冗長性が求められるクリティカルなアプリケーションに推奨されます。

### 1-8 コストとパフォーマンスの考慮事項

冗長性が高くなるほど、一般的にコストも増加します。LRSは最も経済的であり、反対にGZRSは高コストの選択肢です。また、ディザスタリカバリのニーズとストレージのパフォーマンス要件を平衡させる必要があります。

### 1-9 まとめ

Azure Blob Storageの冗長性オプションは、ビジネスニーズに合わせて選択可能であり、各オプションは異なるレベルのデータ保護と可用性を提供します。正確なニーズとリスク評価を行い、適切な冗長性レベルを選択することで、ビジネスの安定性を確保できます。コストと機能のバランスを見極めつつ、最適なオプションを選びましょう。

Azure Blob Storageの冗長性（LRS、ZRS、GRS）の選び方

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