## 目次

1. はじめに

2. Cloud Loggingとは

   - 2-1. 概要

   - 2-2. 特徴

3. VMインスタンスの削除履歴とは

   - 3-1. 重要性

   - 3-2. 取得に必要な情報

4. Cloud Loggingで削除履歴を取得するステップ

   - 4-1. GCPプロジェクトの設定

   - 4-2. ログビューアの使用方法

   - 4-3. フィルターの設定

   - 4-4. ログのエクスポート設定

5. コード例

   - 5-1. Pythonを用いたログの取得

   - 5-2. CLIを用いたログの取得

6. トラブルシューティング

   - 6-1. よくある課題

   - 6-2. 解決方法

7. まとめ

## 1. はじめに

Cloud LoggingはGoogle Cloud Platform（以下GCP）の強力なログ管理サービスです。この記事では、Cloud Loggingを活用し、VMインスタンスの削除履歴を取得する方法について詳しく解説します。

## 2. Cloud Loggingとは

### 2-1. 概要

Cloud Loggingは、リアルタイムでログを収集し、クラウドベースで管理するためのサービスです。Google Cloudで稼働する各種リソース（Compute EngineやKubernetesなど）のログを統合し、アクセスや操作の履歴を管理できます。

### 2-2. 特徴

- **リアルタイム性**: リアルタイムでログデータを処理するため、迅速な分析が可能です。

- **スケーラビリティ**: 編集したログデータはGoogle Cloud Storage上で安全かつ無限に保存でき、ビジネスの拡大をサポートします。

- **費用対効果**: 使用量に応じた課金体系を持ち、コスト削減を実現します。

## 3. VMインスタンスの削除履歴とは

### 3-1. 重要性

VMインスタンスの削除履歴は、システム管理者がリソースの管理やトラブルシューティングを行う際に重要です。インスタンスの削除は予期しない事態や人的ミスによるものである可能性があり、それをログで確認することで原因究明や対策が講じられます。

### 3-2. 取得に必要な情報

VMインスタンスの削除履歴を取得するには、次の情報が必要です。

- プロジェクトID

- 削除されたインスタンスの名前

- 操作の実行日時

## 4. Cloud Loggingで削除履歴を取得するステップ

### 4-1. GCPプロジェクトの設定

1. **GCPプロジェクトにログ閲覧権限を付与**: ログを確認するために適切なIAM権限を設定します。`roles/logging.viewer` 権限が必要です。

2. **ログビューアへのアクセス**: [GCPコンソール](https://console.cloud.google.com/)にログインし、「Logging」→「ログビューア」へアクセスします。

### 4-2. ログビューアの使用方法

ログビューアは、プロジェクト内のログを様々な条件で絞り込むことができるツールです。以下の手順でログを確認します。

1. **プロジェクトの選択**: ログビューアのトップ画面から対象のプロジェクトを選択します。

### 4-3. フィルターの設定

1. **フィルタークエリを作成**: 下記に示すクエリを使用して、VMインスタンスの削除操作をフィルタリングします。

    ```

    resource.type="gce_instance"

    protoPayload.methodName="v1.compute.instances.delete"

    ```

2. **期間の設定**: 必要に応じて、特定の期間を指定します。例えば過去30日の削除履歴を取得したい場合、「Time Range」から適切な期間を選択します。

### 4-4. ログのエクスポート設定

Cloud Loggingはログのエクスポート機能を備えています。この機能を利用することで、BigQueryやCloud Storageにログを保存し、さらなる分析やバックアップに使用可能です。

1. **エクスポート設定の作成**: 「Create Export」をクリックし、エクスポート先を選択します。

2. **フィルター条件の設定**: 上記で使用したフィルターをそのままエクスポート条件に設定します。

## 5. コード例

### 5-1. Pythonを用いたログの取得

Python環境からCloud Logging APIを利用してログを取得するコード例を以下に示します。

```python

from google.cloud import logging

client = logging.Client()

logger = client.logger("compute.googleapis.com/activity")

for entry in client.list_entries(filter_='protoPayload.methodName="v1.compute.instances.delete"'):

    print(f'Time: {entry.timestamp}, Resource: {entry.resource.type}, Operation: {entry.payload}')

```

上記のコードでは、Google CloudのPythonクライアントライブラリを使用し、特定の削除履歴をフィルタリングしています。

### 5-2. CLIを用いたログの取得

gcloudコマンドを使用して、CLIからログを取得する方法です。

```shell

gcloud logging read 'resource.type="gce_instance" AND protoPayload.methodName="v1.compute.instances.delete"'

```

これにより、指定したフィルター条件に合致するログがCLIに表示されます。

## 6. トラブルシューティング

### 6-1. よくある課題

- **ログが表示されない**: フィルタ設定のミスがないか確認します。また、権限が不足している可能性があります。

- **操作履歴の遅延**: 最新の削除履歴が反映されない場合は、少し時間を置いてから再度確認します。

### 6-2. 解決方法

- **設定再確認**: IAM権限やフィルター条件を再確認し、必要な情報が確実に反映されているか確認します。

- **サポート問い合わせ**: 解決しない場合は、GCPサポートへ問い合わせることも選択肢です。

## 7. まとめ

この記事では、Cloud Loggingを用いたGCP VMインスタンスの削除履歴を取得する方法について詳細に解説しました。Cloud Loggingを使うことで、ログの取得や分析を効果的に行うことが可能です。VMインスタンスの操作ログは、トラブルシューティングやセキュリティ監視で重要な役割を果たし、組織全体の可視性を向上させます。

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