## 目次

1. はじめに

2. Azure Bastionとは

3. Azure Bastionのメリット

    1. セキュリティの向上

    2. シームレスな運用

    3. 管理コストの削減

4. Azure Bastionのアーキテクチャ

5. Azure Bastionを使ったVMへのアクセス手順

    1. Azure Bastionのセットアップ

    2. 異なるネットワーク環境からの接続

6. セキュリティベストプラクティス

    1. ネットワークセキュリティグループ(NSG)とFirewallの設定

    2. マルチファクタ認証(MFA)の活用

7. 料金について

8. まとめ

## 1. はじめに

クラウド環境における仮想マシン(VM)へのアクセスは、ネットワークセキュリティを確保する上で重要な課題です。Azure Bastionはこの課題を解決するためのツールで、セキュアな方式でAzure上のVMにアクセスできます。本記事では、Azure Bastionを使用して、どのようにセキュアにVMへアクセスするかの具体的な方法と、その利点について詳しく説明します。

## 2. Azure Bastionとは

Azure Bastionは、Azure Virtual Networkにプロビジョニングされるパース(vPaaS)サービスで、Azure上の仮想マシンに対してセキュアなリモートデスクトップ(RDP)またはSSH接続を提供します。インターネットに直接VMを公開する必要がなく、VMの公開IPアドレスを持たせることなく、直接、VMに接続可能です。

## 3. Azure Bastionのメリット

### 3-1. セキュリティの向上

Azure Bastionは、RDPやSSHトラフィックをTLSで暗号化し、インターネットへのパブリックアクセスを防ぎます。このため、攻撃対象の面積を削減し、ブルートフォース攻撃やマルウェア感染からシステムを防御することができます。

### 3-2. シームレスな運用

ユーザーはAzureポータルを介して、シームレスにVMにアクセスでき、ブラウザから直接操作が可能です。これにより、外部ツールのインストールや特別な設定を必要としません。

### 3-3. 管理コストの削減

パブリックIPやVPNを用意する必要がないため、管理コストを削減できます。また、ネットワークトラフィックの監視や管理も容易になります。

## 4. Azure Bastionのアーキテクチャ

Azure Bastionは透過的なジャンプサーバーとして機能し、指定したAzureのVNet内のリソースに対してセキュアなアクセスを提供します。このアーキテクチャにより、パブリックインターネットからの直接接続が不要になります。

## 5. Azure Bastionを使ったVMへのアクセス手順

### 5-1. Azure Bastionのセットアップ

AzureポータルからAzure Bastionを設定するには、以下の手順に従います。

1. Azureポータルへサインインし、"Bastion"を検索し、Bastionリソースを作成します。

2. 作成するサブスクリプション、リソースグループ、VNetを選択します。

3. Bastionサービスが有効化されたら、対象のVMに対し、RDPかSSHのオプションを選択しアクセスします。

### 5-2. 異なるネットワーク環境からの接続

複数のネットワークセグメントからのアクセスが必要な場合、Azure Bastionによる接続は、VNetピアリングを介して他のVNetからも接続を可能とする設計です。

## 6. セキュリティベストプラクティス

### 6-1.ネットワークセキュリティグループ(NSG)とFirewallの設定

Azure Bastionを使用する際でも、ネットワークセキュリティグループ(NSG)を適切に設定し、必要最低限のポートのみ開放して運用します。

### 6-2. マルチファクタ認証(MFA)の活用

Azure Active Directoryと統合し、定期的に認証方法を見直し、多要素認証(MFA)を有効にすることで、さらなるセキュリティ強化を図ります。

## 7. 料金について

Azure Bastionの料金は、プロビジョニング時間とデータ転送量に基づいて計算されます。詳細な料金はAzureの公式ウェブサイトでご確認ください。

## 8. まとめ

Azure Bastionを導入することで、Azure環境における仮想マシンへのアクセスをセキュアかつ効率的に管理できるようになります。また、追加のハードウェアやソフトウェアが不要で、手間がかからない運用を実現します。ユーザーのセキュリティ意識の向上とともに、今後もAzure Bastionを活用した堅牢なインフラ運用を目指しましょう。

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