# Azure VMをARMテンプレートでデプロイする方法

## 目次

1. はじめに

2. ARMテンプレートとは？

   1. ARMテンプレートの基本構造

   2. ARMテンプレートの利点

3. Azure VMのデプロイに必要な準備

   1. リソースグループの作成

   2. Azure CLIのインストールと設定

4. ARMテンプレートを用いたAzure VMのデプロイ

   1. テンプレートの作成

   2. パラメータファイルの作成

   3. デプロイの実行

5. ARMテンプレートの詳細設定

   1. ネットワークの設定

   2. ストレージオプション

   3. カスタムスクリプトの配置

6. デプロイ後の確認と管理

   1. デプロイの確認

   2. リソースの管理

7. トラブルシューティング

   1. よくあるエラーとその対処法

   2. ログの確認方法

8. まとめ

## 1. はじめに

Azure Resource Manager(ARM)テンプレートは、Azure環境におけるリソースのデプロイを自動化するための強力なツールです。特に、Azure Virtual Machines(VM)を効率的にデプロイしたい場合には、ARMテンプレートを活用することが推奨されます。本記事では、ARMテンプレートを使ってAzure VMをデプロイする具体的な方法を解説します。

## 2. ARMテンプレートとは？

### 2-1. ARMテンプレートの基本構造

ARMテンプレートは、Azureリソースを記述するためのJSON形式のファイルです。主な要素には以下があります：

- **resources**: デプロイするリソースの定義

- **parameters**: 入力パラメータで、テンプレートの再利用性を高めるもの

- **variables**: 計算された値を格納するために使用される

- **outputs**: デプロイ後に出力される情報

### 2-2. ARMテンプレートの利点

1. **インフラストラクチャの自動化**: コード化による一貫性と再現性

2. **デプロイの効率化**: 同じテンプレートを使い回すことで迅速な環境セットアップが可能

3. **管理の簡素化**: バージョン管理ツールと組み合わせて変更履歴を追跡

## 3. Azure VMのデプロイに必要な準備

### 3-1. リソースグループの作成

Azureでは、すべてのリソースはリソースグループ内に存在します。まず最初にリソースグループを作成します。

```bash

az group create --name MyResourceGroup --location eastus

```

### 3-2. Azure CLIのインストールと設定

Azure CLIは、Azureリソースを管理するためのクロスプラットフォームコマンドラインツールです。以下のコマンドでAzure CLIをインストールします。

```bash

curl -sL https://aka.ms/InstallAzureCLIDeb | sudo bash

```

インストール後、Azure CLIにログインする必要があります。

```bash

az login

```

## 4. ARMテンプレートを用いたAzure VMのデプロイ

### 4-1. テンプレートの作成

以下は、基本的なAzure VMをデプロイするためのサンプルテンプレートです。

```json

{

  "$schema": "https://schema.management.azure.com/schemas/2019-04-01/deploymentTemplate.json#",

  "contentVersion": "1.0.0.0",

  "resources": [

    {

      "type": "Microsoft.Compute/virtualMachines",

      "apiVersion": "2019-12-01",

      "name": "[parameters('vmName')]",

      "location": "[resourceGroup().location]",

      "properties": {

        "hardwareProfile": {

          "vmSize": "Standard_DS1_v2"

        },

        "storageProfile": {

          "imageReference": {

            "publisher": "Canonical",

            "offer": "UbuntuServer",

            "sku": "18.04-LTS",

            "version": "latest"

          },

          "osDisk": {

            "createOption": "FromImage"

          }

        },

        "osProfile": {

          "computerName": "[parameters('vmName')]",

          "adminUsername": "azureuser",

          "adminPassword": "[parameters('adminPassword')]"

        },

        "networkProfile": {

          "networkInterfaces": [

            {

              "id": "[resourceId('Microsoft.Network/networkInterfaces', parameters('nicName'))]"

            }

          ]

        }

      }

    }

  ]

}

```

### 4-2. パラメータファイルの作成

テンプレートに合わせて、パラメータを設定します。

```json

{

  "$schema": "https://schema.management.azure.com/schemas/2019-04-01/deploymentParameters.json#",

  "contentVersion": "1.0.0.0",

  "parameters": {

    "vmName": {

      "value": "MyVM"

    },

    "adminPassword": {

      "value": "SecurePassword123!"

    },

    "nicName": {

      "value": "MyNIC"

    }

  }

}

```

### 4-3. デプロイの実行

ARMテンプレートを使用してVMをデプロイします。

```bash

az deployment group create --resource-group MyResourceGroup --template-file azuredeploy.json --parameters azuredeploy.parameters.json

```

## 5. ARMテンプレートの詳細設定

### 5-1. ネットワークの設定

VMのネットワーク設定は重要です。ネットワークインターフェースやサブネット、セキュリティグループの設定をテンプレートに追加します。

### 5-2. ストレージオプション

ストレージの種類やサイズは、パラメータとして外部から指定可能にすることで柔軟性を持たせます。

### 5-3. カスタムスクリプトの配置

デプロイ後にカスタム設定や初期設定を自動で行うために、カスタムスクリプトエクステンションを使用することが可能です。

## 6. デプロイ後の確認と管理

### 6-1. デプロイの確認

AzureポータルまたはAzure CLIを使用して、デプロイされたリソースを確認します。

```bash

az vm show --resource-group MyResourceGroup --name MyVM

```

### 6-2. リソースの管理

デプロイしたリソースの設定変更や状態確認は、AzureポータルやAzure CLIを用いて行います。

## 7. トラブルシューティング

### 7-1. よくあるエラーとその対処法

テンプレートのあいまいな構文エラーは、デプロイの失敗につながることがあります。指定したパラメータやリソースのIDが正しいか確認を行いましょう。

### 7-2. ログの確認方法

Azureポータルの「デプロイメント」セクションからデプロイログを参照することで詳細なエラー情報を取得できます。

## 8. まとめ

ARMテンプレートを使用することで、Azure環境のデプロイを効率化し、同じ構成を短時間で再利用可能にします。特に組織内でのインフラ共有や、複数環境へのデプロイには欠かせないツールです。ぜひ活用して、Azure上での環境構築をスムーズに進めましょう。

Azure VMをARMテンプレートでデプロイする方法

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