# concurrent map writes のエラーとsync.Mapの活用

## 目次

1. はじめに

2. concurrent map writes エラーとは

   1. エラーの原因

   2. 発生する状況

3. sync.Mapの概要

4. sync.Mapの使い方

   1. 基本的な操作（`Load`, `Store`, `Delete`）

   2. `Range` メソッドの活用

5. sync.Mapを利用するメリットとデメリット

   1. メリット

   2. デメリット

6. 実際のコード例

   1. 通常の `map` を使った場合

   2. `sync.Map` を使った場合

7. その他の競合状態の回避方法

8. まとめ

## 1. はじめに

Go言語で並行処理を行う際、競合状態（race condition）はよく直面する問題です。特に、複数のゴルーチンが同時にユース可能なデータ構造である `map` を操作する時、`concurrent map writes` というエラーが発生することがあります。本記事では、そのエラーの原因と解決策である `sync.Map` の活用方法について具体的に説明します。

## 2. concurrent map writes エラーとは

### 2-1. エラーの原因

`concurrent map writes` エラーは、複数のゴルーチンが同時にGoの組み込み `map` 型を操作しようとしたときに発生します。Goの `map` はスレッドセーフではなく、同時アクセスをサポートしていません。

### 2-2. 発生する状況

このエラーは、以下のような状況下で発生します。

- 複数のゴルーチンが同時に `map` への書き込みを試みた

- あるゴルーチンが `map` を読み込み中に、他のゴルーチンが書き込みを行った

## 3. sync.Mapの概要

`sync.Map` はGoの `sync` パッケージに含まれており、並行処理における `map` の操作を安全に行うためのデータ構造です。`sync.Map` の主な特長は、ロックを用いて `map` の操作を内部的に管理することで、並行アクセスを安全に実現している点です。

## 4. sync.Mapの使い方

### 4-1. 基本的な操作（`Load`, `Store`, `Delete`）

- `Store`: キーと値を `sync.Map` に保存します。

- `Load`: 指定したキーに対応する値を取得します。

- `LoadOrStore`: キーが存在するかチェックし、存在しなければ新たにストアします。

- `Delete`: 指定したキーを `sync.Map` から削除します。

### 4-2. `Range` メソッドの活用

`Range` メソッドは、 `sync.Map` に保存されているすべてのキーと値のペアに対して渡した関数を実行します。これは、特定の条件に基づいて値を処理するのに役立ちます。

![img](/mosaic-code.jpg)

## 5. sync.Mapを利用するメリットとデメリット

### 5-1. メリット

- **スレッドセーフ**: ゴルーチンセーフなデータ操作が可能で、 `sync.Map` による複雑なロックを手動で管理する必要がありません。

- **簡潔なコード**: 基本的な操作がメソッドで提供されているため、簡潔なコード記述が可能です。

### 5-2. デメリット

- **パフォーマンス**: `sync.Map` は小規模なデータ構造に特化しており、大量のアクセスやサイズの大きなデータ処理には向いていない場合があります。

- **型安全性の低下**: `interface{}` 型を使うため、型安全性が相対的に低くなります。

## 6. 実際のコード例

### 6-1. 通常の `map` を使った場合

![img](/mosaic-code.jpg)

### 6-2. `sync.Map` を使った場合

![img](/mosaic-code.jpg)

## 7. その他の競合状態の回避方法

`sync.Map` の他に、データレースを回避するための一般的な技術には以下があります。

- **sync.RWMutex**: 読み取り専用の操作をスレッドセーフに実行できます。

- **チャンネル**: Goのチャンネルを通じてデータを安全に送受信し、データ競合を防ぎます。

## 8. まとめ

`concurrent map writes` はGoプログラミングにおける一般的なエラーであり、新しく追加された `sync.Map` を使うことで、安全かつ効率的に競合状態を回避できます。しかし、使用するケースやデータの性質によっては `sync.Map` によるパフォーマンスの低下が懸念されます。この点を踏まえ、適材適所での選択が重要です。具体的な要求に合わせたデータ構造と技術を選び、安全で効率的な並行プログラミングを体験してください。

# concurrent map writes のエラーとsync.Mapの活用

## 目次

1. はじめに

2. concurrent map writes エラーとは

   1. エラーの原因

   2. 発生する状況

3. sync.Mapの概要

4. sync.Mapの使い方

   1. 基本的な操作（`Load`, `Store`, `Delete`）

   2. `Range` メソッドの活用

5. sync.Mapを利用するメリットとデメリット

   1. メリット

   2. デメリット

6. 実際のコード例

   1. 通常の `map` を使った場合

   2. `sync.Map` を使った場合

7. その他の競合状態の回避方法

8. まとめ

## 1. はじめに

Go言語で並行処理を行う際、競合状態（race condition）はよく直面する問題です。特に、複数のゴルーチンが同時にユース可能なデータ構造である `map` を操作する時、`concurrent map writes` というエラーが発生することがあります。本記事では、そのエラーの原因と解決策である `sync.Map` の活用方法について具体的に説明します。

## 2. concurrent map writes エラーとは

### 2-1. エラーの原因

`concurrent map writes` エラーは、複数のゴルーチンが同時にGoの組み込み `map` 型を操作しようとしたときに発生します。Goの `map` はスレッドセーフではなく、同時アクセスをサポートしていません。

### 2-2. 発生する状況

このエラーは、以下のような状況下で発生します。

- 複数のゴルーチンが同時に `map` への書き込みを試みた

- あるゴルーチンが `map` を読み込み中に、他のゴルーチンが書き込みを行った

## 3. sync.Mapの概要

`sync.Map` はGoの `sync` パッケージに含まれており、並行処理における `map` の操作を安全に行うためのデータ構造です。`sync.Map` の主な特長は、ロックを用いて `map` の操作を内部的に管理することで、並行アクセスを安全に実現している点です。

## 4. sync.Mapの使い方

### 4-1. 基本的な操作（`Load`, `Store`, `Delete`）

- `Store`: キーと値を `sync.Map` に保存します。

- `Load`: 指定したキーに対応する値を取得します。

- `LoadOrStore`: キーが存在するかチェックし、存在しなければ新たにストアします。

- `Delete`: 指定したキーを `sync.Map` から削除します。

### 4-2. `Range` メソッドの活用

`Range` メソッドは、 `sync.Map` に保存されているすべてのキーと値のペアに対して渡した関数を実行します。これは、特定の条件に基づいて値を処理するのに役立ちます。

```go

var sm sync.Map

sm.Store("foo", "bar")

sm.Range(func(key, value interface{}) bool {

    fmt.Println("key:", key, "value:", value)

    return true // 次の要素が存在する間ループを続ける

})

```

## 5. sync.Mapを利用するメリットとデメリット

### 5-1. メリット

- **スレッドセーフ**: ゴルーチンセーフなデータ操作が可能で、 `sync.Map` による複雑なロックを手動で管理する必要がありません。

- **簡潔なコード**: 基本的な操作がメソッドで提供されているため、簡潔なコード記述が可能です。

### 5-2. デメリット

- **パフォーマンス**: `sync.Map` は小規模なデータ構造に特化しており、大量のアクセスやサイズの大きなデータ処理には向いていない場合があります。

- **型安全性の低下**: `interface{}` 型を使うため、型安全性が相対的に低くなります。

## 6. 実際のコード例

### 6-1. 通常の `map` を使った場合

```go

package main

import (

    "sync"

    "fmt"

)

func main() {

    var m = make(map[string]int)

    var wg sync.WaitGroup

    var mu sync.Mutex

    wg.Add(2)

    go func() {

        defer wg.Done()

        mu.Lock()

        m["a"] = 1

        mu.Unlock()

    }()

    go func() {

        defer wg.Done()

        mu.Lock()

        m["b"] = 2

        mu.Unlock()

    }()

    wg.Wait()

    fmt.Println(m)

}

```

### 6-2. `sync.Map` を使った場合

```go

package main

import (

    "fmt"

    "sync"

)

func main() {

    var sm sync.Map

    var wg sync.WaitGroup

    wg.Add(2)

    go func() {

        defer wg.Done()

        sm.Store("a", 1)

    }()

    go func() {

        defer wg.Done()

        sm.Store("b", 2)

    }()

    wg.Wait()

    sm.Range(func(key, value interface{}) bool {

        fmt.Printf("key: %v, value: %v\n", key, value)

        return true

    })

}

```

## 7. その他の競合状態の回避方法

`sync.Map` の他に、データレースを回避するための一般的な技術には以下があります。

- **sync.RWMutex**: 読み取り専用の操作をスレッドセーフに実行できます。

- **チャンネル**: Goのチャンネルを通じてデータを安全に送受信し、データ競合を防ぎます。

## 8. まとめ

`concurrent map writes` はGoプログラミングにおける一般的なエラーであり、新しく追加された `sync.Map` を使うことで、安全かつ効率的に競合状態を回避できます。しかし、使用するケースやデータの性質によっては `sync.Map` によるパフォーマンスの低下が懸念されます。この点を踏まえ、適材適所での選択が重要です。具体的な要求に合わせたデータ構造と技術を選び、安全で効率的な並行プログラミングを体験してください。

concurrent map writes のエラーとsync.Mapの活用

目次

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）