#目次

1. はじめに

2. Azure ADとは

   1. Azure ADの概要

   2. SSO（シングルサインオン）とは

3. 自社開発アプリをSSO対応させるメリット

4. Azure ADでSSOを実装するための準備

   1. Azure ADテナントの作成

   2. アプリケーションの登録

5. SSOの設定手順

   1. アプリにおけるフェデレーション設定

   2. Azure ADとのトラストリレーションシップの確立

   3. SAMLまたはOpenID Connectの設定

6. 技術的な構成例

   1. コードサンプル（OpenID Connect）

   2. スキーマの設計とデータストア

7. 実装後のテストとトラブルシューティング

   1. テストシナリオ

   2. エラーハンドリングとデバッグ

8. まとめ

## 1. はじめに

自社開発のアプリケーションへのAzure Active Directory（Azure AD）を使用したシングルサインオン（SSO）対応は、多くの企業にとって重要なセキュリティ強化および運用効率化の手段です。本記事では、Azure ADを利用して自社開発アプリをSSO対応させる具体的な方法について詳しく説明します。

## 2. Azure ADとは

### 2-1. Azure ADの概要

Azure Active Directory（Azure AD）は、Microsoftが提供するクラウドベースのディレクトリおよびID管理サービスです。企業はAzure ADを使用してユーザーとグループの認証を管理し、セキュリティを強化することができます。

### 2-2. SSO（シングルサインオン）とは

SSOは、一度のユーザーログインで複数の関連するシステムまたはアプリケーションにアクセス可能にするメカニズムです。Azure ADを利用してSSOを実装することで、ログインプロセスがシームレスになり、ユーザビリティとセキュリティが向上します。

## 3. 自社開発アプリをSSO対応させるメリット

- **ユーザーエクスペリエンスの向上**: ユーザーは一度ログインするだけで、複数のサービスにアクセス可能になります。

- **セキュリティの強化**: 管理者は集中してユーザーアクセスを管理し、セキュリティポリシーを強化できます。

- **運用効率の向上**: パスワードリセットやアカウント管理の手間を軽減し、ITリソースの効率を改善します。

## 4. Azure ADでSSOを実装するための準備

### 4-1. Azure ADテナントの作成

Azure ADテナントの作成は、Microsoft Azureポータルにアクセスし、アカウントを設定することから始まります。以下の手順で進めます。

### 4-2. アプリケーションの登録

1. Azureポータルの左側メニューから「Azure Active Directory」を選択。

2. 「アプリの登録」を選択し、「新規登録」をクリック。

3. アプリケーション名を入力し、リダイレクトURIを設定。

4. 「登録」をクリックして完了。

## 5. SSOの設定手順

### 5-1. アプリにおけるフェデレーション設定

フェデレーション設定では、Azure ADとアプリケーション間でSSOを有効にするための基盤を築きます。必要に応じてフェデレーションプロトコル（SAML、OpenID Connectなど）を設定します。

### 5-2. Azure ADとのトラストリレーションシップの確立

Azure ADを信頼するエンティティとしてアプリケーションを登録することで、トラストリレーションシップを確立します。

### 5-3. SAMLまたはOpenID Connectの設定

- SAML: 構成に必要なエンドポイントURLと証明書を設定します。

- OpenID Connect: クライアントID、クライアントシークレットを設定し、認証フローを選択します。

## 6. 技術的な構成例

### 6-1. コードサンプル（OpenID Connect）

以下は、Node.jsアプリケーションでのOpenID Connect設定の例です。

```javascript

const express = require('express');

const session = require('express-session');

const passport = require('passport');

const OIDCStrategy = require('passport-azure-ad').OIDCStrategy;

passport.use(new OIDCStrategy({

  identityMetadata: 'https://login.microsoftonline.com/{tenant}/v2.0/.well-known/openid-configuration',

  clientID: '{client-id}',

  clientSecret: '{client-secret}',

  responseType: 'code id_token',

  responseMode: 'form_post',

  redirectUrl: 'http://localhost:3000/auth/openid/return',

  allowHttpForRedirectUrl: true,

}, (iss, sub, profile, accessToken, refreshToken, done) => {

  return done(null, profile);

}));

const app = express();

app.use(session({ secret: 'secret key', resave: false, saveUninitialized: true }));

app.use(passport.initialize());

app.use(passport.session());

app.get('/login', passport.authenticate('azuread-openidconnect'));

app.post('/auth/openid/return', 

  passport.authenticate('azuread-openidconnect', { failureRedirect: '/' }),

  (req, res) => {

    res.redirect('/');

  });

app.listen(3000, () => console.log('Server started on port 3000.'));

```

### 6-2. スキーマの設計とデータストア

ユーザーの認証状態や属性を管理するためにデータストアを使用します。データベースの設計には、ユーザー情報を効率的に取り扱うためのテーブルやスキーマが含まれます。

## 7. 実装後のテストとトラブルシューティング

### 7-1. テストシナリオ

ユーザーが期待した動作をするかどうかを確認する一連のテストを実施します。例えば、ログインとログアウトの動作確認、ユーザー情報の正確な取得などです。

### 7-2. エラーハンドリングとデバッグ

SSOの設定における一般的な問題には、トークンの期限切れや無効なリダイレクトURIがあります。エラーハンドリング機能を実装し、問題発生時に適切なログとフィードバックを提供します。

## 8. まとめ

Azure ADを用いたSSOは、セキュリティの強化と利便性の向上に大きく貢献します。適切な計画と実装により、企業はAzureの強力な機能を活用して効率的なユーザー管理を実現できます。本記事が、あなたの自社アプリケーションにおけるSSO導入の助けとなることを願っています。

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