ブラウザのストレージ機能徹底比較:セッションストレージ・ローカルストレージ・クッキーの使い分け方

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2025年04月10日 13:32

目次

  1. はじめに
  2. ブラウザストレージの基本3種とは?
  3. 各ストレージの特徴比較表
  4. 具体的なユースケースでの使い分け
  5. セキュリティリスクとその対策
  6. まとめ

はじめに

Webアプリケーションを開発する際、クライアント側にデータを保存して状態を保持することは非常に重要です。
"ログイン状態を維持したい"、"入力フォームの一時保存をしたい"、"ユーザーの設定を覚えさせたい"──そんな場面で登場するのが、ブラウザのストレージ機能です。

本記事では、以下の3つのストレージについて徹底的に比較し、使い分けの判断基準を明確にします。

  • Cookie(クッキー)
  • LocalStorage(ローカルストレージ)
  • SessionStorage(セッションストレージ)

ブラウザストレージの基本3種とは?

クッキー(Cookie)

  • 送受信:HTTPリクエストに自動的に付与され、サーバーに送信される
  • 容量:最大約4KB程度(ブラウザ依存)
  • 有効期限:指定可能。設定しなければセッションクッキー(ブラウザを閉じるまで有効)
  • 用途例:ログインセッション、トラッキング、ABテスト、CSRF対策

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ローカルストレージ(LocalStorage)

  • 送受信:クライアントサイドのみ。HTTP通信に含まれない
  • 容量:約5〜10MB(ブラウザ依存)
  • 有効期限:永続的(ユーザーが削除しない限り残る)
  • 用途例:ダッシュボードの状態保持、テーマ設定、アプリ内履歴など

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セッションストレージ(SessionStorage)

  • 送受信:クライアントサイドのみ。タブ単位で管理され、HTTP通信には含まれない
  • 容量:約5MB
  • 有効期限:ブラウザタブを閉じるまで
  • 用途例:フォーム入力の一時保存、SPAのステート管理など

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各ストレージの特徴比較表

項目CookieLocalStorageSessionStorage
容量約4KB約5〜10MB約5MB
有効期限任意に設定可能永続(明示的削除が必要)タブを閉じるまで
自動送信毎回HTTPに付与なしなし
スコープドメイン+パスドメインタブ単位
使用用途認証、トラッキング設定保存など一時保存、状態管理
JSアクセス可(HttpOnly除く)

具体的なユースケースでの使い分け

ログインセッション管理

  • Cookieを使用。HttpOnlyとSecure属性を利用してセキュアに。

ユーザー設定の保存

  • LocalStorageが最適。ダークモードや言語設定など。

フォームの一時保存

  • SessionStorageが便利。複数ページにまたがるフォームなどに。

トラッキングや分析

  • Cookie。第三者Cookieや広告タグに利用される。

セキュリティリスクとその対策

CookieのXSS対策

  • HttpOnly属性でJSからのアクセスをブロック
  • Secure属性でHTTPS通信に限定
  • SameSite属性でCSRF対策

LocalStorageの脆弱性

  • JSから直接アクセスできるため、XSSの影響大
  • 機密データ(トークン等)は絶対に保存しない

SessionStorageの注意点

  • タブをまたげない特性に注意
  • 状態共有が必要ならBroadcastChannel API等を併用

まとめ

条件推奨ストレージ
サーバーとセッションを共有したいCookie(HttpOnly推奨)
ユーザー設定などを保存したいLocalStorage
タブごとの状態を一時的に保持したいSessionStorage

ブラウザストレージを正しく使い分けることは、ユーザー体験の向上とアプリのセキュリティ強化に直結します。設計時には用途・スコープ・リスクをよく考慮して選択しましょう。

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