# Azure Front DoorとAzure Application Gatewayの違いと使い分け

## 目次

1. はじめに

2. Azure Front Doorとは

   - 2.1 グローバルな負荷分散

   - 2.2 高速で安全なコンテンツ配信

3. Azure Application Gatewayとは

   - 3.1 アプリケーションレイヤー（OSIレイヤー7）での負荷分散

   - 3.2 ウェブアプリケーションファイアウォール（WAF）の統合

4. 主な違い

   - 4.1 利用する場面と目的

   - 4.2 サポートされるプロトコル

   - 4.3 カスタマイズ性

5. 用途別使い分けガイド

   - 5.1 グローバルなサービス展開

   - 5.2 セキュリティ重視のアプリケーション

   - 5.3 最適なパフォーマンスを求めるケース

6. パフォーマンス比較

   - 6.1 レイテンシ

   - 6.2 スループット

7. 具体的な導入例

   - 7.1 事例1：Eコマースサイト

   - 7.2 事例2：企業内ポータルサイト

8. コスト面の考慮

   - 8.1 コスト比較表

   - 8.2 ROIを最大化するための戦略

9. まとめ

## 1. はじめに

Azureのクラウドプラットフォームは、世界中のビジネスにとって強力なインフラを提供します。その中でも、「Azure Front Door」と「Azure Application Gateway」は、ウェブアプリケーションのパフォーマンスや信頼性を向上させるための重要なサービスです。しかし、それぞれのサービスが持つ特徴は異なり、選択する際には計画的な考慮が必要です。本記事では、Azure Front DoorとAzure Application Gatewayの違いと使い分けについて詳しく解説します。

## 2. Azure Front Doorとは

### 2.1 グローバルな負荷分散

Azure Front Doorは、グローバル規模のサービス展開に適した負荷分散機能を提供します。データセンターが世界中に分散しているため、ユーザーリクエストを地理的に最も近いサーバーにルーティングすることで、応答時間を最小限に抑えます。

### 2.2 高速で安全なコンテンツ配信

Front Doorは、コンテンツ配信ネットワーク（CDN）のキャッシング機能を備えており、静的コンテンツの配信を高速化します。また、Layer 4/Layer 7の攻撃からアプリケーションを守るセキュリティ機能も組み込まれています。

## 3. Azure Application Gatewayとは

### 3.1 アプリケーションレイヤー（OSIレイヤー7）での負荷分散

Azure Application Gatewayは、OSIモデルのレイヤー7で動作する負荷分散サービスです。特にアプリケーションレイヤーでHTTPリクエストを管理し、Webトラフィックを正確に分配します。URIベースのルーティングや、Cookieに基づくセッションアフィニティもサポートします。

### 3.2 ウェブアプリケーションファイアウォール（WAF）の統合

Application Gatewayにはウェブアプリケーションファイアウォール（WAF）が統合されており、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング（XSS）などの攻撃からアプリケーションを防御できます。

## 4. 主な違い

### 4.1 利用する場面と目的

- **Azure Front Door**: グローバルサービス向け。地理的に分散した顧客に対し、高速なコンテンツ配信を実現します。

- **Azure Application Gateway**: 特定のリージョン内での複雑なトラフィックマネージメントとアプリケーションセキュリティが求められるケースで適切です。

### 4.2 サポートされるプロトコル

Front DoorはHTTP/HTTPSプロトコルに特化している一方、Application GatewayはWebSocketやHTTP/2もサポートします。

### 4.3 カスタマイズ性

Application Gatewayは、カスタムルールの作成や詳細なトラフィック管理に優れており、企業内の特定のセキュリティ要件に対応できます。

## 5. 用途別使い分けガイド

### 5.1 グローバルなサービス展開

Azure Front Doorは、世界中のユーザーに均一なパフォーマンスを提供する必要がある場合に適しています。たとえば、複数のロケーションで同時リリースが重要なSaaSアプリケーションです。

### 5.2 セキュリティ重視のアプリケーション

セキュリティ層において特化した制御が要求されるイントラネットのWebアプリケーションには、Azure Application Gatewayが適しています。

### 5.3 最適なパフォーマンスを求めるケース

地理的ロケーションが多様な環境での最適化を重視する場合はFront Doorが有効です。オンザフライでキャッシングポリシーを管理し、オリエンティッド入力を最適化します。

## 6. パフォーマンス比較

### 6.1 レイテンシ

Azure Front Doorは、世界中のポイントオブプレゼンス（PoP）を利用することで、ユーザーからアプリケーションへのレイテンシを最小限に抑えます。

### 6.2 スループット

Application Gatewayはアプリケーション層での複雑な要求に対処し、スループットを維持しつつセキュリティを提供します。

## 7. 具体的な導入例

### 7.1 事例1：Eコマースサイト

Eコマースサイトでは、Azure Front Doorを利用してグローバルなユーザーベースに対するサイトの可用性とパフォーマンスを保証します。

### 7.2 事例2：企業内ポータルサイト

企業内ポータルにおいては、Azure Application Gatewayを利用して社内外からのアクセスを確実に管理し、厳格なセキュリティポリシーを実装します。

## 8. コスト面の考慮

### 8.1 コスト比較表

| サービス         | 初期コスト | 月額コスト | スケーリングコスト |

|------------------|-----------|-----------|-------------------|

| Azure Front Door | 中程度    | 低         | 低                  |

| Application Gateway | 高         | 中程度     | 高                  |

### 8.2 ROIを最大化するための戦略

適切なサービスの選択により、コストを効率的に抑え、投資の利益率（ROI）を上昇させることが重要です。それぞれのパフォーマンスとコストを評価しながら、長期的な利益を考慮します。

## 9. まとめ

Azure Front DoorとAzure Application Gatewayは、それぞれ特定のニーズに応えるために設計されています。グローバルな負荷分散とコンテンツ配信を目的とするならFront Doorが適切で、細かなトラフィック管理とセキュリティ重視のアプローチを求めるならApplication Gatewayが有用です。最適な選択を行うことで、システムの効率性を向上し、ビジネス目標を達成に導くことができます。

Azure Front DoorとAzure Application Gatewayの違いと使い分け

目次

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）