1700人の単価診断結果を元に新・業務委託単価表を作成しました

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2024年12月22日 18:46

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はじめに

この記事はエンジニアの業務委託の適正単価を知りたい経営者・採用者・エンジニアが適正単価を知ることができる記事です。
2021年9月29日に エンジニア200人に聞いて、業務委託単価表を作りました を公開したところ、反響をいただきました。
今回はその単価表をもとに作成した業務委託単価診断で1500人以上の方から回答をいただけましたので、内容を改善した新・業務委託単価表を作成しました。

前回の単価表との違いは経験年数と単価の関係性をなくしたことです。
3年目くらいまではある程度関係はあると思いますが、それ以降は技術者間でも実力の差が経験年数にかかわらず出てきます。
4~5年以降は単価と経験年数の関係は考慮しなくていいと判断しましたので今回は除外させていただきました。

新・エンジニア業務委託単価表

ちょっと小さいので拡大してご確認お願いします。
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アソシエイト(2,000 ~ 3,000円)

✅ Github Flow に沿ってPullrequestを使った開発ができる
✅ アジャイル開発の経験が1年以上ある
✅ クラスやインスタンスなどオブジェクト指向の概念を取り入れたシステムの開発に1年以上携わっていた
✅ ビジネス側から依頼された要件の問題点を指摘し、改善案の提案・実装を行い本番リリースしたことがある
✅ 1年以上経験がある言語が1つ以上ある

指示された内容をしっかりこなせるレベルになります。このラインは入門ゾーンです。初学者からいきなりフリーランスになった方や年次でいうと1~2年目のエンジニアのスキルレベルに相当します。多少の経験がある学生インターンもこのラインでもらっていると思います。

アドバイザー(3,000 ~ 4,000円)

  • 1つのアーキテクチャのメリット・デメリットを説明できる
  • データベース・ビュー表示の速度改善を行った経験がある
  • 2種類以上のアーキテクチャのデメリットを挙げ、どうやれば改善できるかを説明できる
  • 1人で要件定義・設計・実装をして、1人以上から評価された経験がある

抽象的な概念を理解し始めたエンジニアのラインです。クラスとインスタンスやオブジェクト指向、実装アーキテクチャなどを理解し始めたエンジニアです。またこの頃になると1つの言語をしっかり習得しています。

プロフェッショナル(4,000 ~ 5,000円)

  • 3種類以上の言語を仕事でそれぞれ2年以上使ったことがある
  • 社外の人を含めて4人以上で2ヶ月以上のプロジェクトを経験したことがある
  • 5人以上のエンジニアでチーム開発していた
  • DBやクラス設計業務、ストレステスト、脆弱性対応、サーバ/クライアントのキャッシュ設計、CDN利用、JobQueue設計、ドメイン設定、サーバ監視構築のうち4つ以上経験がある

抽象的な概念をしっかり理解し、比較検討ができます。前段階と境目が曖昧なように思いますが、しっかりと理解が定着しているので年次の浅いエンジニアに抽象的な概念を説明できたり、指示できるレベルにあります。

リード(5,000 ~ 6,500円)

  • 1年以上リード経験がある
  • スター数が40k以上のOSSにコントリビュートした経験がある(エラーメッセージ修正など簡単なものではない)
  • ベンチャーの開発部門立ち上げ、または新規事業部の開発部門立ち上げ経験がある
  • マネジメントについて3年以上の経験と知見がある

リード経験がある、ビジネスロジックも理解してサービス設計ができるエンジニアです。体感ですが、エンジニア市場でもここからグッと母数が減ってきます。またこのラインのレベルのエンジニアが一人いると開発文化ができ始め開発組織が充実します。単価5,000円以上を超えるには、キャリア設計やより良いプロダクトを作れる能力があることを明確に示せる必要があると思います。

プリンシパル(6,500 ~ 9,000円)

  • 特定の分野に深い知見を持っており、発行部数が5,000部以上の書籍をしている
  • ユーザー数100万人以上の高負荷サービスを2年以上開発した経験がある
  • 採用したエンジニアが年収700万円以上で2年以上在籍した

特定の分野に深い知見を持ち、執筆活動をされている方もいます。有名企業で働いた経験があったり、この金額を払ってもいいと感じさせてくれる経歴を持っている方が多い印象です。また、経験年数的にもマネジメントをしていたり、コンサル的な業務もされている方が多いと思います。

エキスパート(9,000円 ~)

  • 2年以上在籍し、売却されたまたは上場した(している)企業のCTOの経験がある
  • メディアなどでハイスキルなエンジニアとして取り上げられている
  • 2年以上技術顧問で活動したことがある
  • 数十人いる統率のとれた開発組織のトップクラスにいる人

過去にCTO業務の経験があったり、メディアでも有名な方々が多くいらっしゃいます。数十人規模の開発組織のトップにいるような方々だと思います。全体の2%しかいませんでした。このレベルになると時給で働くというよりは、スポットコンサルで定額報酬を支払うような契約をしている方もいます。この辺りがエンジニアがコード書いて得られる上限ではないかと思います。

終わりに

単価を上げたい方は次の単価ラインのエンジニアがどんな特徴を持っているか分析してキャリアを積み重ねていきましょう。またレベルは変わらずとも現在の単価ラインよりワンランク上の単価を交渉できる方法もあるのでもし需要があったらまた記事を書いてみようと思います。
単価表の目安が皆さんの単価交渉の助けになれば幸いです!

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診断を受けるとあなたの現在の業務委託単価を算出します。今後副業やフリーランスで単価を交渉する際の参考になります。また次の単価レンジに到達するためのヒントも確認できます。