# Azure Front DoorのURLパスベースルーティング設定手順

## 目次

1. はじめに

2. Azure Front Doorとは

3. URLパスベースルーティングの概要

4. Azure Portalでの基本設定

   - 4-1. Front Doorの新規作成

   - 4-2. フロントエンドホストの設定

5. URLパスベースルーティングの設定

   - 5-1. ルーティング規則の作成

   - 5-2. バックエンドプールの構成

   - 5-3. ルーティングルールの設定

6. 動作確認とトラブルシューティング

7. 使用例とベストプラクティス

8. まとめ

## 1. はじめに

Azure Front Doorは、グローバルスケールでの低遅延アクセスと高可用性を提供するMicrosoft Azureのサービスです。多様なルーティング機能を提供しており、特にURLパスベースルーティングは、Webアプリケーションに対する特定のパスへの要求を異なるバックエンドに転送するのに非常に便利です。

本記事では、Azure Front DoorにおけるURLパスベースルーティングの設定手順を具体的に解説します。

## 2. Azure Front Doorとは

Azure Front Doorは、内容配信ネットワーク（CDN）としての役割だけでなく、リバースプロキシとしても機能します。高いスケーラビリティとパフォーマンスを特徴とし、全世界でのトラフィック管理を効率的に行います。

- **パフォーマンス向上**: エッジロケーションによるキャッシュとルーティングの最適化

- **高可用性**: マルチリージョンサポートによるフェイルオーバー

- **セキュリティ向上**: SSL/TLS終端とカスタムドメインのサポート

## 3. URLパスベースルーティングの概要

URLパスベースルーティングとは、受信したリクエストのURLパスに基づいて異なるバックエンドへルーティングを行う方法です。これにより、異なるアプリケーションやサービスを一つのドメインで効率的に管理することが可能です。

- **使用シナリオ**: マイクロサービスアーキテクチャの導入、サービスのバージョニング、地域別コンテンツ提供

- **メリット**: 管理の簡素化、レスポンス時間の短縮、トラフィックの最適化

## 4. Azure Portalでの基本設定

### 4-1. Front Doorの新規作成

1. Azure Portalにログインし、「リソースの作成」をクリック。

2. 検索バーに「Front Door」を入力し、表示された「Azure Front Door」を選択。

3. 「作成」ボタンをクリックし、基本情報を入力します。

   - リソースグループ: `your-resource-group`

   - 名前: `your-front-door-name`

   - リージョン: フロントドアがグローバルエンドポイントを提供するため、ここで選択する地域は情報ラベルの基準にのみ使用されます。

### 4-2. フロントエンドホストの設定

1. フロントエンドホスティングを構成します。

   - ホスト名: `www.yourdomain.com`

   - プロトコルの選択: HTTPおよびHTTPSを選択（HTTPS推奨）

## 5. URLパスベースルーティングの設定

### 5-1. ルーティング規則の作成

1. 「ルーティングルールの追加」を選択し、ルーティング規則の名前を設定します。

2. パターンマッチングを使用して、URLパスを指定します。

   - 例: `/api/v1/*` でAPIリクエストに対応

### 5-2. バックエンドプールの構成

1. 新しいバックエンドプールを作成し、リクエストを処理するバックエンドサーバーを指定します。

2. バックエンドホストタイプをIPアドレス、FQDN、Azure App Serviceなどから選択。

   - 優先度と重み付けを使用してバックエンドの優先順位を設定

### 5-3. ルーティングルールの設定

1. 先程作成したルールを使用して、どのバックエンドプールにトラフィックを送信するかを定義します。

2. キャッシングを有効にする場合、キャッシュ設定を構成します。

## 6. 動作確認とトラブルシューティング

1. ブラウザまたはAPIクライアントを使用して、指定したURLパスにアクセスし、正しいバックエンドから応答があるか確認します。

2. Azure Monitorを使用してトラフィックとエラーレートを監視。

3. トラブルシューティングのため、Azure Front Doorのアクセスログを分析します。

## 7. 使用例とベストプラクティス

- **コンテンツの分散**: 静的コンテンツと動的コンテンツを別々のバックエンドにルーティングし、パフォーマンスを最適化。

- **バージョン管理**: APIのバージョン毎に異なるバックエンドを設定し、旧バージョンのAPIを安全に廃止。

- **リージョンごとのサービス提供**: ユーザーの地域に基づいて、最も近いデータセンターからコンテンツを提供。

## 8. まとめ

Azure Front DoorのURLパスベースルーティングは、現代のWebアプリケーションにおける柔軟でスケーラブルなトラフィック管理を実現する重要なツールです。複雑なルーティングニーズに対応しながら、スムーズなユーザーエクスペリエンスを提供するために、適切な設定とベストプラクティスに従うことは不可欠です。

技術的な設定については、公式ドキュメントの更新に注意を払い、常に最新のベストプラクティスを参照してください。エッジでの最適化とグローバルスケールでのパフォーマンス向上のため、Azure Front Doorを活用して、今後のWebサービスの展開を加速させましょう。

Azure Front DoorのURLパスベースルーティング設定手順

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