# Salesforceにおける認証・認可の設計（OAuth 2.0, Named Credentials）

## 目次

1. はじめに
2. OAuth 2.0とは
   1. OAuth 2.0の基本概念
   2. SalesforceにおけるOAuth 2.0の役割
3. SalesforceにおけるNamed Credentials
   1. Named Credentialsの概要
   2. Named Credentialsを使用する利点
4. 認証フローの設計
   1. OAuth 2.0の認証フロー
   2. Named Credentialsでの認証フローの実装
5. 実装例
   1. OAuth 2.0での実装
   2. Named Credentialsでの実装
6. 安全性とセキュリティの考慮
7. Salesforceのプラットフォームとエコシステム統合
8. まとめ

## 1. はじめに

Salesforceは強力なCRMプラットフォームで、多くのビジネスプロセスを自動化し、効率化します。しかし、Salesforceと他のシステムとの安全なデータ連携を実現するためには、認証と認可の仕組みが不可欠です。この記事では、Salesforceにおける認証・認可の設計において非常に重要な「OAuth 2.0」と「Named Credentials」について詳しく解説します。

## 2. OAuth 2.0とは

### 2-1. OAuth 2.0の基本概念

OAuth 2.0は、第三者のアプリケーションがユーザーのリソースにアクセスするための認可フレームワークです。ユーザーが秘密のパスワードを渡すことなく、認可を提供することができます。これによってユーザーのデータを保護しながら、多様なシステム統合を実現します。

#### 主な用語
- **リソース所有者**：サービスの所有者（通常はユーザー）
- **クライアント**：アクセスを要求するアプリケーション
- **リソースサーバー**：保護されたリソースを持つサーバー
- **認可サーバー**：トークンを発行するサーバー

### 2-2. SalesforceにおけるOAuth 2.0の役割

SalesforceはOAuth 2.0を用いてAPIアクセスを制御します。これにより、サードパーティ製アプリケーションによるアクセスを制御し、データの安全性を保つことができます。

## 3. SalesforceにおけるNamed Credentials

### 3-1. Named Credentialsの概要

Named CredentialsはSalesforce上の外部システムとの連携を簡素化するための設定です。認証情報（URL、認証トークンなど）をSalesforce内で一元管理でき、ユーザビリティとセキュリティの強化に役立ちます。

### 3-2. Named Credentialsを使用する利点

- **セキュリティの向上**：認証情報をコードに直接書く必要がないため、情報漏洩のリスクが低減されます。
- **管理の一元化**：認証情報を一箇所に集約することで、管理が容易となります。
- **再利用性の向上**：異なるコードから同一の設定を再利用でき、重複を避けることができます。

## 4. 認証フローの設計

### 4-1. OAuth 2.0の認証フロー

OAuth 2.0にはいくつかの認証フローがありますが、Salesforceでよく使われるのは以下の二つです。
- **認可コードフロー**：ユーザーがアプリケーションを経由してアクセスを承認します。最も安全で、ユーザーの確認が得られます。
- **リソース所有者パスワード認可フロー**：ユーザーのユーザー名とパスワードを使用します。あまり推奨はされませんが、バックグラウンドテストに使用されることもあります。

### 4-2. Named Credentialsでの認証フローの実装

Named Credentialsは、外部システムと統合する際の手続きを簡略化します。下記のサンプルで、Named Credentialsの設定をSalesforceでどのように行うか見ていきます。

## 5. 実装例

### 5-1. OAuth 2.0での実装

![img](/mosaic-code.jpg)

### 5-2. Named Credentialsでの実装

![img](/mosaic-code.jpg)

## 6. 安全性とセキュリティの考慮

Salesforceでの認証・認可設計では、以下のセキュリティポイントを考慮する必要があります。

- **最小権限の原則の遵守**：アクセスを必要最小限に絞る。
- **アクセスログの検討**：不正アクセスを監視するためのログ取得。
- **秘密情報の保護**：トークンやパスワードの適切な管理。

## 7. Salesforceのプラットフォームとエコシステム統合

Salesforceは、他のシステムやツールとの統合を容易にするために、多くのAPIとツールを提供しています。Adobe、Slack、Herokuなどのツールとも簡単に統合できるため、様々なビジネス要件に対応できます。Named CredentialsとOAuth 2.0により、これらの統合もシームレスに行うことができます。

## 8. まとめ

Salesforceにおける認証と認可の設計は、OAuth 2.0とNamed Credentialsの理解と適切な運用が鍵です。この二つをうまく活用しデータアクセスを管理することで、システムの信頼性とセキュリティを保ちながら柔軟なシステム統合を実現できます。プラットフォームの特性を理解し、常に最新のセキュリティガイドラインに従うことが、成功のポイントです。 [cv:issue_marketplace_engineer]

# Salesforceにおける認証・認可の設計（OAuth 2.0, Named Credentials）

## 目次

1. はじめに
2. OAuth 2.0とは
   1. OAuth 2.0の基本概念
   2. SalesforceにおけるOAuth 2.0の役割
3. SalesforceにおけるNamed Credentials
   1. Named Credentialsの概要
   2. Named Credentialsを使用する利点
4. 認証フローの設計
   1. OAuth 2.0の認証フロー
   2. Named Credentialsでの認証フローの実装
5. 実装例
   1. OAuth 2.0での実装
   2. Named Credentialsでの実装
6. 安全性とセキュリティの考慮
7. Salesforceのプラットフォームとエコシステム統合
8. まとめ

## 1. はじめに

Salesforceは強力なCRMプラットフォームで、多くのビジネスプロセスを自動化し、効率化します。しかし、Salesforceと他のシステムとの安全なデータ連携を実現するためには、認証と認可の仕組みが不可欠です。この記事では、Salesforceにおける認証・認可の設計において非常に重要な「OAuth 2.0」と「Named Credentials」について詳しく解説します。

## 2. OAuth 2.0とは

### 2-1. OAuth 2.0の基本概念

OAuth 2.0は、第三者のアプリケーションがユーザーのリソースにアクセスするための認可フレームワークです。ユーザーが秘密のパスワードを渡すことなく、認可を提供することができます。これによってユーザーのデータを保護しながら、多様なシステム統合を実現します。

#### 主な用語
- **リソース所有者**：サービスの所有者（通常はユーザー）
- **クライアント**：アクセスを要求するアプリケーション
- **リソースサーバー**：保護されたリソースを持つサーバー
- **認可サーバー**：トークンを発行するサーバー

### 2-2. SalesforceにおけるOAuth 2.0の役割

SalesforceはOAuth 2.0を用いてAPIアクセスを制御します。これにより、サードパーティ製アプリケーションによるアクセスを制御し、データの安全性を保つことができます。

## 3. SalesforceにおけるNamed Credentials

### 3-1. Named Credentialsの概要

Named CredentialsはSalesforce上の外部システムとの連携を簡素化するための設定です。認証情報（URL、認証トークンなど）をSalesforce内で一元管理でき、ユーザビリティとセキュリティの強化に役立ちます。

### 3-2. Named Credentialsを使用する利点

- **セキュリティの向上**：認証情報をコードに直接書く必要がないため、情報漏洩のリスクが低減されます。
- **管理の一元化**：認証情報を一箇所に集約することで、管理が容易となります。
- **再利用性の向上**：異なるコードから同一の設定を再利用でき、重複を避けることができます。

## 4. 認証フローの設計

### 4-1. OAuth 2.0の認証フロー

OAuth 2.0にはいくつかの認証フローがありますが、Salesforceでよく使われるのは以下の二つです。
- **認可コードフロー**：ユーザーがアプリケーションを経由してアクセスを承認します。最も安全で、ユーザーの確認が得られます。
- **リソース所有者パスワード認可フロー**：ユーザーのユーザー名とパスワードを使用します。あまり推奨はされませんが、バックグラウンドテストに使用されることもあります。

### 4-2. Named Credentialsでの認証フローの実装

Named Credentialsは、外部システムと統合する際の手続きを簡略化します。下記のサンプルで、Named Credentialsの設定をSalesforceでどのように行うか見ていきます。

## 5. 実装例

### 5-1. OAuth 2.0での実装

```java
// Apexクラスの例
HttpRequest req = new HttpRequest();
req.setEndpoint('https://api.salesforce.com/services/data/v52.0/query');
req.setMethod('GET');

OAuth.AccessToken accessToken = new OAuth.AccessToken();
req.setHeader('Authorization', 'Bearer ' + accessToken);

// リクエスト送信
Http http = new Http();
HTTPResponse res = http.send(req);
System.debug(res.getBody());
```

### 5-2. Named Credentialsでの実装

```java
// Named Credentialを使用するApexクラスの例
HttpRequest req = new HttpRequest();
req.setEndpoint('callout:My_Named_Credential/services/apexrest');
req.setMethod('GET');

Http http = new Http();
HTTPResponse res = http.send(req);
System.debug(res.getBody());
```

## 6. 安全性とセキュリティの考慮

Salesforceでの認証・認可設計では、以下のセキュリティポイントを考慮する必要があります。

- **最小権限の原則の遵守**：アクセスを必要最小限に絞る。
- **アクセスログの検討**：不正アクセスを監視するためのログ取得。
- **秘密情報の保護**：トークンやパスワードの適切な管理。

## 7. Salesforceのプラットフォームとエコシステム統合

Salesforceは、他のシステムやツールとの統合を容易にするために、多くのAPIとツールを提供しています。Adobe、Slack、Herokuなどのツールとも簡単に統合できるため、様々なビジネス要件に対応できます。Named CredentialsとOAuth 2.0により、これらの統合もシームレスに行うことができます。

## 8. まとめ

Salesforceにおける認証と認可の設計は、OAuth 2.0とNamed Credentialsの理解と適切な運用が鍵です。この二つをうまく活用しデータアクセスを管理することで、システムの信頼性とセキュリティを保ちながら柔軟なシステム統合を実現できます。プラットフォームの特性を理解し、常に最新のセキュリティガイドラインに従うことが、成功のポイントです。 

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