#目次
1. 概要
2. GKEとは
3. Vertical Pod Autoscaler (VPA)の概要
4. VPAの利点
   - 4-1. リソース効率の最適化
   - 4-2. コスト削減
   - 4-3. パフォーマンスの向上
5. VPAの仕組み
6. VPAの構成要素
    - 6-1. Recommender
    - 6-2. Updater
    - 6-3. Admission Controller
7. VPAの導入手順
    - 7-1. 事前準備
    - 7-2. VPAのインストールと設定
    - 7-3. 設定の確認と調整
8. VPAの効果測定
9. VPA利用の注意点
10. まとめ

---

1. 概要

GKE (Google Kubernetes Engine)はGoogle Cloud Platform上で稼働するKubernetesコンテナオーケストレーションプラットフォームです。Kubernetesクラスターの管理を支援し、アプリケーションのデプロイ、管理、スケーリングを容易にするツールセットを提供します。一方、Vertical Pod Autoscaler（VPA）は、Kubernetesのコンポーネントの一つで、アプリケーションのリソース要件に基づいてPodのリソース割り当てを自動で調整する機能です。

2. GKEとは

GKEはGoogle Cloudで提供されるマネージドKubernetesサービスです。これにより、ユーザーはインフラストラクチャやKubernetesの複雑さを意識することなく、コンテナ化されたアプリケーションを迅速にデプロイ、更新、管理できるようになります。GKEは高可用性、スケーラビリティ、セキュリティを提供し、Google Cloudの強力なネットワークと統合することができます。

3. Vertical Pod Autoscaler (VPA)の概要

VPAはPod内のリソース（CPU、メモリ）を自動で調整することによって、パフォーマンスを最適化し、リソースの過剰割り当てや不足を防ぐ役割を担います。VPAはアプリケーションのリソース使用をモニタリングし、運用環境でアプリケーションの負荷が変化するたびに、リソース割り当てを適切に調整します。

4. VPAの利点

4-1. リソース効率の最適化

VPAはCPUやメモリの使用状況に基づいて資源を最適化し、リソースの無駄を削減します。これにより、予想外の負荷が発生した際にもアプリケーションが適切に対応できるようにします。

4-2. コスト削減

リソース使用を適切に調整することで、不要なコンピューティングリソースの購入を避け、コストを削減することができます。

4-3. パフォーマンスの向上

リソースの自動調整により、アプリケーションのパフォーマンスを向上させ、サービスのダウンタイムを最小限に抑えます。

5. VPAの仕組み

VPAは以下の3つの主要なコンポーネントによって動作します。

6. VPAの構成要素

6-1. Recommender

Recommenderはリソース使用状況をモニタリングし、必要に応じてPodのリソースリクエストとリミットを推奨する役割を担います。これは過去のリソース使用データを学習し、将来必要となるリソースを予測します。

6-2. Updater

UpdaterはPodのリソース割り当てを実際に変更する役割を持ち、Recommenderの推奨に基づいて、既存のPodを再作成してリソース割り当てを更新します。

6-3. Admission Controller

Admission Controllerは新規に作成されるPodに対して、Recommenderの推奨を適用する役割があります。

7. VPAの導入手順

7-1. 事前準備

VPAの導入には、まずGKEクラスターにkubectlがインストールされていること、さらに適切なアクセス権が設定されていることが前提です。

7-2. VPAのインストールと設定

以下のコマンドでVPAをインストールできます：

```shell
kubectl apply -f https://github.com/kubernetes/autoscaler/blob/master/vertical-pod-autoscaler/deploy/vpa-v1-crd.yaml
```

7-3. 設定の確認と調整

VPAが正しく設定されているかどうかを確認し、必要に応じて各設定を調整します。推奨設定は、リリース静止期間やリソース使用パターンに基づいてカスタマイズ可能です。

8. VPAの効果測定

VPAを導入した後、リソース使用の傾向やPodのパフォーマンスを監視し、導入効果を定量的に測定します。効果的なリソースのスケーリングが行われているかを確認します。

9. VPA利用の注意点

VPAの導入によって突然のリソースの制限や不足が発生しないよう、通常トラフィックや予想外の負荷に対してPodレベルの冗長性を持たせることが重要です。また、アプリケーションの動作が静止するタイミングにリソースが振り分けられるよう、適切なスケジューリングも必要になります。

10. まとめ

Vertical Pod Autoscalerは、クラウド環境でのコスト効率を高め、アプリケーションのパフォーマンスを改善するための有力なツールです。GKEと組み合わせて使用することで、よりスムーズなリソース管理を実現し、Kubernetes上での自動化された可用性の高い運用環境を構築できます。ぜひ、自らの運用環境に応じてVPAを導入し、その効果を体感してください。 [cv:issue_marketplace_engineer]

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）