
# Tomcatの過負荷対策としてのリクエスト制御設定方法

## 1. 目次
1. はじめに
2. Tomcatの基本設定
3. リクエスト制御の必要性
4. Tomcatでのリクエスト制御方法
   1. maxThreads設定
   2. acceptCount設定
   3. connectionTimeout設定
5. リクエスト制御の具体例
   1. 設定ファイルの例
   2. 具体的なケーススタディ
6. ログとモニタリングでの過負荷検出
7. その他の過負荷対策
   1. リバースプロキシの導入
   2. キャッシングの利用
   3. クラスタリング
8. まとめ

## 2. はじめに

Apache Tomcatは、Java ServletやJSPの実行環境として広く用いられています。しかし、大量のリクエストが急激に集中すると、Tomcatのパフォーマンスが低下し、サービスがダウンする原因となります。この記事では、Tomcatの過負荷に対するリクエスト制御方法について詳しく解説します。

## 3. Tomcatの基本設定

### 3-1. Tomcatのインストールと基本的な設定

Tomcatのインストールは、一般的に公式サイトからのアーカイブを展開し、JAVA_HOMEを設定して実行することで行われます。基本的な設定は、`conf/server.xml`で行います。このファイルで接続ポートやスレッドの設定を管理します。

## 4. リクエスト制御の必要性

大量のリクエストがサーバーに殺到すると、CPUとメモリの使用率が異常に高くなり、結果として応答が遅くなったり、アプリケーションダウンの可能性もあります。これを防止するために、適切なリクエスト制御が必要です。

## 5. Tomcatでのリクエスト制御方法

### 5-1. maxThreads設定

`maxThreads`は、Tomcatが同時に処理できる最大スレッド数を指定します。この設定により、同時に処理可能なリクエスト数が制限されます。

例:
```xml
<Connector port="8080" protocol="HTTP/1.1"
           maxThreads="200"
           connectionTimeout="20000"
           redirectPort="8443" />
```

### 5-2. acceptCount設定

`acceptCount`は、スレッドプールがフルの場合に、リクエストを各スレッドが処理するまで待機できるキューのリクエスト数を指定します。

例:
```xml
<Connector port="8080" protocol="HTTP/1.1"
           maxThreads="200"
           acceptCount="100"
           connectionTimeout="20000"
           redirectPort="8443" />
```

### 5-3. connectionTimeout設定

`connectionTimeout`は、クライアント接続が切断されるまでの待機時間を設定します。これを設定することで、接続が長時間占有されることを防ぎます。

例:
```xml
<Connector port="8080" protocol="HTTP/1.1"
           maxThreads="200"
           acceptCount="100"
           connectionTimeout="20000"
           redirectPort="8443" />
```

## 6. リクエスト制御の具体例

### 6-1. 設定ファイルの例

```xml
<Connector port="8080" protocol="HTTP/1.1"
           maxThreads="150"
           acceptCount="50"
           connectionTimeout="30000"
           redirectPort="8443" />
```
この設定により、同時に150スレッドで処理し、最大50のリクエストを待機キューに保持します。

### 6-2. 具体的なケーススタディ

ビジネスアプリケーションで一度に大量のユーザーが接続する場合、`maxThreads`を増やしつつ、`acceptCount`も適切に設定することで、高い負荷でも安定したパフォーマンスを維持します。

## 7. ログとモニタリングでの過負荷検出

Tomcatの`logs/catalina.out`や他のログを活用して、過剰な負荷の兆候を検出できます。モニタリングツールと連携してリアルタイムで監視することをお勧めします。

## 8. その他の過負荷対策

### 8-1. リバースプロキシの導入

Apache HTTP サーバーやNGINXをリバースプロキシとして用いることで、負荷分散とキャッシングを行い、Tomcatサーバーへの負荷を軽減します。

### 8-2. キャッシングの利用

データベースよりも応答が速いメモリ内ストア（例：RedisやMemcached）を利用することで、リクエスト応答時間を短縮できます。

### 8-3. クラスタリング

Tomcatそれ自体をクラスタリングすることによって、複数のTomcatインスタンスにリクエストを分散し、冗長性を確保しつつ負荷を分散します。

## 9. まとめ

Tomcatの過負荷を防ぐためのリクエスト制御は、主に`maxThreads`、`acceptCount`、`connectionTimeout`の設定に依存します。さらに、リバースプロキシやキャッシング、クラスタリングの導入により、安定したアプリケーションの運用が可能になります。これらの設定と技術を活用して、アプリケーションのスケーラビリティと信頼性を向上させましょう。 [cv:issue_marketplace_engineer]

Tomcatの過負荷対策としてのリクエスト制御設定方法

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