# Azure ADでSCIM連携によるユーザー同期を実装する方法

## 目次

1. SCIMとは？

2. Azure ADとのSCIM連携について

3. 前提条件

4. SCIM連携設定手順

   - 4-1 SCIMエンドポイントの用意

   - 4-2 Azure ADでのアプリケーション登録

   - 4-3 プロビジョニング設定の構成

5. ユーザー同期の確認

6. トラブルシューティング

7. まとめ

## 1. SCIMとは？

SCIM（System for Cross-domain Identity Management）は、企業のクラウドサービス間でユーザーを管理・同期するための標準的なプロトコルです。ユーザー情報を統一的に管理するため、異なるシステム間での手動操作の削減やセキュリティの向上に役立ちます。

## 2. Azure ADとのSCIM連携について

Azure Active Directory（Azure AD）は、SCIMを利用して他のアプリケーションとユーザー情報をシームレスに同期することができます。これにより、Azure ADをハブとして一元的にユーザー管理を行い、プロビジョニングとデプロビジョニングを自動化できます。

## 3. 前提条件

- Azure AD Premium P1またはP2ライセンスが必要です。

- SCIM 2.0に対応したサードパーティアプリケーション。

- エンタープライズアプリケーションとしてAzure ADにアプリを追加する権限。

## 4. SCIM連携設定手順

### 4-1 SCIMエンドポイントの用意

SCIMを利用するためには、まず目的のアプリケーション側でSCIMエンドポイントを生成し、ユーザーやグループのプロビジョニングを受け入れる準備をします。アプリケーションごとに具体的な設定手順が異なるため、公式ドキュメントやサポートリソースを確認してください。

### 4-2 Azure ADでのアプリケーション登録

1. **Azureポータルにログイン** - [Azureポータル](https://portal.azure.com)にアクセスし、必要な権限を持ってサインインします。

2. **Azure ADを選択** - メニューから「Azure Active Directory」を選択します。

3. **エンタープライズアプリケーションを作成** - 「エンタープライズアプリケーション」セクションに進み、「新しいアプリケーション」をクリックします。

4. **独自のアプリを追加** - 「アプリの追加」から「独自のアプリを追加」を選び、名前を入力して登録します。

### 4-3 プロビジョニング設定の構成

1. **プロビジョニングタブを開く** - 新規登録したアプリケーションの「プロビジョニング」タブを開きます。

2. **プロビジョニングモードを選択** - ドロップダウンメニューで「自動」を選びます。

3. **SCIMエンドポイントを設定** - 取得したエンドポイントURLを入力し、認証情報を「ベーシック認証」として設定します。

   - **ベーシック認証**ではユーザー名とパスワードを、その代わりにBearer Token認証が推奨されます。

4. **Azure ADとの同期を開始** - 設定が完了したら、「状態」を「オン」にして「保存」をクリックします。

## 5. ユーザー同期の確認

Azure ADからの通知やアプリケーションの管理画面で、ユーザーが正しく同期されているかどうか確認します。また、定期的なチェックを行い、同期に関するエラーがないかを監視します。

## 6. トラブルシューティング

- **認証エラー** - SCIMエンドポイントのURLや認証情報に誤りがないか確認します。

- **同期の遅延** - Azureの制限やネットワークの問題がないか確認します。

- **ユーザー属性の不一致** - アプリケーションの属性設定とAzure ADのマッピングを確認・修正します。

## 7. まとめ

SCIMによるユーザー同期は、Azure ADを使用することでシンプルかつ効率的に管理可能です。適切な設定を行うことでセキュリティを向上させ、管理負荷を大幅に軽減することが可能です。トラブルシューティングも事前に理解しておけば、問題発生時に迅速な対応が可能となります。

Azure ADでSCIM連携によるユーザー同期を実装する方法

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