# S3に大容量ファイルを分割してアップロードするマルチパートアップロードの方法

## 目次
1. はじめに
2. マルチパートアップロードとは
3. マルチパートアップロードのメリットとデメリット
   1. メリット
   2. デメリット
4. マルチパートアップロードの手順
   1. 初期化
   2. パートのアップロード
   3. アップロードの完了
   4. アップロードの中止
5. Pythonを用いたマルチパートアップロードの実装例
6. エラーハンドリング
7. パフォーマンスの最適化
8. まとめ

## 1. はじめに
AWSのS3（Simple Storage Service）は、大容量のデータを効率的に保存するためのクラウドストレージサービスです。S3へのファイルアップロードは通常の単一操作でも可能ですが、大容量ファイルの場合はマルチパートアップロードを使用することで、アップロード性能を大幅に向上させることができます。

## 2. マルチパートアップロードとは
マルチパートアップロードとは、ファイルを一定サイズのパートに分割し、並列でアップロードすることで、効率的かつ信頼性の高いアップロードを実現する方法です。これにより、大容量ファイルも断続的にアップロードできるため、ネットワークエラーの影響を最小限に抑えつつ、全体のアップロード時間を短縮できます。

## 3. マルチパートアップロードのメリットとデメリット
### 3-1. メリット
- **効率性**: 複数のパートを同時にアップロードするため、全体のアップロード時間が短縮されます。
- **信頼性**: 各パートを個別に再試行できるため、ネットワークエラーが発生しても全体のアップロードが失敗することを防げます。
- **柔軟性**: 一部のパートが破損しても他のパートは有効なため、特定のパートだけを再アップロードすることが可能です。

### 3-2. デメリット
- **複雑性**: 単一ファイルのアップロードと比較して、操作が複雑になります。
- **コスト**: マルチパートアップロード処理には、リクエストが増えることに伴うコストが発生します。

## 4. マルチパートアップロードの手順
### 4-1. 初期化
まず、アップロードするファイルに対してマルチパートアップロードを初期化します。これにより、固有のアップロードIDが取得され、以降のパートアップロードに使用されます。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 4-2. パートのアップロード
ファイルをパートに分割し、それぞれをS3にアップロードします。パートは最低5MB以上である必要があります。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 4-3. アップロードの完了
全てのパートのアップロードが完了したら、`complete_multipart_upload`を呼び出してS3に結合を指示します。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 4-4. アップロードの中止
万が一、途中でアップロードを中止する必要があれば、`abort_multipart_upload`を呼び出します。

![img](/mosaic-code.jpg)

## 5. Pythonを用いたマルチパートアップロードの実装例
以下の例では、バケット名`my-bucket`、ファイルキー`my-large-file`で、ファイル`largefile.txt`をマルチパートアップロードします。

![img](/mosaic-code.jpg)

## 6. エラーハンドリング
各パートのアップロードが失敗する可能性があるため、エラーハンドリングを実装し、失敗したパートのみを再試行するロジックを組み込むことが重要です。

## 7. パフォーマンスの最適化
- **並列処理**: 例えば`ThreadPoolExecutor`を用いてパートのアップロードを並列で行うことで、全体的な速度を向上させることができます。
- **適切なパートサイズ**: 大きすぎず、小さすぎない適切なパートサイズを選択することが重要です。AWS SDK for Pythonでは5MB以上を推奨しています。

## 8. まとめ
S3のマルチパートアップロードを利用することで、大容量のファイルを効率的かつ信頼性を持ってアップロードすることができます。この方法を活用することで、特に大容量ファイルの取り扱いが多い場合に、パフォーマンスの向上とエラーハンドリングのしやすさを実現します。このガイドを活用して、AWS S3へ大容量ファイルをスムーズにアップロードしましょう。 [cv:issue_marketplace_engineer]

# S3に大容量ファイルを分割してアップロードするマルチパートアップロードの方法

## 目次
1. はじめに
2. マルチパートアップロードとは
3. マルチパートアップロードのメリットとデメリット
   1. メリット
   2. デメリット
4. マルチパートアップロードの手順
   1. 初期化
   2. パートのアップロード
   3. アップロードの完了
   4. アップロードの中止
5. Pythonを用いたマルチパートアップロードの実装例
6. エラーハンドリング
7. パフォーマンスの最適化
8. まとめ

## 1. はじめに
AWSのS3（Simple Storage Service）は、大容量のデータを効率的に保存するためのクラウドストレージサービスです。S3へのファイルアップロードは通常の単一操作でも可能ですが、大容量ファイルの場合はマルチパートアップロードを使用することで、アップロード性能を大幅に向上させることができます。

## 2. マルチパートアップロードとは
マルチパートアップロードとは、ファイルを一定サイズのパートに分割し、並列でアップロードすることで、効率的かつ信頼性の高いアップロードを実現する方法です。これにより、大容量ファイルも断続的にアップロードできるため、ネットワークエラーの影響を最小限に抑えつつ、全体のアップロード時間を短縮できます。

## 3. マルチパートアップロードのメリットとデメリット
### 3-1. メリット
- **効率性**: 複数のパートを同時にアップロードするため、全体のアップロード時間が短縮されます。
- **信頼性**: 各パートを個別に再試行できるため、ネットワークエラーが発生しても全体のアップロードが失敗することを防げます。
- **柔軟性**: 一部のパートが破損しても他のパートは有効なため、特定のパートだけを再アップロードすることが可能です。

### 3-2. デメリット
- **複雑性**: 単一ファイルのアップロードと比較して、操作が複雑になります。
- **コスト**: マルチパートアップロード処理には、リクエストが増えることに伴うコストが発生します。

## 4. マルチパートアップロードの手順
### 4-1. 初期化
まず、アップロードするファイルに対してマルチパートアップロードを初期化します。これにより、固有のアップロードIDが取得され、以降のパートアップロードに使用されます。

```python
import boto3

s3_client = boto3.client('s3')
response = s3_client.create_multipart_upload(Bucket='bucket-name', Key='file-key')
upload_id = response['UploadId']
```

### 4-2. パートのアップロード
ファイルをパートに分割し、それぞれをS3にアップロードします。パートは最低5MB以上である必要があります。

```python
with open('largefile.txt', 'rb') as file:
    file.seek(offset)  # offsetは読み取る位置
    s3_client.upload_part(Bucket='bucket-name', Key='file-key', PartNumber=part_number,
                          UploadId=upload_id, Body=file.read(chunk_size))
```

### 4-3. アップロードの完了
全てのパートのアップロードが完了したら、`complete_multipart_upload`を呼び出してS3に結合を指示します。

```python
s3_client.complete_multipart_upload(Bucket='bucket-name', Key='file-key', 
                                    UploadId=upload_id, MultipartUpload={'Parts': parts})
```

### 4-4. アップロードの中止
万が一、途中でアップロードを中止する必要があれば、`abort_multipart_upload`を呼び出します。

```python
s3_client.abort_multipart_upload(Bucket='bucket-name', Key='file-key', UploadId=upload_id)
```

## 5. Pythonを用いたマルチパートアップロードの実装例
以下の例では、バケット名`my-bucket`、ファイルキー`my-large-file`で、ファイル`largefile.txt`をマルチパートアップロードします。

```python
import boto3
from math import ceil

def multipart_upload(file_path, bucket, key):
    s3 = boto3.client('s3')
    create_mpu = s3.create_multipart_upload(Bucket=bucket, Key=key)
    upload_id = create_mpu['UploadId']

    part_size = 5 * 1024 * 1024  # 5MB
    parts = []

    try:
        with open(file_path, 'rb') as file:
            file_size = os.fstat(file.fileno()).st_size
            part_count = int(ceil(file_size / float(part_size)))

            for i in range(1, part_count + 1):
                data = file.read(part_size)
                part = s3.upload_part(
                    Bucket=bucket, Key=key, PartNumber=i, UploadId=upload_id, Body=data
                )
                parts.append({"PartNumber": i, "ETag": part["ETag"]})

        result = s3.complete_multipart_upload(
            Bucket=bucket, Key=key, UploadId=upload_id, MultipartUpload={"Parts": parts}
        )
        print("Upload completed:", result)
    except Exception as e:
        s3.abort_multipart_upload(Bucket=bucket, Key=key, UploadId=upload_id)
        print("Upload failed, aborted:", e)

multipart_upload("largefile.txt", "my-bucket", "my-large-file")
```

## 6. エラーハンドリング
各パートのアップロードが失敗する可能性があるため、エラーハンドリングを実装し、失敗したパートのみを再試行するロジックを組み込むことが重要です。

## 7. パフォーマンスの最適化
- **並列処理**: 例えば`ThreadPoolExecutor`を用いてパートのアップロードを並列で行うことで、全体的な速度を向上させることができます。
- **適切なパートサイズ**: 大きすぎず、小さすぎない適切なパートサイズを選択することが重要です。AWS SDK for Pythonでは5MB以上を推奨しています。

## 8. まとめ
S3のマルチパートアップロードを利用することで、大容量のファイルを効率的かつ信頼性を持ってアップロードすることができます。この方法を活用することで、特に大容量ファイルの取り扱いが多い場合に、パフォーマンスの向上とエラーハンドリングのしやすさを実現します。このガイドを活用して、AWS S3へ大容量ファイルをスムーズにアップロードしましょう。 

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